2025年12月期結果発表
第58回募集、奨励賞2作品・努力賞4作品選出!
今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(12月25日締切分)
賞金3万円

『片時の蜜月』
九地
STORY
生贄の少女は蛇神から予想外の寵愛を受け、伴侶となることを望まれる。蛇神の執着のわけは――。
選評
尽きぬ愛情を注がれながらも些細な綻びからすれ違ってしまう関係性、その業の深さと悲哀を描いた力作。蛇神の秘めている目的はクライマックスで判明するが、終盤の展開の速さと情報量の多さが情感に水を差してしまった。複雑に絡み合った物語設定だけに、事情が明らかになっていく過程も楽しみたいもの。物語都合で展開を押し込めすぎない方がよいだろう。また、登場人物の感情変化がキモなので、表情や仕草のバリエーションにはより磨きをかけてほしい。カメラワークが奔放かつ寄り引きがやや極端で、構図に変化をつけても読みづらい点にも注意を。

『星の鳥』
owl
STORY
迷える魂を導く星の鳥のヨヅク。彼は今宵も一人の少年の願いに寄り添う──。
選評
物語の設定や場面ごとの演出により、作品の雰囲気作りに魅力が感じられる内容となっている。だが、その雰囲気を生かしたドラマが描けていない印象を受ける。主要なキャラクターの掘り下げをすることで感情移入ができるシーンを増やしたり、ストーリーの展開でより起伏を作れたりすると、読者が引き込まれるような作品へ昇華できるだろう。また、作画面においては、キャラクターの白さが気になる箇所があった。仕上げにおいても妥協なく、全体的なクオリティを突き詰めていってほしい。現在の詩的な世界観を活かしつつ、読者が楽しむための工夫が意識された次作に期待。
賞金1万円

『うちのメイドときたら!』
西野海空
STORY
公爵令嬢マリアはいつも自分をからかってくるメイドのセナに手を焼いていた。そんなある日、マリアはセナがメイドを辞めるということを知り、ショックを受けるが。
選評
全体的に構成がきれいにまとまっている。またキャラクターの豊かな表情や可愛らしいやり取りを通じて、二人の関係性がうまく描き出されている点も好印象。 しかし、作画では課題が残る。特に背景の描き込みが全体的に不足しており、画面に物足りなさを感じた。重厚な絵ばかりも良くないが、背景を描き込むことはキャラクターたちの生きている世界をしっかりと表現し、読者に作品への没入を促すことにも繋がる。 読者の没入感を強めるためにもぜひ次作は背景にも力を入れてほしい。

『おむすびの恩返し』
じょじろ〜
STORY
捨てられたおむすびを供えた凪弦は、夢に現れた精霊・しゃけ太郎から恩返しを約束される。幸運が続くようになるが、その恩返しは次第に度を越していき…?
選評
丁寧な作画が光る一作だ。背景や食べ物、衣服のしわなど細部まで、妥協なく緻密に描き込まれており、画面の端々から高い画力がうかがえる。 一方、変則的なコマ割りが随所に目立つが、演出として上手く機能しておらず、読みづらさに直結している点は惜しい。 ただ、事故シーンで見せた特殊な構図が切迫感を生むなど、効果的な場面も存在する。読み手にそのシーンをどのように受け取ってほしいか、しっかり狙いを定めたうえで「意図のある演出」に昇華できると商業的な訴求力はより一層高まるだろう。

『認めてハンド』
威々汰功喜
STORY
ハンドボール部で一緒になったあかねとしほ。才能があるしほに追いつくため努力を重ねるあかねだが、その差は広がるばかりで…。
選評
努力が報われない悔しさや周りの才能と比較した劣等感が、キャラクターの表情から伝わってくる点は魅力的。 一方で、心情の変化や二人の関係性の深まりが十分に描かれておらず、展開に合わせて主人公たちが都合よく動いている印象に。 そのため、最も感情が高まるはずの二人の絆のシーンに説得力が欠けてしまっている。 どこで一番盛り上げたいかを定めた上で、そこに向けてキャラクターの気持ちの変化を丁寧に描写できると、より読者が感情移入できるだろう。 伸び代は大いにあるので、今後の成長を期待する。

『先生に勝ちたい』
七草
STORY
いつも僕のことを軽くあしらう弓道部の顧問の白矢先生。しっかり者で弓道の腕前もピカイチな先生と、対抗心を燃やす少し頼りない部員の勝負の行く末は…?
選評
登場人物の反応や表情が可愛らしく描けており、普段のギャップと相まって読者が親しみやすいキャラクター描写に秀でていた。作画面では目を見張るものがある一方で、なぜ主人公が先生に勝ちたいのかなどは作中で明かされず構成面では疑問が残る箇所が多い。作品のタイトルかつメインテーマとなる要素が回収されないまま終わるため、オチとなるシーンを読んだときに肩透かしを感じてしまう。次は作品の導入に対して、読者が期待する展開は何かといったことも意識してみるといいだろう。
最終選考作品
完成原稿部門
- 『侍少女と美しさ』葉月 詩野
- 『庭師』ももしん
- 『男爵のチューニングテレパシー』国内産黒米
- 『胡蝶演義』猫草次郎
- 『変わってしまった君』燃える蜃気浪
