2021年5月期結果発表
第3回募集、期待賞1作品・奨励賞1作品・努力賞1作品選出!
今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(5月25日締切分)
賞金5万円 受賞作掲載
『路地裏に猫』
雨野晴雨
STORY
周囲の人のようになじみの店がほしい宇佐美は、路地裏に現れた黒猫に誘われるように「HEAVEN’S DOOR」というバーのドアを開けた。彼の前に現れたのは温かな空間と黒猫のような一人の男で…。
選評
画力、演出ともに高い実力を感じさせ、評価を集めた本作。構図にもメリハリがあり、一つ一つ丁寧に作り上げられたシーンが独特の空気感を表現していた。一方で、登場人物の感情が追い切れていないため行動への説得力が薄く、ストーリーの着地点もややあいまいだった印象を受けた。あらかじめ主題やメッセージを決め、それに合わせたシーン配分を行った次回作に期待したい。
賞金3万円
+特別掲載
『百年剣士』
藤平 衛
STORY
百年の時を生き数多の剣士を倒してきた一人の剣豪がいた。ある時、決闘に代理として呼ばれた剣豪だったが、対峙する相手は百年に一人の天才と呼ばれる若き剣士だった……。
選評
ストーリーの筋が王道で飲み込みやすく、戦闘シーンも迫力があって良かった。全体的に技量不足を感じるものの、演出と勢いで読ませる力を感じる。作画は力の入っている箇所とそうではない部分で差が見られ、詰めの甘さを感じてしまった。構成面では登場人物の多さとそれぞれの感情の描写バランスがうまくまとまっておらず、それをカバーするためにセリフが多くなっているので、もう少しまとめてほしい。長所を大切にしつつ、次作では足りない部分と向き合ったものが見たい。
賞金1万円
『メリーと花子さん』
小夜辺ゆう
STORY
オカルトの動画配信者によってメリーさんと花子さんが邂逅する--…そして獲物である人の魂を巡ってそれぞれの意外な生態を垣間見る。恐ろしくもどこか可愛らしいオカルトコメディ。
選評
斬新なネタは箱庭、若草賞に続き面白い。所々目を見張る描写もあった。しかし、作品全体を通して寄りの絵が多いため画面が単調に感じた。また線も単調気味なのでこちらも研究の余地がある。物語の構成に関しては、メリーさん、花子さん、動画配信ネタなど認知度が高いものを使うのは良いが、その特徴をもっと掘り下げたネタが見れなかったのは残念であった。以前よりも成長している部分も感じる。この調子でさらなる活躍を期待している。
最終選考作品
完成原稿部門
- 『パピヲンと子供』紗々倉十二
- 『東宮さんは今日も呪う』夢井琴葉
- 『魔法少女世界でいちばんかわいい!』ぽーよら
- 『アイドルなんかじゃない』ゴンザレス吉沢
- 『私』つばめ