お久しぶりです!編集Nです。今回の研究に取り上げるのは……この作品!!
MAGCOMI読者には釈迦に説法かもしれませんが……「この作品を読んだことない」というような方もいらっしゃるかもしれないので、まずはNの独断と偏見による簡単なあらすじを説明します。
※一部作品のネタバレを含んでいますので、ご注意ください。
『凸凹のワルツ』とは!?
『あかねや八雲』の森野きこり、最新作連載スタート!180cm近い凸な女教師と160cm前後の凹な男子が美味しく織りなす、初心なふたりの秘密のレッスン。ほっこり楽しい、だけど不器用なワルツをお届け致します。
「女子力男子」という言葉をご存知でしょうか。
いわゆる料理、洗濯、掃除などの家事ができ、生活能力の高い男性を指す言葉です。
近年では女性の社会進出の影響もあり、さして珍しい存在でもなくなっているようですが、世間に完全に受け入れられているとも言い難い存在かと思います。
本作の主人公・春海くんは、正にその言葉に該当する男子高校生です。
ご飯を作るのも部屋の整理をするのも大好きで、更にそのクオリティも非常に高く、
作った可愛らしいご飯をレシピ付きでSNSにアップして好評を博しているほどです。
しかし、彼はそんな趣味をひた隠しにし、周囲には漏らしていませんでした。
とある幼少期のトラウマから、好きなことを晒すことができなくなっていたのです。
悲しい (´;ω;`)
……閑話休題、そんな春海くんの通う学校には、とあるユニークな教師がいました。
何がユニークかというと、まず第一にその身長の高さです。
180cmはありそうな背格好ながら、どこか負のオーラを漂わせる様は一種の風格(?)すら感じさせます。
そんな水原先生に課題のプリントを届けにいくことになった春海くん。
ちょうどお昼時だったからか、お弁当があったのでそちらを見てみると――
そこにあったのは、炭のような謎の物体(?)でした。
しかも、なんと! 水原先生は春海くんがSNSで公開しているレシピを見て触発され、お弁当を作ってみたと言うのです。
自らの完璧なレシピが再現されなかったことにショックを受ける春海くん。
そのまま我慢できずに自らのお弁当を差し出してしまいます。
そうして、春海くんの会心のお弁当、花柄オムライスを食べることになった水原先生ですが――
そのあまりの美味しさに、紆余曲折を経てとんでもない提案をしてきます。
\(^o^)/
……当然、これは「弁当を」ということなのですが。
過去のトラウマもあり、最初はその提案を受けるか悩む春海くん。
最終的には引き受けることになるのですが、その条件としてあることを付け加えました。
なんと! 前述した通り、料理の腕前は壊滅的な水原先生を心配した春海くんは、自炊の仕方を教えると提案するのです。
こうして、180cm近い料理下手の凸な女教師と160cm前後の料理上手な凹な男子の秘密の料理教室(?)が始まる――というところから物語が始まるのですが。
ここで私の「気になったことは徹底的に調べないと気が済まない」という性分が鎌首をもたげました。
それは――……
水原先生のような料理下手な人を、本当に料理上手に導けるのだろうか? ということです。
実は、かくいう私・Nも稀代の料理下手として知られています。
どれくらい下手かというと――
一つエピソードを披露すると、学生時代にこんなことがありました。
皆で食材を買い込み、友人宅でカレーを作ることになったある日。
私が料理下手なことは周知の事実だったので、比較的簡単な作業を割り振られ、「米を洗った後、5合炊いてくれ」と指示されたことがありました。
そのまま作業を終え、炊飯器をセットするも――
なんと、炊き終えても炊飯器が開かないという事態になりました("゚д゚)
友人A「え、なんで炊飯器が開かないの…?」カチカチッ
N「さぁ?」
友人B「つーか、米めっちゃ減ってね? 本当に5合炊いたの?」
N「おう。ちゃんと内釜の「5」って書かれているところまで米入れたわ」
友人A&B「………え?」
――そう。
計量カップという存在を知らなかった私は、内釜の水を入れるラインをそのまま米を入れるラインだと勘違いして米を炊いてしまったのです!
その結果、炊飯器内で米が膨張して蓋を圧迫し、開かなくなるという前代未聞の事態に。
結局、その後何とか無理やり炊飯器を開き、もったいないので生炊きのお米を食べようとしたところ――
友人A「……なんか、米から変な臭いしない?」
友人B「クンクン…あ、ホントだ。これ、何のニオイだ…?」
N「洗剤じゃない?」
友人A&B「ファッ!?」
N「え。だって、米洗えって言ったじゃん。だから、洗剤で綺麗に洗ってから炊いたんだけど……」
友人A&B「………マジか」
当時の私は、「米を洗う」という言葉を皿洗いと同じような感覚で受け取ってしまったのです\(^o^)/
……というような恥ずかしいエピソードを多々持つ私は「料理下手」の最たる存在であり――。
作中の水原先生にとても近い存在と言えるでしょう。
いや、もしかすると水原先生以下かもしれません(´・ω・`)
しかし、そんな水原先生は春海くんに料理を教わり、見事に美味しいものを作れるようになっていきます。
この事実を知った途端、私の頭には次から次へと疑問が湧き出てきました。
すなわち、
春海くんの教え方で、本当に料理下手は改善されるのか?
というか料理下手な人間を改善させることなんて本当にできるのか?(´・ω・`)
作中の春海くんが水原先生に教える通りに料理を作れば、リアルで料理下手な人も上手く作れるのだろうか?
etc.……
一度そう思ってしまえば、最早それは呪縛のように私の心を蝕んでいく。(妄想)
ということで、前置きが長くなりましたが―――
第15回マグコミ漫画研究部!~MAGCOMI作品のどうでもいいことを真面目に考察してみた~の議題は、こちらになります!!
『凸凹のワルツ』の水原先生に匹敵する料理下手の編集Nが、はたして作中の料理を再現できるのか研究してみた
まずは、実際に作中で春海くんが水原先生に教えている通りに料理を作ってみることにしました。
2人が作中で最初に作るのは、おにぎりになります。
手軽に誰でも作れる料理として有名ですよね!
というか、握るだけだし
これなら「料理する」というハードルもかなり低く、春海くんの教え通りやれば私でも簡単に作れるはずだと意気込んだ私は、早速調理をしてみることに。
まずは、米を炊くところからスタート。
この日の為に用意した山形県産「つや姫」を使い米を研いでいきます。
先ほどいろいろやらかしたエピソードを経験として蓄積したこともあり、計量カップと米の洗い方をマスターした私に死角はありません。
さっそく思いっきり力を入れて米を研ごうとしましたが――
……そうなんだ(´・ω・`)
完全に水原先生と気持ちがシンクロしてしまいました。
どうやら、お米を研ぐのは軽くかきまぜるくらいの力でいいそうです。
そのまま、作中の描写を元に研ぐこと数回。
ようやく炊飯器にセットすることに成功します。
次は、中に入れる具を作ることにします。
個人的には明太子やシャケが好きですが、そこは作り方がわからない作中の描写を参考にしないといけないので、ここも春海くんのやり方を踏襲することに。
どうでもいいですが、このコマを読んだとき完全に先生と同じリアクションをしていました。私の中でソースといえば、この世に中濃ソースとウスターソースしか存在しないという認識だったので(´・ω・`)
改めてオイスターソースというモノを調べてみたところ、生牡蠣を塩漬けにすることで発酵熟成してできる調味料を指す言葉のようです。
19世紀後期に中国の広東省で生まれたとされ、広東料理ではよく用いられることが多いのだとか。まだ生まれてから100年近くしか経っていないことを考えると、料理の世界も日進月歩だということを痛感しますね…!
ということで、オイスターソースもばっちり購入。
こうして、材料は揃ったとばかりに調理しようと考えたのですが――
ここで早速、壁にぶち当たりました。
春海くんが語る「細かくほぐす」というやり方がよくわからん…\(^o^)/
絵を見たところ、たぶんサラダチキンを細かく切り分けて、オイスターソース小さじ1/2とマヨネーズ大さじ1/2をかけて混ぜていくことを指しているのだとは思うのですが――
料理下手の人間には、その「細かく」という大雑把な説明ではわからないのです…( ;∀;)
このあたり、実際に春海くんが傍でみてくれる水原先生と私の違いが出たところでした。
とはいえ、一度決めたからにはやるしかない!
ということでなんとなーくこのくらいかな? と思うまで切り分け、オイスターソースとマヨネーズと共に混ぜてみました。
果たして、これくらいでいいのだろうか……?(´・ω・`)ドキドキ
不安に思いつつも、とりあえずこのまま進めてみます。
とはいえ後は炊けた米にのせていくだけなのですが、ここでも問題が……
……おにぎりに具ってどうやってのせるんだろう( ゚д゚)
これも絵を見る限り、手にとったお米の中央部分?に具をのせるっぽいことはわかるのですが……
具体的にどれくらいの分量をとり、どれくらいの分量をのせればいいのかわからない…!!
また、のせた後についても謎でした。
そこからきちんと両手を使って三角形に握ろうとするのは、超絶不器用&超絶料理下手の人間にはかなりハードルが高いです。
どういう手の握りで、どういう指の使い方をすればいいのか?
そんな根本的なこともわからずよく生きていけたなと自分でも痛感しましたが――
普通の人ならできて当たり前のことができないのが、「超」がつく料理下手というもの。
とはいえ、ここまできたら我流で乗り切るしかない!!
と腹をくくり、やってみようとしたところ――
熱すぎて、米を手に持つことができないというまさかの事態になりました\(^o^)/
よくよく考えれば、炊きたてご飯なのですがら熱いのは当たり前です。
作中だと、下記のように説明がありましたが――
手のひらを全体を水で濡らす程度では、とてもじゃないが炊きたてご飯の熱さを殺すことはできませんでした…
単純に私が料理に不慣れだからなのか、それとも実は少し時間をあけて保温し、握れる程度の熱さになるまで冷ますなどの高等テクニックがあったのか…?
作中のコマにも「あつつ」という台詞がある為、熱いのは間違いないとは思うのですが……
このあたりについても、どうすればよかったのか是非春海くんに聞いてみたいところです(`・ω・´)
とはいえ、熱すぎるとはいえ握らないと話が始まらないので、
熱さに堪えながら火傷しないようにスピード感重視で握ったところ――
こんな形のおにぎりが出来上がりました。
…………うん。
不格好&大きさもマチマチですが、パッと見で「おにぎり」とわかるモノには仕上がったのではないでしょうか。
早速、実食してみることにします。
………………………………。
……………………。
…………。
食べた瞬間、またもやこの時の水原先生と完全に同じリアクションをしてしまいました。
本当に、コクとうまみが増して絶妙にお米と調和している感じがたまりません(*´ω`*)
今までほぼ自炊をしてこなかった私が、このような美味しいおにぎりを作ることができるとは――
なんだか感無量になり、 とても美味しく食べることができました!
と、いうことで結論。
『凸凹のワルツ』の春海のくんの言う通りにやれば、超絶料理下手の人間でもある程度美味しいものは作ることができる!! ただし、描写されていない箇所は自分で学び、多少独学で対応する必要アリ!!
もしこの記事を読んで興味を抱かれた方がいましたら、是非皆様も作中の料理をご自宅で再現してみてください!
そして、もしまだ『凸凹のワルツ』を読んだことのないそこのアナタ!!
これを機に読んでみてはいかがでしょうか(*'ω'*)
現在、下記にて第一話が無料で読めますので、少しでも興味を抱かれましたら是非お読みください!
また、6月10日(木)に『凸凹のワルツ』第2巻が発売しております♪
よければ是非ご購入ください!
以後もこのような形で、私Nが独断と偏見で選んだMAGCOMI連載作品の気になった点を考察・研究していこうと思います! 次回もお楽しみに!
©森野きこり/マッグガーデン ©Kikori Morino/MAG Garden
※本ブログへ記載した画像は、『凸凹のワルツ』①~②巻より抜粋し、引用させて頂きました。