月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2023年5月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2023年5月期結果発表

第27回募集、入選1作品・期待賞1作品・努力賞2作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(5月25日締切分)

完成原稿部門:入選 賞金30万円 受賞作掲載 + 読切1作分掲載権獲得

『ヒラフとカンナ』

『ヒラフとカンナ』

にしき秋湖

STORY

大和政権と「エミシ」の抗争に巻き込まれた二人の少年は、敵味方に分かれることになり…。

選評

読切としては長尺の96ページ、中だるみさせずに最後まで飽きさせずに読ませた構成力には脱帽。コマ割り・セリフ運びに関しても、読みやすさを重視した非常に丁寧なものであり好印象。 親友である主人公二人が、互いに敵同士になるという王道パターンを上手く練りこんだ構成も光るものがある。その登場人物の関係性はマヤ文明にまつわる伝承を想起させるものではあるが、キャラクターの立て方も作者の力量を感じる。独りよがりにならず、常に読者目線を意識した丁寧な作品創りが今回の受賞へと繋がった。 次回からは題材を選ぶ際には推敲を重ね、コンパクトに纏めることにも留意しつつ臨んでほしい。

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月刊コミックガーデン2023年8月号に掲載!

完成原稿部門:期待賞 賞金5万円 受賞作掲載

『機械星は明々たる天を仰ぐ』

『機械星は明々たる天を仰ぐ』

三月ももたろた

STORY

とあるトラウマを抱えたアンドロイド・シャオシンはある日、一匹の犬と出会う――。

選評

演出・描写力ともにハイレベルで、近未来を舞台にした世界観を丁寧に描けているのは素晴らしい。一方で、大切な人を失くした後悔と新しい友情を育むことが同時に進行するので、物語の主軸が整理しきれていない印象も受けた。それぞれのキャラクターのバックボーンをわかりやすく感情移入させられるように描けると、より物語が映えるはず。また、初見の読者がどう感じるか、読みやすいかどうかを常に意識してみよう。次回作に期待。

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完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『いつかの君へ』

『いつかの君へ』

アザラシのお腹

STORY

就職活動が上手くいかずどん底の男・涼太が、自分の人生を一本の映画として見つめ直す――。

選評

伝えたいメッセージをしっかりと描き切れていた点が好印象。しかし、意図的かもしれないが場面転換のタイミングが分り辛かったり、不要に感じるコマが多かったりと読み辛さが出てしまっているのが勿体ない。視点が切り替わるコマを目立つように大きくしたり、各コマの必要性や見せ方を再度考えてみるなどして、より読者目線で読みやすい画面作りを意識してみよう。絵は要練習だが、アップは比較的安定しているので、次は引きの絵を練習する事が画力向上の近道の様に感じる。改善点を一つ一つクリアしながら、次回作に挑んで欲しい。

『白河さんを笑わせたい』

『白河さんを笑わせたい』

nono

STORY

自他ともに厳しい風紀委員の白河さん。そんな彼女が密かに笑顔の練習をしている姿を発見し――!?

選評

物語としては上手くまとまっているが、タイトルの意味がわかるまでがやや冗長に感じられるので、そのあたりの構成や演出は今後の課題となりそう。白河さんが笑う姿はとても可愛らしかったが、良くも悪くもラブコメとして使い古されたネタではあるので、なんらかのプラスアルファ、オリジナリティの要素があるとなお良かった。作画面はまだまだ研鑽が必要。トーンやベタなどは丁寧で、良い表情を描けているコマもあるので、クオリティの全体的な底上げを意識して次回作を描いてみよう。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『上海リミテッド』風々

連載ネーム部門

  • 『びみ』荒川拓朗

6月25日〆切の発表は
2023年8月5日!