MAGCOMI読者の皆様、こんにちは!
マッグガーデン新人編集のSと申します。
この記事では旅行に行きたくて仕方のない私Sが、
マグコミに掲載されている作品を「旅行」を切り口にして皆様に紹介します!
作品作りに旅行の経験が活かされたとの噂を聞きつけ、今回はなんと…
『ソフィアの円環』の山田怜先生に
物語と旅にまつわるインタビューをさせていただきました!!
『ソフィアの円環』でモデルとなった街など、作品の制作秘話はもちろん、山田先生の旅での体験談なども盛りだくさんです。
山田先生からご提供いただいた現地写真とともに、担当編集あさんとの対談形式でお届けします! ファンの皆さま必見の内容になっていますので、是非最後までお見逃しなく!
▼第一話はこちら
Q.『ソフィアの円環』の作中にはラテン語の言葉が使われていると伺いました。
『ソフィアの円環』の舞台は、かつてラテン語が使われていたイタリアと何か関係があるのでしょうか?
山田怜先生(以下山田):イタリア語とラテン語をごちゃごちゃに混ぜてますねー。
担当あ(以下あ):例えばヴィンクルムがラテン語でしょうかね。
山田:そうですね。繋がりとか馬の手綱とか、日本語の絆みたいな意味だね。ポジティブな意味でも、ネガティブな意味でも。
あ:クリプタもラテン語ですかね…?
山田:イタリア語でもあるかな? 雑だね(笑)。地下聖堂という意味です。イタリアの地下聖堂は納骨所として使われてるから、クリプタの設定に合ってるな~と思って。
あ:兵器であることや●●●●の●代わりになっているところとかですねー。(●はネタバレ防止の為伏せ字)
イタリア語やラテン語を使ってるのは、どういった理由からなんでしょうか?
山田:それこそ響きがいいのはあるんだけれども、ちょっと知らない言葉がいいなーと思ったんですよね。
英語だと皆さん意味を知ってるでしょう? ちょっとわかりすぎちゃうというか。いわゆるファンタジーな別世界を作る上で、日本人には少し遠い国の言葉の方が情緒が出ると思ったんですよ。
それに私にとってイタリアが一番身近で刺激的で参考になる国だったから、というのもありますね。
あ:『ソフィアの円環』の世界を詰めていく打ち合わせで、イタリアの話はよくしましたよね。
イタリアに初めて行ったのはいつ頃なんでしょうか?
山田:初めて行ったのは大学卒業してからだったかな?
元々高校生の時から興味はあったんだよね。美術室にあった作品集でミケランジェロのピエタに感銘を受けて、それで「いつか実物を見たいな」とずっと思ってて。
あ:憧れのイタリアだったわけですね!初めて行ったときはどうでした?
山田:それこそ旅行って一回行ったら満足しちゃうこともあるんだろうけど、美術品や観光よりコミュニケーションに感銘を受けて「イタリアっていいな」という想いが強くなったんですよ。
イタリアの人たちってこちらが言葉がわからなくても喋ってくるし聴こうとしてくるし、通じる通じないなんて関係なく、「コミュニケーションをしよう」と接してくれて!
そういうところにすごく感動したんだよね。
あ:『ソフィアの円環』は繋がりをテーマにしたファンタジーでしたけど、そのテーマの原体験を感じた場所がイタリアだったわけですねー。
Q.作品執筆時に実在の場所を参考にしたり、モデルにした場所がありましたら教えてください!
山田:1話の街はイタリアのルッカという、漫画やアニメのイベントが行われている街を参考にしました。丸い広場があることが印象的で、ぐるっと囲まれた場所にソフィアがいる絵がいいなぁと思いまして。
あ:欧州は広場を中心に街が作られることが多いんですよね。だから広場があると異国情緒が感じられやすいように思います。
山田:4話に出てきた港町リベラは、イタリアじゃなくてお隣のクロアチアです。アドリア海沿いの街並みがすごく綺麗ですよねー。
それから2巻出てきたフォスキアは、かつての社会主義国家のような印象的な街並みを意識しました。
あ:社会主義国家の建物は、アイコニックな面白い建物が多いですよね。
あら、モチーフがちょっと北に移動しました?
山田:レーガ・サンタの旅路は南から北へ動くように描いているので、それに対応して参考にする街並みも南から北の方にしていったわけです。
あ:これが連載前に描いた地図ですね。
南側に火山地帯があるあたり、ちょっと欧州っぽいかもしれません。
山田:な、懐かしーーーー!!!
あ:こうやって地図を見ると、もしかしたら今後のレーガ・サンタの旅路で、ソフィアと共に船に乗る、なんてこともあり得るかもしれませんね。
山田先生はソフィアと共に旅をするならどんなところに行きたいですか?
山田:船乗れるかな(笑)。私は中東かなー砂漠しかないような、何もないところで淡々と歩くソフィアが見てみたいよね。ソフィアには伸び伸び歩いて欲しいな~。
Q.先生が印象に残っている旅先での食事を教えてください!
山田:イタリアで食べた鶏だなーーー! そのへんにいた鶏!
あ:そのへんにいた鶏!?
山田:さっきの話に戻るんだけど、イタリアの「コミュニケーションをしよう」としてくるところに感銘を受けて、イタリア語の学校に通い始めたんですよ。言語がわかるようになったらもっと面白いんじゃないかと思って。
そこからイタリア人の知り合いの輪が広がって、ここ最近は流石にコロナ禍で行けてないですが年1ぐらいのペースでは行ってるかな?
それでイタリアに行くたびにいつもお世話になっているお宅がありまして、そのお宅でいただいた鶏のオーブン焼きがもうめっっっっちゃ美味い!!!!!!
塩とかも使ってなくて、鶏の味がすごい…。
あ:鶏の味……?
山田:すごいんだよ、生き物の味がする…旨味があるっていうのかな…。
知り合いのおばさんが庭で伸び伸び育てた鶏を、その場で絞めてもらったんだそうで。
あ:鮮度が美味しさの秘訣ということですかね…?
山田:かもしれない。命を感じた……命は美味い……。
あ:旅先の料理は印象深いものですけど、それにしてもエピソードのインパクトが強い(笑)。
『ソフィアの円環』でも食事シーンは結構描かれていますよね。
山田:生きることは食べることだし、食べることもコミュニケーションだから。
孤独なアルスに必要なのは、そういう食べる場を大切にしてる疑似家族的な集団だと思って、料理人のトトを始めレーガ・サンタの面々を考えていきました。
あ:エネアも食べることをきっかけに変わりましたもんね。
山田:美味しい感情は言葉や文化の壁を超えるからなんだろうね。
Q.ズバリ!先生の考える旅行の醍醐味とは何でしょう?
山田:ここまで来たらやっぱりコミュニーケーションでしょう(笑)。
現地の人と交流するという意味だけじゃなくて、その土地の食べ物を食べる。売られているものを買う。人々がどんな風に過ごしているか知る。
自分が持ってた先入観を一旦見つめ直すような、そんな場所自体と自分とのコミュニケーションというのが、旅行の醍醐味だなと思います。
Q.今一番行きたい旅行先や、読者の方におすすめの旅行先がありましたら教えてください!
山田:今一番行きたいのは島根県!
あ:意外と身近!
山田:一度行ったことあるんだけど、温泉津温泉の龍御前神社で行われている「石見神楽」がとても面白かったんだよね。北欧やアイルランドも行きたいなぁ~。
そして、もちろんおすすめの旅行先はイタリアです!
あとは生活活動範囲から大きく離れている場所がいいです! 文化と生活習慣がガラッと変わる場所はやっぱり発見が多くて刺激的ですよ!
あ:アルスも旅を重ねて得たものがたくさんありましたからね。
読者の皆さん、ぜひイタリアのお供に『ソフィアの円環』を!
山田:なんて無理やりな宣伝(笑)。
山田先生、担当あさんありがとうございました――!!
イタリアの華やかな街並みを楽しむのはもちろん、現地の方々とコミュニケーションを取り、暮らしを直接体験する旅、憧れます…! 海外渡航制限が解除された時の最初の海外旅行は、『ソフィアの円環』の世界観を味わう旅で決まりですね!!
そして待望の第③巻は11月10日(水)、
ついに配信開始です!!
既刊のご購入はこちらから!
次回もこのような形で作品を紹介していきたいと思います…! どうぞお楽しみ!
※本ブログへ記載した画像の一部は、『ソフィアの円環』より抜粋し、引用させて頂きました。