月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2023年12月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2023年12月期結果発表

第34回募集、佳作2作品・奨励賞2作品・努力賞1作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(12月25日締切分)

完成原稿部門:佳作 賞金10万円 受賞作掲載

『晩年の夜』

『晩年の夜』

pi

STORY

寡黙な天才魔法使いと、再起を希う護衛の男。二人が踏み入るのは、入った者を逃がさない「呪いの山」――。

選評

右肩上がりに引き込まれていく重厚なドラマ、舞台設定や小道具を活かした演出力、芯の通ったキャラクター描写。非凡な将来性を感じさせる作品が審査員の絶賛をさらった。作画面こそ粗削りで評価にブレーキをかけたものの、描きたい構図や表現意図ありきの画面には、それさえ伸びしろと思える。今後は読者の待つ世界を視野に入れながら、そのイマジネーションを花開かせていってほしい。

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月刊コミックガーデン2024年3月号に掲載!

『アザレアの贄人』

『アザレアの贄人』

蒼葉 結

STORY

魔の森を鎮めるために『大樹の守護者 』の心臓を大樹に捧げよ、という命令を受けた孤児の少女ケイ。大樹の守護者アザレアを殺すべく修業を積むが、次第にアザレアに対する情がわいてしまい…。

選評

作画力の高さとキャラクターの関係性の丁寧な積み重ねに評価が集まった本作。ケイとアザレアの出会いから結末に至るまでの関係性の変化、そして心情が丁寧に描写されていたことが結末の満足感に繋がった。一方でキーアイテムである心臓の設定がやや曖昧で上手く伝わっておらず、物語の理解を妨げている印象を受けた。読者が違和感なく物語に没入できるように、過不足のない設定の伝え方を意識してみよう。次作にも期待している。

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完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

『最強女騎士と最弱ゴブリン』

『最強女騎士と最弱ゴブリン』

黒坂錬

STORY

魔王を倒すほどの強さと美貌を合わせ持った女騎士・フロリア。そんな彼女には山のように縁談が舞い込んだが、その全てを断った理由は一人のゴブリンが関係しており…!?

選評

スラスラとテンポよく読める構成と、キャラクターが素直に可愛いと思える・好感がもてる描写はお見事。ただし、やや淡々と物語が進んでいってしまっているので、もう少し意識して二人の関係性を徐々に盛り上がらせて山場に繋げられるとより良くなったはず。ただ、前作から着実に伸びているところも多々あり、強い将来性を感じるので、次回作にも期待。

『砂漠の歌』

『砂漠の歌』

安里知隼

STORY

西方と東方の文化が入り混じるシルクロードの分岐点、敦煌。キャラバン隊の少女ユーシーは、どこか人間離れした雰囲気を持つ青年のロンと出会う。二人はユーシーの歌を通じて絆を深めていくが…。

選評

作画力の高さが決め手となり受賞となった本作。シルクロードを舞台にした題材はその世界観や情景が高い画力とマッチしていた。一方でストーリーとキャラクターのメリハリが薄く、平坦な印象を読者に与えてしまっていたのは惜しい。画力で勝負するためにあえてシンプルなストーリーを選択したのであれば、惹きのあるキャラクター等で読者の興味を誘うことも考えてみよう。画力の高さを最大限に活かした作品の形を模索しつつ次作に挑んでほしい。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『アウネの左遷』

『アウネの左遷』

本間まどま

STORY

戦争で活躍したにも関わらず、辺境の村へと左遷されてしまったアウネ。そこで出会ったキヌトと共に、村で起こる連続不審死を調べることとなり…。

選評

主人公のキャラクター性が面白く、行動が一貫していた点や、粗い部分はあるがミステリーというテーマに挑戦していた点が評価を集めた本作。一方で、主人公が抱えている問題が物語の中で解決しなかったため、設定の必要性が薄く感じられてしまった。序盤で出した設定を活かしたストーリー展開を行うことで、物語の完成度を上げていこう。また、画力面においては似た構図が多く、動きのある場面での躍動感も今一歩であったため、改善されるとより演出や画面構成を巧みなものとして表現できるだろう。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『引きこもり少年と宇宙人』雪村 刹加

1月25日〆切の発表は
2024年3月5日!