お知らせ

月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2023年8月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2023年8月期結果発表

第30回募集、入選1作品・期待賞1作品・奨励賞2作品・努力賞2作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(8月25日締切分)

完成原稿部門:入選 賞金30万円 受賞作掲載 + 読切1作分掲載権獲得

『ペルセフォネ』

『ペルセフォネ』

山田なる

STORY

遠い国の王アドニスの妻ペルセは神話に心酔している。しかしアドニスは「気持ち悪い」とペルセを罵倒し殴りつける。それでも彼女が、神話の話をし続ける理由とは――。

選評

ハイクオリティな作画に加え、意表を突こうとする演出や、秀逸な画面構成が高く評価された今作。物語構成も神話を元に敷いた独特な恋愛観を描き、後半に予想外の展開を描くことで、最後まで飽きさせない作りになっていた。反面、難解な設定や状況が伝わらず、演出や構造頼りで物語が進んでいく場面も多々見られた。次作では自身の強みを生かしつつ、演出に頼らずとも読者を引き込める物語に期待する。

受賞作品を読む

月刊コミックガーデン2023年11月号に掲載!

完成原稿部門:期待賞 賞金5万円 受賞作掲載

『妖縁成-白狐』

『妖縁成-白狐』

櫻葉 峯

STORY

陰陽師に殺されかけていた妖を匿って看病する主人公・鶴。そんな彼の前に、その妖を追う陰陽師・長谷川が現れて…。

選評

上手に妖艶な女性を描く絵柄が、テーマとマッチしており素晴らしい。どんでん返しを入れつつ、主人公の始まりの物語として引き込まれる内容となっていた点も高評価。一方で前半で主人公のキャラ性があまり見られず、話の筋も見えにくかったので、冒頭から物語の方向性を示せるとより引き込まれる内容と出来るだろう。また、主人公と幼馴染の関係性が深掘りされずに終盤へと突入したため、彼女の死に感情的になる主人公に共感しきれなかった。丁寧に各登場人物のつながりを描くということにも、意識を向けてみて欲しい。

受賞作品を読む

完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

『ミズニワ』

『ミズニワ』

法橋 ゆう

STORY

大学生の音々は、趣味を探してホームセンターを訪れる。しっくりくるものがないと悩んでいると、アクアリウム専門店の風変りな店長・下野から突然声をかけられて!?

選評

アクアリウムという設定が珍しく、引き込まれた。小ネタもはさみながら物語が展開されるので、冗長にならず最後まで読め、好印象。画面が高密度に描かれていた点も高評価であった。作中で熱帯魚を飼う目標が提示されながらも、実際には飼うところまで描かれず準備のみで終わってしまったのは、梯子を外されたようで残念。また、高密度に描写されているのは良いのだが、線のタッチとトーン処理との調和がとれていないように感じる。次作は、起承転結と作風改善を意識しながら取り組んでほしい。

『OWL』

『OWL』

シキセヒロ

STORY

梟郵便、それは魔法士専用の郵便屋。梟郵便のアステールは、今日も魔法士の想いを配達する――…。

選評

登場人物の表情がよく描けており高評価を集めた今作。キャラクターデザインも良く、独自の世界観をしっかり表現できていた。一方で物語面では、ドラマを演出しようという気概は見えるものの、メインとなるキャラクターの深掘りが甘いため上手く感情移入できなかった。また、魔法士や世界観設定など、物語を楽しむ上で欲しい説明がないまま進んだため、作品に置いていかれてしまった点も惜しい。次回以降はドラマを描く上で必要な情報や登場させる要素を取捨選択し、より読者が作品に没入できるような物語構成を心掛けてほしい。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『ナラズノの魔女』

『ナラズノの魔女』

碧韋 世界

STORY

世界に仇なす魔女を捕らえるため、ナラズノの森に足を踏み入れた魔女狩りのグロリオ。遭難し意識を失ってしまったグロリオは、敵であるはずの魔女アイビーに救われて――。

選評

起承転結がはっきりし、綺麗にオチがついた物語であったことと、キャラの内面がよく出たセリフ選びに評価が集まった本作。一方でキャラクターを中心として作画に不安があり、魅力的なファンタジーの画面を作れているとは言い難かった。作者の設定したテーマやストーリー、世界観を読者に十分に伝えるための手段として、人物、背景、小物などに力を入れることは重要。そのことを意識しつつ画力を向上させ、また次作に挑んでほしい。

『怪盗ギルティ』

『怪盗ギルティ』

美澄 零

STORY

違法売買会場にて、願いを叶える魔法の石"蝶石〟が出品された。しかし一億の値で落札された蝶石は、落札直後に不老不死の怪盗 ギルティに盗まれてしまった――。

選評

作画のレベルが高水準で、効果や演出にセンスが伺える箇所が多かった。一方、アップで描かれている場面が多く、話の展開に沿った画面構成が返って読みづらい構図を生み出していたのが難点。またストーリー面は、今後の展開を期待させる入り出しではあったが、「蝶石」など作中の重要な設定を後出しする物語構成となっており、結果的に読者が話の展開に置いていかれてしまうストーリーラインになっていた。自身の画力を活かし、より読み応えのある作品に期待したい。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『ウシバエの恋』ウジバエツキ
  • 『きんのたまでこらしめるやつ』なかがわ 可話世
  • 『さむがりちゃん』オカゾン

9月25日〆切の発表は
2023年11月5日!