月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2023年9月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2023年9月期結果発表

第31回募集、佳作1作品・奨励賞3作品・努力賞1作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(9月25日締切分)

完成原稿部門:佳作 賞金10万円 受賞作掲載

『夜降る山羊の夢』

『夜降る山羊の夢』

沙月

STORY

妹を探すラズが出会ったのは、謎の女性・クロエ。彼女はラズの妹探しを手伝うというが…?

選評

作画力の高さと華のあるキャラクターに高評価が集まった本作。ミステリアスな雰囲気をよく表現出来ており、デザインの良さも相まって惹き込まれた。 一方で物語面では、展開が淡々としており少々冗長に感じた。今作の軸であるクロエの目的や正体、心情が見えないまま話が進んでいき、さらに彼女の持つ設定も物語に強く関係していないため、展開に物足りなさを感じた点が一因だと考えられる。 キャラクターが持つ情報をしっかりと提示し、読み手が感情移入できるような展開作りを心がけよう。 自身の持つセンスは生かしつつ、より研鑽を重ねた次作を期待する。

受賞作品を読む

月刊コミックガーデン2023年12月号に掲載!

完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

『蝶ト蛾』

『蝶ト蛾』

ハザマ ササミ

STORY

終戦からしばらく時が経った日本。八重山アマナはある時転校してきたミステリアスな美少女、鬼灯錦に恋心を抱く。二人は次第に仲を深めていくが、この時代に同性の恋は理解されがたく……。

選評

高いレベルの画力や印象に残る演出が光った本作。蝶と蛾をモチーフにしたキャラ同士の関係性を、表情や演出などで妖艶な雰囲気に仕上げた点も評価に繋がった。 一方で構成面は時系列の把握が難しいつくりになっており、読者の理解を妨げている印象を受けた。特に二人の関係がハッピーエンドに至ったきっかけとなる出来事が描写されておらず、唐突な結末に見えたのは残念。 描く側だけでなく、読者側の視点に立ってストーリーを構成してみてほしい。

『うたかたの海を歩く』

『うたかたの海を歩く』

りょういち

STORY

百年に一度の開港記念祭で人魚と会うために町を訪れたハンナは、今年は祭りを開かないと聞く。しかし、どうしても人魚に会いたいハンナは、人魚に詳しいと噂のテアナに話をききに行くことに…。

選評

全体的に画面の完成度が高く、好感度の高いキャラクターを描けていた。話も綺麗にまとまっており、全体的に読みやすい作品に仕上がっていたのは好印象。 一方、心に響くような描写が少なく、物語としての弱さが感じられた。キャラクターの心情変化が対話の中でしか描かれておらず、その変化の仕方のグラデーションもないため、ご都合主義的に感じる箇所が見られた。 次回は持ち前の画力を活かしつつ、強く惹かれるような歩調のある作品に期待したい。

『gourmet』

『gourmet』

まつもと

STORY

「好きな人を殺したい」という特殊な性癖を持つ少女・杏奈はサイコパスの血を吸うのが好きだという吸血鬼に出会い――!?

選評

キャッチーな題材を上手く見せ、読者を楽しませようという意思が感じられた意欲作。二転三転しつつもテンポよく進んでいく展開はよかったが、同じような設定のキャラクターばかり登場させたことで、個性が食い合ってしまったのは残念。また、作画の技量がコマやページにによって違った印象を受けたので、クオリティの均一化を心がけてみよう。次回作に期待。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『異議アリ』

『異議アリ』

村瀬拓

STORY

平穏な日常を送っていた高校生のボクは、高度な知能を有する地底人・アリウスに出会う。状況を飲み込めない中、アリウスから「日没後に全人類の捕食計画が実施される」と告げられ――!?

選評

予想外のキャラクターの登場や困難な状況の設定、主人公に課された命題など、意外性のある要素を盛り込んだ導入で読者の興味を惹くことが出来ている点が素晴らしかった。 一方で、中盤以降は少々盛り上がりに欠ける印象を受けたので、読者を飽きさせないよう要所要所で読者の印象に残る仕掛けがあるといいだろう。 加えて、終盤の主人公が他力本願に見え、展開に多少の強引さを感じた。結末へ繋がるきっかけは丁寧に明示し、物語の流れに説得力を持たせて欲しい。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『私の葬式で告白して』静森知恵利

10月25日〆切の発表は
2023年12月5日!