お久しぶりです!編集Nです。今回の研究に取り上げるのは……この作品!!
MAGCOMI読者には釈迦に説法かもしれませんが……「この作品を読んだことない」というような方もいらっしゃるかもしれないので、まずはNの独断と偏見による簡単なあらすじを説明します。
※一部作品のネタバレを含んでいますので、ご注意ください。
『はめつのおうこく』とは!?
超産業革命により、古より神に遣わされ、人間に寄り添い支えてきた魔女は、人間にとって不要の存在となった。人間は魔法という非科学的な力を排除するため、魔女狩りを始める。自分を育て魔法を教えてくれた、最愛の魔女であるクロエを殺された人間の青年のアドニスは人間への復讐を誓う。ファンタジーの俊秀が描く、終わりなきタリオのダークファンタジー!
本作の舞台は、魔法を使う「魔女族」が存在する世界です。
そんな中、魔女は人間と上手く共存していたように見えたのですが……
なんと、人類は
…ですがそんな中、迫害を避けるべく逃亡を試みる魔女もいました。
その名はクロエ・モルガン。本作の主人公アドニスを弟子にし、人間ながら魔法を使えるように育ててくれた、彼にとっては実の親のような存在です。
彼らは平穏な生活を手に入れるべく、国境を越えて別の国に逃げようとするのですが……
人類の科学力を駆使した、人工衛星による物理転送術にて……
なんと!首都中央広場にまで転移させられてしまいます。
そうして魔女迫害の元凶にして、リディア帝国皇帝ゲーテと対面する2人。
ここから逃亡するには戦うしかないと考え、クロエは氷結魔法を発動するのですが――……
魔法が発動せず、武器も粉々に砕けてしまいます。
人類の科学力はついには魔女の魔法すら無効化する手段をも生み出していたのです。
こうして、進退窮まったクロエは自分はどうなってもいいから、アドニスだけでも救ってもらうよう土下座して王に懇願します。
王もそれを受け入れたのか、遂には――
(´;ω;`)ブワッ
こうして、目の前で最愛の人を殺されたアドニスが、この国への復讐を誓うというところから物語が始まるのですが――――
ここで私の「気になったことは徹底的に調べないと気が済まない」という性分が鎌首をもたげました。
人類発展の土台となった
それは飛行船や全自動列車を作るほどの技術力となり、リディア帝国を
ここまではすんなり納得できました。しかし――
スマートフォン……だと……!?( ゚д゚)
このコマを見た瞬間、私の脳内に数多の疑問が駆け巡りました。
即ち、
スマホがあるからには、この世界には電波も通っているのか?
Appleなどのブランドメーカーがあったりもするのか?
そもそも普通の電話も存在しているのか?
etc.……
一度気になってしまえば、最早それは呪縛のように私の心を蝕んでいく。(妄想)
ということで、前置きが長くなりましたが―――
第五回マグコミ漫画研究部!~MAGCOMI作品のどうでもいいことを真面目に考察してみた~の議題は、こちらになります!!
『はめつのおうこく』に登場するアイテム・スマートフォンについて研究してみた
まずは、そもそも「スマートフォン」とは何か、その定義について調べてみました。
今日ではほぼ全ての人間に普及しているスマホですが、明確に「スマートフォン」というネーミングが世に出たのは2007年になります。
Appleが"iOS"を搭載したスマートフォン、俗に言うiPhoneを販売し、それが爆発的にヒットした為、広く周知されるようになったそうです。
なんだかもう人類に欠かせないモノのような気がしますが、まだ発売されて十数年しか経っていないことに驚きますね!
ちなみに余談ですが、スマホが世に出たばかりの頃は、皆こぞって略称を考えていたそうです。
「SP」だと流石に何だかわらかない。かといって、「スマフォ」「スマフォン」「スマート」だとなんだか語感が良くない。そうして悩みに悩んだ末、当時の『週刊ア●キー』副編集長があえて名称にない「ホ」の文字を入れ「スマホ」という略称を使ってみたところ、思いのほかしっくりきて、どんどん使用されるようになっていった……というエピソードがあるのだとか。
本作でも上記のように「スマホ」と略されていますが、『はめつのおうこく』内では誰がこの略称を閃いたのか気になりますね……(笑)
閑話休題、とにかく上記現実の例に即して考えるなら、本作の「
更に、下記アドニスの台詞から察するに、スマホを自作することもでき――
オマケに作中の「魔法」を使えば、バッテリーいらずで常時使用することすら可能な代物になっている……!
すごい(゜д゜)
しかし、そこまで考えるとやはり、別の疑問が湧いてきます。即ち、この世界にはスマホに内蔵されているOSや製造会社はいくつあるのだろうか?という疑問です。
現実でも、iOSを備えたスマートフォンはiPhoneのみですが、Androidの場合はGalaxyやAQUOS、Xperiaなどといった素晴らしい機種が数多く存在し、各種通信機器メーカーが鎬を削っています。
ちなみに、昨年の現実世界におけるスマートフォンシェア率(一部わかりやすいように四捨五入しています)は下記のようになっています。
※こちらの数字は米調査会社IDCが2020年1月30日に発表した2019年の世界のスマートフォン(スマホ)出荷台数シェアを参照いたしました。
サムスン、ファーウェイ、アップル……誰しも一度は聞いたことがあるような大企業の名前がズラリと並んでいます。
日本だとiPhoneの勢いが強いように思えますが、世界全体で見るとむしろAndroidの方が普及率は高いようです。中々興味深いデータですね。
『はめつのおうこく』内も、やはりこのように複数の通信機器メーカーが乱立しているのでしょうか……?
その答えは、作中に記載されていました。
スマホの音声認証を突破した際に、その持ち主であるパルポル看守長が放った一言。
「私のは安心の国産スマホよ」……という台詞。ここから考えるに、おそらくスマホはリディア帝国以外にも存在し、他国には粗悪品が出回っていると推測できます。
リディアのものはセキュリティ的にしっかりしている為、そのような台詞が出てきたのでしょう。と、なるとやはり、数多の通信機器メーカーやそれに類する会社も存在しているとみて間違いないはず……!!
……と、ここまで考えたところで、私の中に更なる疑問が生まれました。
数多のスマホ製作会社があるのならば、スマホに搭載しているアプリや機能も多様性に溢れているはず。
だとするなら……この世界にはSNSや、それにまつわる配信媒体などもあるのだろうか?……ということです。
もしそれらがあるなら、現実にあるスマホとほぼ同じ性能を備えているとわかるはず。そのように思い、単行本を読み漁っていたところ……1つ、誰しも知っている発信媒体を見つけてしまいました。
HAME TUBE……だと……!?( ゚д゚)
これはどこからどうみてもYoutubeをモデルにしているとみて間違いないでしょう。
そして、このような動画配信媒体があるのならば……この世界はほぼ現実世界で存在するツールもあるとみて間違いないはず!!
いや、それどころかSNSすらも存在するとみてまず間違いないでしょう!!
ということで……結論。
この世界のスマホは現代同様、様々な会社が制作する機種が存在し、更には
この研究結果の真偽を確かめるべく、著者であるyoruhashi先生に、担当編集者であるきくちさんからインタビューを試みてもらいました。
…かくかくしかじかと、そういう事情で『はめつのおうこく』のスマホについてのインタビューを行うことになりました! それではよろしくお願いします。
よろしくお願いします。それと、先ほどは電話出られずにすみません。スマホが壊れてしまい、悪戦苦闘しておりました。
あ、だから通話さっきまでつながらなかったんですね(※今回はオンラインインタビューです)。スマホに関するインタビューの前にとてもタイムリーな話題ですね!(笑)
ですね。以前使ってたスマホにSIMカード入れ替えたのでもう大丈夫です(笑)
では、早速質問をいくつかNから預かりましたので、行わせていただきます…! 一つ目ですが、上記でも言われていましたがこの世界では誰が『スマホ』という略称を思いついたのでしょうか?
略称…!考えたことなかったです!(笑)
普通考えないですよ(笑)
記事内でNさんも言われている通り、正確には「スマートフォン=スマフォ」ですが、私たちの日常生活ではおそらく「スマフォ」だと発音しづらいので「スマホ」が定着したんだと思います。当然漫画もエンタメなので読者さんが普段慣れ親しんでいる「スマホ」にしました。誰が略称を…ということでしたら『はめつ』の世界もいったん「スマフォ」になって言いづらいから皆「スマホ」と呼ぶようになったんだと思います(笑)
合理的な理由だ…(笑)。でも確かに、『はめつ』の文化水準は現代に近いものがありますもんね! ではでは次の質問です。この世界ではリディア産のスマホのシェア率はどのくらいでしょう?
シェアですか…!(笑)
ファンタジー世界のスマホのシェア率を話し合うのは世界初ではないでしょうか(笑)
うーん。そうですね…リディアはこの世界でいち早く『
結構なシェアですね。そうなると、個人でスマホを作ったりする人はいるのでしょうか?
あ、それはもともと決めていた設定で、スマホ自作できるのはアドニスだけです。というのも、先ほどの話からリディア国民は自国製品に絶対の信頼を寄せているので、既存の商品を改造するなどという概念を持ち合わせていないんです。 また、国内産業として有象無象の民間企業の頂点にシータ局長率いる国家科学局がありますので、国家の礎ともいうべき「科学」に手を加えるなどおそらく許されないと思います。
え! 結構管理されてる…! あ、そういえば7話で諜報局のオズが、反体制思想が芽生えた女子高生を密告してましたよね…(震)インターネットも諜報局とか政府の監視が入ってそうですね。
そうですね。帝国で産業をコントロールしているとなると、キャリア自体もいくつもあるわけではないと思いますので、SIMロックという概念もないのかもしれません。
思ってたより統制された国ですね! ちなみに…Nが出したこの結論についてはいかがでしょう? 作中で『HAME TUBE』という動画配信サイトが登場していますが、この世界には
凄い細かい所見て下さってますね!(笑) 名称はさておき、SNSに関しては物語に登場する予定です!
え! 初耳です! 新規情報…!
まだ先のお話なりますので、詳細はシナリオの打ち合わせの時にお願いします(笑)
ぜひ楽しみにしています!! それにしても――スマホといえば現代には山のような料金プランがありますよね。『はめつ』の世界は現実の日本のように2年契約や、分割払いなどもあるのでしょうか?
料金プラン!(笑) 現実世界に近い文化水準をイメージしておりますので、料金プランも同じ感じじゃないでしょうか。……でも、スマホが壊れた時の保険があると嬉しいですね(笑)
先生保険入ってなかったんですか…(笑)
きくちさん、この壊れたスマホは正確には壊れたわけではなくちょっとした不具合があるだけなので、どうですか、安くお譲りしますよ。新品なんです…( ;∀;)
それはちょっと……(笑)。ちなみに、リディアは圏外になる地域もあるのでしょうか?
そこも現代の技術水準に近いと思うので、人々が生活しているエリアで圏外になるところはないです。
確かに私たちの世界に近いですね。車も鉄道も、色々なものが近代的な都会なイメージがあったのでわかります。では次は―-現代で社会問題にもなっている、歩きスマホやスマホ依存症なども存在するのでしょうか?……て、コレ相当マニアックな質問ですね!(笑)
本当すごく読んでくださっている…(笑)。国民は産業の発展で裕福になってはいますが、皆さん仕事はしているので、出勤中はスマホをさわっていると思います。だからそういうのも、もしかするとあるのかもしれませんね。
言われてみるとたしかに、国民はみんな仕事をしてるんですよね。でもそうなると世に言う『ブラック企業』なんかもリディア国内にあるのか気になる……(笑)
どうでしょうね(笑)
それでは、最後の質問です! リディアにHAME TUBEのようなものがあるなら、
存在しないと思います。悪い意味で情報統制がしっかりしている国がリディアなので、印象操作につながるような発信をする人間は、諜報局のオズに連行されてしまうのではないでしょうか。
オズかっこいいけどめちゃくちゃ怖い人ですね…(笑)。色々な発展で暮らしやすさが保証された恵まれた国ですが、今の現実の世界の観点から見ると閉鎖的というか、リディアは思想信条の自由が保障されていない国なのかもしれませんね。しかも、それを国民が疑問に思わないようになっている…なんだかスマホの質問なのにリディアの闇を見てしまった気持ち……(´・ω・`)
それはさておき本日はお忙しい中、インタビューにお答え頂きありがとうございました! これならNも満足するかと思います!
……………………………………………………。
……………………………。
…………。
yoruhashi先生に隅々までご回答頂き、大満足です(*´ω`*)
と、いうことで……
名称がどうなるかはわかりませんが、何らかのSNSがこの先物語に登場するということが本作の公式設定となりました。←!?
以後、作中のスマホ設定にも思いを馳せながら本作を楽しんで頂けますと幸いです!
そして、もしまだ『はめつのおうこく』を読んだことのないそこのアナタ!!
これを機に、是非読んでみてはいかがでしょうか。MAGCOMIにて第一話を無料で公開しているので、少しでも興味を抱かれましたら、是非お読みください!
また、『はめつのおうこく』3巻発売を記念し、特集ページにてyoruhashi先生へのスペシャルインタビューが掲載されている他、プレゼントキャンペーンも開催しております!
気になった方は、下記より是非アクセスしてみてください!
以後もこのような形で、私Nが独断と偏見で選んだMAGCOMI連載作品の気になった点を考察しては、作者や担当編集者に突撃インタビューをしていこうと思います! 次回もお楽しみに!
©yoruhashi 2020/マッグガーデン ©yoruhashi 2020/MAG Garden
※本ブログへ記載した画像は、株式会社マッグガーデンが刊行した『はめつのおうこく』①~②巻より抜粋し、引用させて頂きました。