2025年7月期結果発表
第53回募集、努力賞4作品選出!
今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(7月25日締切分)
賞金1万円
『雨神ルドラ』
曄子
STORY
雨神ルドラの怒りにより荒廃した大地で、女神アヌシュカは1人の少女に使命を与える。ルドラに雨を降らせてもらうために少女は奔走するが、そこには残酷な真実が待ち構えていた。
選評
作品の世界観にあわせたキャラクターや背景を描く高い画力に評価が集まった本作。登場人物が多いにも関わらず、それぞれが抱える問題を解決に繋げられている点も高評価だった。 一方、視点や時間軸が頻繁に変わることで主人公の目的が掴みづらくなっている点が惜しいところ。主人公の目標や行動原理を明示してから他のキャラクターを掘り下げることで、読者側の没入感がさらに高まるだろう。 次回作では誰を物語の主軸に置くかを明確に定めることを意識してみよう。
『みなそこ水族館』
おおしろ
STORY
ある日、目が覚めると見たこともない生物が展示されている不思議な水族館にいた少女・千佳。初めて目にする光景に困惑しながらも、次第に自分がここにいる理由を思い出してきて…?
選評
死の世界に繋がる水族館といった斬新なアイディアが評価に繋がった本作。しかし今作品の肝でもある水族館の要素が物語を進行するうえで舞台設定のみに留まっており、お話のテーマやストーリーに絡められてなかった点は惜しい。そのためどこに重点を置いて読めばいいのかが分かりづらく、あっさりとした読み味になっている。作者の独創的な発想はそのままに、よりその魅力を引き出せるような構成やテーマを据えることを意識してみてほしい。
『綿のわだち』
ななひしめく
STORY
行方不明になっていた妹・カオリが自殺する夢を見た姉のマリ。妹が何かに巻き込まれたのではと、彼女の行方を追ってマリがたどり着いたのは、地獄の門で――!?
選評
地獄のおぞましさや、登場人物たちの恐怖や怒りがよく表現できており、目を惹いた。一方で、キャラクターに感情移入ができないままバッドエンドに進んでいくため、ただ後味の悪さが残る読後感になっている。読み手がキャラクターの気持ちに寄り添えるように、彼女たちが置かれている状況とその裏にある心情をより深掘りできると良かっただろう。次作では読み手に抱いてほしい感想を想定したうえで、そのためにはどのような要素が必要かを考えながら物語を組み立ててほしい。
『豆魔師』
米豊
STORY
鬼をコーヒーで祓い、コーヒー豆で封じる“豆魔師”の2人と出会った女子高生・ハル。彼らが営むコーヒーショップで、ハルは悩みである睡魔と父の変貌が鬼の仕業だと知る!
選評
豆で鬼を祓うという行為をコーヒー豆と結びつけた設定は斬新で好印象。しかしセリフでの世界観の説明も多く、見せ場となるバトルシーンに単調さが見える。その結果キャラクターの動きにぎこちなさが出ているので、キャラクター同士の掛け合いやリアクションをテンポよく出して欲しい。その為には、緩急のあるアクションの見せ方やコマの割り方など画面の構成力を引き上げることで、キャラクターのコミカルさやアクションによる爽快な読後感を抱かせる技術を伸ばしていこう。
最終選考作品
完成原稿部門
- 『箸より重いものを持ったことがないお嬢様の箸が重かったら』夏野葉聲
- 『キミと紡ぐ、これからの初めて。』マサオミ
- 『さっちゃん、全部壊して』鴇 一汰
- 『ボクが死んだら君が食べていいよ』白亜 トオル
連載ネーム部門
- 『目眩く夫婦詐欺師』ゆーぐち