月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2023年11月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2023年11月期結果発表

第33回募集、佳作2作品・奨励賞2作品・努力賞2作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(11月25日締切分)

完成原稿部門:佳作 賞金10万円 受賞作掲載

『ワンオペメイド♡サンゴちゃん』

+キャラクター賞5万円

『ワンオペメイド♡サンゴちゃん』

中畝

STORY

初めて来たメイドカフェが、まさかのワンオペ状態で…!? ブラックな労働環境で頑張るメイドさんの、ハイテンションワンオペコメディ!

選評

10ページと短いページ数ながら、企画性の強いネタをコミカルに、勢いよく描いたことで高い満足感があった今作。キャラクターが非常に生き生きと動いており、つい続きを読みたいと思わせた点はお見事。ワンシチュエーションの中でテンポ良く進む掛け合いも魅力的だった。 ただ、勢いに任せてキャラクターの行動原理など細かい点の整合性が取れておらず、読む人によってはノイズになってしまっているのは惜しい。 持ち前の武器は活かしつつ、より完成度を高めた次回作を期待する。

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月刊コミックガーデン2024年2月号に掲載!

『KETCHUP & MUSTARD』

『KETCHUP & MUSTARD』

菅浦ケイ

STORY

街の人気者である掃除夫の二人組・ケチャップとマスタードは、怪しい連中に追われている少女を救出する。しかし、少女は何か訳ありのようで…。

選評

作画の高さに評価が集まった本作。 特に、アメリカ風な街を舞台とした世界観に絵柄がマッチしている点やカッコイイ二人のおじさんキャラクターの描写も素晴らしかった。 しかし、画面全体が淡白な印象を受ける点は惜しいところ。背景の描きこみや、アクションシーンで躍動感をより出せるよう意識できるとなお良し。また、キャラクターの状況や心理をより分かりやすく描写できると、より読みやすくなるなるだろう。次回作に期待。

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完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

『釣魚狂譚』

『釣魚狂譚』

黒坂錬

STORY

百年に一度の休日、天界から地上に降りて釣りを楽しんでいた天女は、なぜか同じ釣り場にいた男と釣り勝負をすることになり――!?

選評

粗削りだが、全体から高いポテンシャルと熱を感じる作品。テンポよく読み進められる勢いの強さやコマ割り・キャラクターは素晴らしいが、説明が飛び飛びになってしまっている箇所もあり、やや理解し辛くも感じるので読者の読み心地を意識して描けるとより良くなるだろう。また、背景や釣り竿などの道具の作画など粗い部分があり、それが作品の勢いを感じる部分でもあるのだが、一方で雑だと捉えられてしまう懸念もあるので、気を付けよう。次回作に期待。

『すれ違いラブコメは物の怪退治の後で』

『すれ違いラブコメは物の怪退治の後で』

村田新作

STORY

妖怪退治を生業とする一族に生まれた藤原。家督の方針で夜は男性に扮する彼女の意中の相手は、藤原一族のライバルであり幼い頃から仲の悪い源一族の当主で―ー!?

選評

企画の良いところを本編でしっかり表現出来ていた本作。ネタの美味しさを伝える為に適切な描写を選び、想定される読者層へのアプローチが上手く行えていた事が評価に繋がった。 ただ、ページごとの情報量が多く、全体的に読み辛い印象があったのが勿体ない。読み辛さは作品を全部読んでもらえない事に繋がりかねないので、ページ数を増やしたり、コマ毎の情報量にメリハリをつけたりなど、より読者の目線を意識して次作に挑んで欲しい。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『永久と刹那の欠け者たち』

『永久と刹那の欠け者たち』

サダイチ

STORY

陰陽師の大家に生まれながら陰陽術を使えない青年安倍五郎直泰と、人間に生まれながら不老不死の半妖となった少女大魚。安部家当主の命により出会った2人の妖怪退治の旅が始まる――。

選評

高い画力で紡がれる王道のストーリー展開に評価が集まった。一方、物語開始時点と終了時の主人公とヒロインの関係の変化が作品の肝であるにもかかわらず、変化のきっかけとなる描写が薄味だったのは惜しい。関係の変化は感情の変化によってもたらされるので、2人が認めあうに至った心情の変化を丁寧に描写できると結末の感動は大きくなるはず。最も伝えたい部分を印象的に見せるための物語構成を心がけ、次作に挑戦してほしい。

『オーガストンのおまじない』

『オーガストンのおまじない』

QDW

STORY

親友からの手紙を受け、死者を蘇らせる術を使う少女カルを救いに駆け付けたオーガストン。オーガストンはカルを親友のもとに無事に送り届けるべく政府の魔の手から守ろうとするが…。

選評

主人公のカッコよさを見せようとする強い熱意とオリジナリティのある絵柄が光った作品。一方でオーガストンの素性や死霊術の設定など物語の前提となる情報が提示されておらず、読者が物語に没入するのを妨げてしまっている印象があった。見せたいことを十分に理解してもらうためにも物語やキャラクターの前提情報は重要なので、次回作では読者の視点に立ち、読者が理解しやすくなる情報を意識した作品づくりを心掛けてほしい。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『狼と馬』浅岡 千尋
  • 『滅亡文明調査員』竜澪ている

12月25日〆切の発表は
2024年2月5日!