月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2022年9月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2022年9月期結果発表

第19回募集、佳作1作品・奨励賞1作品・努力賞3作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(9月25日締切分)

完成原稿部門:佳作 賞金10万円 受賞作掲載

『私たちしかしらない夜明け』

『私たちしかしらない夜明け』

友永 泉

STORY

「私たちだけの秘密にしよう」。ある夜、共犯者となった令嬢のアメリアとメイドのソフィア。捜査の手が迫る中、二人は互いを思いやるあまり、すれ違い…。

選評

美しい作画で、二人の関係性を丁寧に描きあげた点が評価を集めた今作。導入にインパクトがあり、話に引き込まれた。また、女の子の描写も可愛く描け、お互いを思いやる繊細な感情もよく表現できていた。ただ、サスペンスの比重が高く本筋以外のシーンも増え、少し中だるみしてしまったのが惜しい。この話において、一番重要視する点はどこかをしっかり見定め、情報の取捨選択ができると良かった。自分の武器を活かすことを意識し、次作に取り組んで欲しい。

受賞作品を読む

月刊コミックガーデン2022年12月号に掲載!

完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

『ひみつきち』

『ひみつきち』

日向 探偵

STORY

家出少年のウィルは、廃屋に忍び込む。しかし彼を尾行した少年のプアも転がり込み一緒に住むことになるが――。

選評

キャラクターの表情の豊かさが評価を得た本作。バストアップの構図が多かったが見ごたえのある表情を追えていた。しかし、背景や小物等と人物の描きこみの差にムラがあり作画の面でも課題は多いといえる。背景や小物などの質感もどういった素材で作られているのかなど、判断できる程度に描き込めれば小道具の重厚感も増し画面に説得力が出るだろう。また似たコマの割り方が作中で頻発しており終始既視感がぬぐえないため、コマ割りのレパートリーを増やしてほしい。次回は小物の質感など細部まで見どころのある作品に期待する。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『中村くんは個性が欲しい!』

『中村くんは個性が欲しい!』

まつもと

STORY

「個性が欲しい」という思春期特有の悩みを抱えている中村くん。イケメンの友人・九条はそんな彼に協力することになり…!?

選評

キャラクターの掛け合いが上手く、ギャグコメディとしてとてもハイクオリティだった本作。一方で、同じネタが繰り返されていることもあり、ややテンポ感が損なわれて冗長になっていたようにも思う。また、全体的に画力は拙い部分が散見されたので、背景や小物、人物など一つ一つをもっと丁寧に描くことを心がけよう。次回作に期待。

『女鬼祠』

『女鬼祠』

町田いぶき

STORY

祠にお参りに来る人を増やすため、人間にドッキリを仕掛ける女霊のナナ。 しかし、一向に参拝者が増える気配はなく孤独な日々を送るなか、霊が見えるお坊さんがやってきて・・・。

選評

丁寧な作画が評価を集めた本作。特に、キャラクターの表情をしっかりと描き分けできていた点は良かった。その一方で、物語としては弱く、話にのめり込むことが出来なかった。起承転結を意識した物語を構成することで、話への理解や没入感がより高い作品になると思う。次回以降は高い画力が十分に発揮される物語を楽しみにしている。

『クラリスとメルセデス』

『クラリスとメルセデス』

ぽーよら

STORY

名門貴族タウフェン家の令嬢クラリスのことが大好きなメイドのメルセデス。選りすぐりの専属メイドとなるため、頑張るが…?

選評

絵柄が可愛く、女性キャラクターを魅力的に描けていた点に評価が集まった本作。しかし登場キャラクターごとの描き分けが不十分な印象。主人公とヒロインが特に似ているので対比となるような容姿にするか、似ていることが活きてくる設定にできると良いだろう。また、主人公の俺っ子設定を活かしきれていないように感じたため、より百合方面に展開を寄せるか主人公を異性にするなどの、尖ったアプローチが見たかった。読者となるターゲットをよく考えたうえで、そこに刺さるような振り切った物語を意識してみてほしい。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『エコ』くらげ

10月25日〆切の発表は
2022年12月5日!