月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2021年6月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2021年6月期結果発表

第4回募集、入選1作品・佳作1作品・努力賞2作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(6月25日締切分)

完成原稿部門:入選 賞金30万円 受賞作掲載 + 読切1作分掲載権獲得

『まがときに願いを』

『まがときに願いを』

照ヨウ

STORY

霊に憑り付かれたせいで友達ができない学生・光司。彼の前に現れたのは、霊を黄泉へ送る事を生業としている鬼・炬だった。炬と契約を取り交わし、霊から解放された光司だったが、実は彼の願いは霊からの解放ではなく…!?

選評

ページをめくりたくなる演出が光り読みごたえのある本作。主人公と鬼、それぞれのキャラクターが立っており、全体的な完成度の高さが評価に繋がった。一方でシーンの取捨選択が甘く、話の着地点が見えづらかった部分もあった。それは読者に興味を持ってもらう・読み続けてもらう「戦略」が甘いことに起因しているだろう。読める作品以上に「読まれる作品」になるようテーマ立てや舞台設定等、細部に至るまで考え抜いて欲しい。

受賞作品を読む

月刊コミックガーデン2021年9月号に掲載!

完成原稿部門:佳作 賞金10万円 受賞作掲載

『エルピス ~オークの事件簿~』

『エルピス ~オークの事件簿~』

かなどめはじめ

STORY

亜人と人間が共存する世界。人間とオークの混血であるエルピスは、街で起きた殺人事件の犯人の嫌疑をかけられてしまう。無実を証明するために真犯人を探そうとするエルピスだが…。

選評

女性キャラクターの絵が可愛く、バトルシーンの作画も迫力があり良かった。演出も派手で楽しめたが、コマ割や構図はまだ読みづらいので読者が読みやすいネーム作りについては更に考える必要がある。作家の伝えたい情報量と読者の受け取れる情報量に差があるように感じられる。後半部分でテーマに対する問答がやや唐突に感じられたのもあり、情報の出し方やストーリー構成が今後の課題。次作ではこの高い画力で、より良いストーリーが描かれることを期待したい。

受賞作品を読む

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『私と彼女の明晰夢』

『私と彼女の明晰夢』

黒水かなた

STORY

ある日、死んだ親友を夢に見るようになった主人公。夢の中で彼女との思い出を追体験していく中、とある約束を思い出し――。

選評

綺麗な絵柄とどこか実験的なコマ割りの組み合わせがほどよくマッチしていた。ただし、夢の内容がどこか散発的なので、読者の理解を阻害しているようにも見えたのが残念。比喩の中で彼女たちの深層心理を表せていると、よりエンタメ作品として完成度が高くなり、読者の興味を惹けたように思う。次回作に期待。

『とうのとさま』

『とうのとさま』

米麹ぽっぽ

STORY

女子高生の遠野はある日、クラスメイトのヤンキー・佐間が雨のなか捨て猫を拾う姿を目撃し、恋に落ちてしまう。カッコイイけど無口で怖い佐間に話しかけられない遠野だが、猫を拾う姿を見ていた事がバレてしまい…?

選評

背景の細部まで描き込んだ丁寧さ、セリフのセンスなどが評価された。猫をヤンキーが拾う、それを見て女の子が恋に落ちる、という使い古された展開を敢えて使い、それに対してメタ的なツッコミをする斬新な導入が面白い。一方で男の子の描写が淡白でキャラが分かり難い点と、ここからが見たいところ! という場面で終わってしまっている点が勿体ないので、次は是非ともドラマを描き切るまで根気強く作品を作ってみてほしい。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『プレゼントを君に』平田
  • 『Mon chouchou』藤乃

7月25日〆切の発表は
2021年9月5日!