月例マグコミマンガ大賞・結果発表 2020年6月期

2020年6月期

月例マグコミマンガ大賞 結果発表!!

第54回募集、入選1作品・期待賞1作品・奨励賞1作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(6月30日締切分)

完成原稿部門:入選賞金30万円
受賞作掲載 + 読切1作分の掲載確約

『化かし化かされ』

『化かし化かされ』

國分

あらすじ

人間に化けて暮らす栄吉は、タヌキ姿で行き倒れているところを助けてくれた人間の女性、いなりさんに恋をしている。だが、人間嫌いの父親が認めてくれるはずもなく…。現代社会を生きるぽんぽこラブコメディ♥

作品講評

味のある緻密な作画としっかりとした話運びに評価が集まった本作。ただし線に強弱がないので、緻密な描きこみと相まってメリハリがなく見える。また、コマ枠ももう少し太く描いて隣接するコマ同士をすっきり見せるとなお良い画面になるだろう。エンタメ性の高いキャラ作りと話運びは良いので、獲得した読み切りでより商業作品を意識した作品作りに邁進して欲しい。今後に期待。

受賞作品を読む

完成原稿部門:期待賞賞金5万円
受賞作掲載

『絶対に幽霊を見たいオカルトオタクvs絶対にバレたくない幽霊ホテル』

『絶対に幽霊を見たいオカルトオタクvs絶対にバレたくない幽霊ホテル』

金城は夏(28)

あらすじ

夢だったホテル開業の為、“俺”が買い取った館は幽霊屋敷⁉ 幽霊が出ると絶対にバレたくない俺だったが、そこに重度のオカルトオタク・最上が泊りに来て…。

作品講評

無駄な情報が少なく、物語のテンポが良さから高評価を得た作品。ボケとツッコミの逆転などネタの構成に安定感があり、飽きさせない物語の展開が評価を支えている。一方でギャグコメというジャンルにしては画面があっさりしておりメリハリに欠ける印象を受けた。画面の動きでも笑わせられるような大胆なコマ割や演出に挑戦してみてもらいたい。またキャラクターの魅力が今一歩なため、前述した演出を工夫することで更にキャラクターを立たせ、作品らしさを高めていって欲しい。

受賞作品を読む

完成原稿部門:奨励賞賞金3万円

『チェリーVSチェーンソー』

『チェリーVSチェーンソー』

瑞本セン(26)

あらすじ

魔界最強の男・ライドウは悲しきかなモテなかった。ある日、退魔士ベルマリアに命を狙われるが、ライドウは女心が分からなさすぎてベルマリアが自分に惚れていると勘違いしてしまい…。

作品講評

なんでも恋愛に繋げる主人公のキャラ性が良かった。そのうえで「ただのキャラクター」ではなく「主人公」として読者に好かれると尚良い。ストーリーは途中冗長に感じられたので、読者を飽きさせない工夫は必要。絵に関しては画力、絵柄両方で研鑽が求められる。特に動きを感じさせる画面を作ってほしい。描きたいシーンがどこなのか伝わってくるのは良かったが、コマ割やコマ枠内の構図なども一考の余地ありなので、全体的にレベルアップを意識してもらいたい。

最終選考作品

『もう死んでるけど、心霊スポット行ってみた』(完成原稿部門)

江崎一平

『タコ人間第一号』(完成原稿部門)

飛渡健雲

総評

入選1作品、期待賞1作品、奨励賞1作品選出。
キャラが生き生きと活躍する作品が出揃った今回。

『化かし化かされ』は物語の構成も演出を支える画力も総じて実力の高さを感じられ、入選受賞と相成った。物語の筋に振り回されず、魅力あるキャラが物語を牽引している点が良い一方で、平たく言うなればテーマが弱い。「"こういう"キャラの"どんな"恋愛」の"どんな"の部分も備わると、「続きが読みたい!」と読者に思わせるフックが増えるだろう。ぜひ副賞の読切で存分に挑戦をしてみて欲しい。
『絶対に幽霊を見たいオカルトオタクvs絶対にバレたくない幽霊ホテル』はタイトルどおりの物語展開を徹底し、ダレることなくネタを繰り出す構成が受賞に繋がった。一方でパンチが弱く大人しさを指摘する声も上がった。キャラ設定や扱うテーマでいかに読者を射抜くのか、ぜひ意識して次作に挑んで欲しい。
『チェリーVSチェーンソー』は一貫したキャラ性で物語を駆動している点が評価を得た。しかし理想とする画面があることは伝わってくるが、基礎的な画力不足は否めない。練習方法は様々であるが、漫画だけでなく映画や写真を参考にスケッチをするなど、今までと違うやり方も模索してみよう。

今後もキャラが魅力的に立ち回る作品をお待ちしております。

7月末〆切の発表は
2020年8月30日!