月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2021年9月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2021年9月期結果発表

第7回募集、期待賞2作品・努力賞2作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(9月25日締切分)

完成原稿部門:期待賞 賞金5万円 受賞作掲載

『樹希と聖人』

『樹希と聖人』

勇魚聡

STORY

骨董鑑定屋で働く樹希は、バケモノが憑りつかれた妹を治す方法を探っていた。そんなある日、人間の体から作られたという「聖体」が店に持ち込まれ…。

選評

物語の要素が多いながらも、読みやすくまとめ上げられていた点が高評価を得た作品。しかし終始淡々と物語が進んでしまった印象を受けた。提示する情報が目立たせるべきものなのかそうでないのかを意識して、作品展開に緩急を持たせることを意識してみて欲しい。また、作画に関しては建物・小物の造形による世界観の作り込みから没入感を得られたものの、こちらも画面の淡泊さが気になった。魅せ場によりインパクトが感じられるように、線のメリハリを意識できると作品を昇華していけるだろう。

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月刊コミックガーデン2021年12月号に掲載!

『でもでもやっぱり』

『でもでもやっぱり』

勝見ふうたろー

STORY

中学生の青海はマイナーな趣味を肯定してくれた塾講師の市振先生に恋をする。年上で優しい先生に想いは募っていくが、ある日、迎えに来られない親に代わって家まで送ってくれた車中で、彼が“誰にでも優しい人”であることに気づき…。先生×生徒の素直で未熟な恋のアティチュード。

選評

地味な題材ながらも読ませるネーム力に評価が集まった本作。キャラの恋愛描写で汗を舐めたり、告白して泣いたりなど飾らない故に味わい深い人間性を描く力は高評価。作画面は着実に上達しているものの、著者の高いネーム力を活かすにはまだ力不足。人や物を描写する際は、実際そのものがどういう形状で、どのように形を成しているのかを考えた上で作画してみよう。

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完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『McErick』

『McErick』

QDW

STORY

人買いにつかまった少女。窮地を救ったのは、死にぞこないのスコットランド人――。

選評

温かみあるタッチと安定した画力によって、6ページという短いページ数にもかかわらず評価を得た本作。しかし作品自体が物語の中のワンシーンを切り抜いたような作りをしているため、物語の中で読み取るべきテーマが分からず読み手の好奇心を刺激するまでのエンタメにはなりきれていなかったため、読後感に物足りなさが際立ってしまったことが評価が伸び悩んだ要因といえる。次回はページ数に合ったテーマを選定し、物語の趣旨や物語の全貌が分かる構成を期待したい。

『そんなに震えないで園部さん』

『そんなに震えないで園部さん』

米麹ぽっぽ

STORY

自分の顔が怖い事を気にしている学生・健太郎と、彼の幼馴染で極度の怖がりの朱里。いつもプルプル震えている朱里と健太郎は絶妙に嚙み合わない…!? 異色の凸凹系ラブコメ! 

選評

「怖い顔の主人公」という題材に「怖がりのヒロイン」を加える事により、新鮮味のある組み合わせを生み出し評価を集めた今作。ラブコメらしいほのぼのとした空気感も出せていた。しかし一方で、キャラクターの反応がワンパターンぎみになりインパクトが薄くなっている点が惜しい。よりこの題材の良さを引き出す為には、キャラクターの反応のパターンを増やす等の「題材に合った」戦略が必要になってくるだろう。また、女の子は可愛く描けているが人体の作画は要練習。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『『好奇心旺盛なユキナちゃん』と俺』あわた
  • 『麗しのデザイナー』新島なるい
  • 『エテルナイドル』皐月臨
  • 『転校生天喰さんの秘密』藤原ゆき
  • 『すれちがい』ニワノトリ

10月25日〆切の発表は
2021年12月5日!