「マッグガーデン連載作家さんの作品作りで大切にしていることが知りたい!」
そんな声にお応えして本連載では、過去月刊コミックガーデンに掲載されたインタビュー「教えて先生!!」を紹介いたします。
第7回の先生は戸土野正内郎先生です!
(月刊コミックガーデン2017年2月号掲載)
作家紹介
戸土野正内郎先生
代表作は『どらくま』!
『どらくま』全6巻、好評発売中!
それでは一問一答での“執筆の秘訣”、スタート!!
Qペン入れの時に大事にしていることはありますか?
Gペンはインクの下りを良くする為にやや内側に曲げてから強めに焼いて使います。固いペンと固い紙でゴリゴリやるので20年経っても線が落ち着かないですね。丸ペンの使用頻度は近頃だいぶ減りました。
Qキャラクター作りで意識している点はありますか?
まず見た目としては百人の中から見つけられる位の特徴を、できれば頭部につけること。内面的には見た目から想像できない一面を作ること。僕自身できていないことの方が多いですが。
Qストーリー作りで重要視している部分はありますか?
破綻しないようにと気をつけるあまり小さくまとまりがちなので、直観としてやりたいと思ったことは大切にしてます。全体のバランスを崩すほどのアイデアは、危険ですけど貴重な作品の個性になると思ってます。
Qネームの際に心掛けていることはありますか?
全体のページ配分には気を遣っています。見せ場には多めにページを使うので、削れるセリフ、コマ、ページは容赦なく捨てます。それでも入り切らなくてコマが小さくなりがちですね。
Qずばり、作品作りで一番大切にしているのは何ですか?
作品を始めるからには、やりたかった見せ場のシーンがあるはずです。それを生かすために時には何年もかけて盛り上げなければいけません。「これが描きたかった!」という「熱」は大事にしています。
Q独自の練習方法、役に立った練習方法があれば教えてください。
時間の余裕が作れなくて、ぶっつけ本番がほとんどです。続けている練習法みたいなものは無いですが、最近安定して描ける自分に合った描き方があると気付きました。ベタ髪を描き続けてると筆ペンだけでGペン並に描けるようになります。
Q漫画に限らず、志望者の方に是非見てほしい作品はありますか?
作家性とは読者に新しい価値観や世界観を広げる力だと思っています。一番使われる手はタブーを侵してショックを演出することですよね。そういう目で自分の好きな作品をもう一度見てみるのはどうでしょう?
Q最後に、志望者の方々へ向けて一言アドバイスをお願いします。
人間「必要」なものにはお金を渋り、欲しい物は安上がりにするのをむしろ嫌がります。needsとwants。漫画は信者がいて初めて儲かるので、やはりwantsの商売じゃないでしょうか。信者には教祖が必要です。教祖は自分の考えに一番のめり込みます。自分の作品に一番夢中になれれば、その熱はきっと読者に伝播していくはずです。描きたい気持ちを信じて皆さん熱中して下さい。
ご回答、ありがとうございました!
作品紹介
『どらくま』
徳川の天下が定まり、訪れたかに見えた太平の世…。だがそれは新たな動乱の幕開けだった!
戸土野正内郎先生が描き出す、本格時代劇アクション!!
漫画賞のご案内
コミックガーデン・MAGCOMIでは下記の漫画賞を毎月応募受付中!
詳細はこちら!
月例マッグガーデンマンガ大賞
1ページマンガ賞 箱庭
次回(9月5日更新)は住川惠先生です!お楽しみに!