【MAGCOMI映画部】No.10「魂(21g)もの」

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こんにちは! エンタメ全般を愛する編集者Yです!

当ブログは、漫画、映画をメインにエンタメをこよなく愛する筆者が、
毎月テーマを一つ決め、テーマに沿った漫画、映画を紹介するブログとなっております!

映画部第10回のテーマですが、最近運動が出来ていない…、その影響か少し体重が増えたような気がします…。ダイエットした方がいいのかな? と思ったり思わなかったりしながら、ふと人間の「重さ」について考えたりする今日この頃。そういえば、人間の肉体以外に「魂」にも重みがあると言われたり言われなかったり。人間の魂って重さがあるんでしょうか? あまり運動不足とは関係ない様な…、しかし、そんなふとした荒唐無稽な疑問に答えてくれるのが我らがエンタメです!

 

という事で…

 

今月のテーマ
「魂(21g)もの」

 

読者の皆さまとエンタメとの架け橋に少しでもなれれば幸いです!

――では早速いってみましょう!
と、その前に( ^ω^)…

※「魂(21g)もの」とは※
魂の重さを通じて、生き方を考えるジャンル
皆さんは「人間の魂って重さがあるの?」と考えた事はないでしょうか??
魂が存在するのならば、亡くなった人間に対してどう向き合うべきなのか、
いや、むしろ21g分の価値とは一体何なのか…。
そんな考察し甲斐のある素敵系哲学ジャンルです。

 

~MAGCOMIの 魂(21g)もの といえば~

『21gのあかり』!!

◎懐かしくも新しいSFジュブナイル◎

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『21gのあかり』あらすじ~

かつて、医師のダンカン・マクドゥーガルは一つの説を唱えた。「魂の重さは21g」だと。長年根拠のない空論とされてきたその説は、数十年の時を経て大きく飛躍した。死後、人体から未知の気体が放出されることが、科学技術の発展により発見されたのだ。少量ながら安定したエネルギーを有するそれは、発電に利用できることが判明し、人類の生活に革命をもたらすことになったのだが…。マッグガーデンがお届けする関西発のWEBコミックサイト「MAGKAN」発、関西在住気鋭作家による、SFジュブナイル!!

            

~どんな作品?~

青臭くも懐かしい雰囲気を持った王道SFジュブナイル作品、ですが、しっかりと「この作品らしさ」を出せている意欲作です。魂をエネルギー化する技術が生まれた近未来を舞台に、どこか昭和チックな雰囲気が残る島で起こるエネルギーをめぐる大事件、そして、その事件に巻き込まれていく二人の女の子…。その先で二人は何を得たのか? 腰を据えてじっくり読みたい一作です。

 


~読んだ感想は?~

本格SFジュブナイル入門として、この上ない一作!

本作は「魂をエネルギーに変える技術が確立された社会」という一見語る所の多そうなテーマを扱っています。「SFジュブナイル」というジャンルはおもしろそうな設定がつきものなので、設定についての解説が多くなる傾向があると筆者は思っており、膨大な設定を頭に詰め込む覚悟で読み始めてみたのですが、

本作はテーマに対して、多くを語り過ぎない親切設計漫画となっていました!

SF3:ドラマ7くらいのイメージ!
※アニメ版『時をかける少女』が「SF5:ドラマ5」
※『夏へのトンネル、サヨナラの出口」が「SF7:ドラマ3」のイメージ…。

※上記は筆者個人の感想です!!

数あるSFジュブナイル作品の中でも、特に人間ドラマの掘り下げに従事している印象があり、主人公の頼音や凛李の家族周りの問題に対して彼女達がどう向き合っていくのかがあくまでもメインの印象です。「SFってちょっと難しくて分からない…」という方でも、キャラクターの繊細な感情描写部分に惹かれる部分は大きいはず!

他のSFジュブナイルにはない、日本特有の優しさの様なものに溢れていて、「こんな攻め方もあるんだ…」と、SFジュブナイルの可能性を感じさせてくれ一作です。

その上で筆者の心に刺さったのが、主人公の一人である凛李の葛藤…。

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彼女は大のおばあちゃん子であり、亡くなったおばあちゃんの意思を継いで母との確執と向き合いながらも「ヒーロー」として人の為に活動する。果たして、そこに意味があるのか?
きっと身近な人を亡くした事がある人なら、彼女の気持ちが分かるはず…。
自分の気持ちに恰好悪くも真摯に向き合い続ける彼女につい感情移入してしまいました。そんな彼女が、相方の頼音も含めて、多くの人の心を動かくして行く様がとてもか恰好良かったです。

 

f:id:magcomi:20220217175949j:plain普段はあまり考えたりはしないのですが、彼女達の頑張る姿を見ていると一概に魂は無いとは言い切れず…。
作品のテーマも相まって、「魂ってもしかしてあるのでは?」と感じさせてくれました。



~一つの心臓についてのお話

『21グラム』

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◎3つの家族をめぐるドラマ映画

 

~『21グラム』とは?~

とある交通事故をきっかけに、事故の加害者家族、被害者家族、そして心臓の病気を患っている夫とその恋人のそれぞれの人生が激しく動き始める。魂の重さをテーマにしたバイオレンス系ドラマ映画。

 

~どんな作品?~

役所広司や菊池凛子が出演した『バベル』の監督、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが2003年に制作したアメリカ映画。一つの事件に関係する3つの家族の物語が断片的映し出されていくオムニバス的な構成の映画であり、交通事故後のそれぞれの家族が葛藤しながらも、悲しい結末に繋がっていく、魂の重さを考えさせてくれる名作です。

 

~観た感想は~

この作品は一つの心臓が軸となり物語が展開していくのですが、その一つの心臓が周りに与える影響が大きすぎる…。真面目に生きる事を誓った矢先に交通事故を起こしてしまったジャック。交通事故で夫や娘を失ったクリスティーナ、彼女の夫の心臓を移植され一命をとりとめたポール、そんな彼らを待ち受けているのはとてつもない泥沼でした…。ジャックが交通事故を起こさず、クリスティーナの夫が生きていればこんな事にはならなかったはずなのに、と思わずにはいられません。特にラスト付近の、クリスティーナが実質的に夫の2度目の死を経験する所は思い出しただけで心が沈みます…。

しかし、鑑賞後思い返してみると、魂の重さを描く為の多くの要素が散りばめられていた事に気付き、完成度の高さを実感しました。ラスト以外の箇所で魂の重さについての直接な言及を避け、ここまでテーマを描き切った作品は少ないかと思います。

「魂の重さ=人の存在の重さ」と仮定する事で、「魂の重さは確かにあるんだな…」
と確かに作品のテーマが伝わって来ました。

いやー、命って重たいですね…。

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~二つの作品に共通する魅力とは?
「魂の存在を強く感じさせてくれる所」です!

・『21gのあかり』は、頼音、凛李の頑張りを見て魂の熱さを感じ、
・『21グラム』は、人がそばにいるありがたさを見て、魂の温かさを感じました。


人が亡くなると大なり小なり周りの人生に影響があるものですよね。

多くは語らずとも、彼女達の頑張る姿を見ているとに確かにそこに何かを感じる…。

言葉を尽くさなくても
人に気持ちを伝える事が出来るのが

絵や映像の魅力の一つなんだと、
観賞していて実感させられました。

 

人の魂の価値が分かるかも!?
「魂(21g)もの」
いかがでしょうか。

 

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今後も、素晴らしい漫画、映画を皆さんにご紹介していければと思います! 
では、In case I don't see you, good afternoon, good evening, and good night!