お久しぶりです!編集Nです。今回の研究に取り上げるのは……この作品!!
MAGCOMI読者には釈迦に説法かもしれませんが……「この作品を読んだことない」というような方もいらっしゃるかもしれないので、まずはNの独断と偏見による簡単なあらすじを説明します。
※一部作品のネタバレを含んでいますので、ご注意ください。
『異種族巨少女セクステット!』とは!?
冒険者学校きっての優等生トール。異種族学園へ留学することになった彼は、そこで幼馴染の少女ニッカと再会する。だが、自分と同じ人間と思っていた少女は、実は巨人族のオーガ種で!? 全てがメガスケールの巨人族の街、身長差100cmの幼馴染、なぜか女子ばかりのクラスメイト、下心はないのに視界で翻るミニスカート!振り回されっぱなしの剣と魔法の学園ハーレムストーリー!!
冒険者学校に所属し、優秀な成績を収める主人公トール・ウェイン。
弱冠13歳ながら上級冒険者専攻・応用魔術学を専攻しており、教官3人相手の戦闘対応試験にも合格するほどの秀才です。
そんな彼は、来年より他種族との友好を深める為、別の学校に行き交流する「異種族留学」をすることが内定していました。
とはいえ、13歳の少年が単身で見ず知らずの地で過ごすのは大変です。
学校長もそれを知ってか、案内人を付けると申し出るのですが…
なんと! この案内人はトールの幼馴染がやることに。
この幼馴染、名をニッカというのですが、7年前の子供の頃はトールと仲睦まじい関係を築いていました。
そんな彼女と7年ぶりに再開することになり、喜んでいたトールですが――
近づいてくるにつれ、何か強烈な違和感を覚えます。
そもそも、可憐な乙女が駆け寄ってくる足音に普通「ドスドス」という擬音は使われません(;^ω^)
そう、そこにいたのは――
紛うことなき「巨人」でした( ゚д゚)
なんと、ニッカはオーガ族と呼ばれる巨人の種族だったのです!
幼少の頃は人間と背丈がそこまで変わらないということもあり、本人も気付いてなかったのだとか。
つまりトールの異種族留学先、ノールデン冒険者学校は巨人族の学校ということになります。
さらに言えば、トールのクラスはなぜか女子しかいませんでした\(^o^)/
ということはつまり――
こんなことや、
こんなことまで起こり得る――
キャッキャウフフなハーレムライフを送れることになったのです!
うらやまけしからん(`・ω・´)
ともあれ、こうして巨人の学校において、人間であるトールが異種族交流を兼ねたラッキースケベ満載の留学ライフを始める――というところから物語が始まるのですが。
ここで私の「気になったことは徹底的に調べないと気が済まない」という性分が鎌首をもたげました。
それは――……
作中に登場する様々な巨人族についてです。
今まで私は、巨人と言えばその名の通り「巨人」という種族だと思っていました。
しかし、実際には様々に種族が分けができるようで、作中にも多種多様な名前が登場しています。
トールと頻繁に絡むことになるパーティーメンバー全員ですら
それぞれ違った種族であり、別個の特徴を持っているくらいです。
この事実を知った途端、私の頭には次から次へと疑問が湧き出てきました。
すなわち、
作中に登場する巨人族の種類は、どのようなものなのだろうか?
神話・伝承の巨人を参考にしているのだろうか?
そもそもどんな特徴・特性があるのだろうか?
作中最強の巨人とは何になるのだろうか?
etc.……
一度そう思ってしまえば、最早それは呪縛のように私の心を蝕んでいく。(妄想)
ということで、前置きが長くなりましたが―――
第16回マグコミ漫画研究部!~MAGCOMI作品のどうでもいいことを真面目に考察してみた~の議題は、こちらになります!!
『異種族巨少女セクステット!』に登場する巨少女の種族について研究してみた
まずは先ほど紹介した通り、トールと一番絡むことの多いメインヒロイン5人の種族について調べてみることにしました。
最初はメインヒロイン(?)であるニッカから。
前述した通り、彼女はオーガと呼ばれる種族です。
ファンタジー世界においては比較的ポピュラーな呼称であり、誰しもゲームや漫画などで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
基本的に「鬼」や「怪物」のような姿が連想され、スカンジナビア半島の国々ではトロールと混同されることも多いようですが、細かく分けると別種としてカウントされているようです。
元々は常人の数倍(3m近く)の体躯を持つ筋骨隆々の巨人として知られており、棍棒などを持って行動することから、日本における「鬼」との類似点も多いので翻訳する際にこの字が当てられたのだとか。
そんなオーガですが、その名が知られるようになったのは、17世紀・フランスの児童文学作家であるシャルル・ペロー氏の創作物に登場したことがきっかけのようです。
『長靴をはいた猫』『眠り姫』などの世界的に有名な著作に名前が登場し、そこから強靭な肉体を持つ大男といったイメージがついていったのだとか。
ちなみに余談ですが、「オーガ」とは種族の中でも雄(男性)を指す言葉でもあるようです。女性のオーガは女性を表す[-ess]という単語を付けた、オーグリス(ogress)またはオグレス(ogresse)と呼称されるそうです。
なので、ニッカも実は同種族の前ではそのように呼ばれているのかもしれませんね!
次に、パーティーの頼れる相談役・レトリについて。
彼女はトロールと呼ばれる種族になります。
先ほど例に挙げた通り、オーガと混同されることも多い種族ですが、明確に違う点を挙げるなら、元をたどればトロールの種族は巨人ではなく妖精だということです。
北欧地方、とくにノルウェー圏では有名で、悪意に満ちた毛むくじゃらの存在として知られています。
大きさも様々で、巨人と呼ばれる体躯の者から、小人の者、二つまたは三つの頭がある者まで、様々な形で語り継がれています。
そんなトロールですが、大きな身体で鈍重・怪力の持ち主といった一般的なイメージは、J・R・R・トールキンの『ホビットの冒険』、『指輪物語』により形作られていったそうです。
本作では、おそらく元になった妖精の「毛むくじゃら」というところから着想を得て犬の獣人のような形のキャラクターが生まれたのではないでしょうか。
余談ですが、ノルウェー南西部にある標高約1,000mの断崖には、「トロールの舌」を意味するトロルトゥンガと呼ばれる岩盤があるそうです。
断崖絶壁から突き出た岩盤が、ノルウェーで語り継がれる妖精・トロールの舌のように見えることから、そう名付けられたのだとか。
調べればすぐに画像が出てくるので、よろしければ是非ご確認ください!
それにしても、もしこの世界で似たような場所があったら、
それは「レトリトゥンガ」と名付けられる……のかもしれませんね(´-`*)
続いて、作中でも屈指のサイズを誇るウーナについて。
彼女は「サイクロプス」と呼ばれる種族です。
これは、巨人に詳しくない私でも流石ピンときました。
サイクロプスはキュクロプスとも言い、
ギリシャ神話に登場する単眼単角の巨人として数多の創作に登場することが多い為です。
ちなみに、サイクロプスは神話上では鍛冶師だったそうです。鍛冶の神・ヘパイストスの助手として数多の武器や防具を作ったと言われています。
元々鍛冶師は鍛冶仕事の最中の火花によって片目を失う者が多く、単眼なのもそれが由来ではないかと言われているのだとか……。
その他、粗暴で肉弾戦を好むかのようなイメージがついているサイクロプスですが、本作では気弱で大人しく、専攻している学科もプリースト系と一般的なイメージとは違う新しいサイクロプスとして描かれています。
とはいえ、もしかするとウーナが特殊なだけで、ウーナの家族や友人は一般的に知られる「サイクロプス」としてのイメージ通りの性格をしていたりするのかもしれませんね。
もしかするといずれ本編で取り上げられるかもしれませんので、楽しみに待っていましょう!
続いて、ヘカトンケイレスのセラについて。
こちらも、名前はかなり有名な存在として知られています。
百の手を意味する名前を持つ五十頭百手の巨人とも言われ、その勇名はギリシャ神話に記されています。
また、実はヘカトンケイレスというのは複数形の呼称であり、本来の名称はヘカトンケイルというそうです。
なぜ複数形があるのかというと、ヘカトンケイルという存在が元々一人ではなく、3体の巨人で構成されているからなのだとか。
それぞれ「コットス」「ブリアレオース(アイガイオーン)」「ギューゲース(ギューエース)」の3兄弟と言われ、彼らそれぞれが多手多頭の姿であり、その合計数が五十頭百手の巨人となる為、総称として「ヘカトンケイレス」と呼ばれるようになったのだとか。
創作の題材にしやすいせいか、数多の作品に使われることの多い巨人ですが、五十頭百手全て再現するのは難しく(リアルに描こうとすると千手観音のようになってしまう)、大抵は本作同様、2本の腕を増やす程度で描かれることが多いようです(;^ω^)
最後は、クンバカルナのソメイユ。
これについては見たことも聞いたこともなかったので調べてみたところ、
どうやらインド神話に登場する羅刹(神)のようです。
山ほどもある巨躯の持ち主で、身体からは常に血と脂の臭気を発しており、怒ると口から火を吐き、その雄たけびは百の雷ほども轟いたと言われている伝説上の生物です。
生まれてすぐに空腹から、手当たり次第に周囲の生物を食べ続けたというエピソードの持ち主でもあり、そのあまりの食欲から生態系を壊しかねなかった為、9ヵ月に1日しか目を覚まさないという呪いを他の神々にかけられたという筋金入りの怪物です。
このあたりの設定は作中のソメイユにもきちんと反映されていますね…!
余談ですが、インドにはクンバカルナの名を冠した山もあるそうです。
標高7,000mを超える世界でも有数の嶮山で、その複雑な構造と恐ろし気な造形から、暴虐の神ともいわれるクンバカルナを冠する名がつけられたのだとか……。
改めて調べてみると、本当に様々な設定の巨人がいて面白いですね…!
そんな中、またしてもふと気になったことがありました。
それは、数多の巨人が存在するなら、その中で最強の存在は誰なのだろう? という問いです。
作中だと、校長先生であるサヤ・マヤカが最強と言われており、その種族は日本由来の巨人・だいだらぼっちとされています。
ちなみにこのだいだらぼっちですが、名前の由来は「大きな人」を意味する大太郎という字に「法師」を付け足し、大太郎法師と呼ばれたからという説が一般的のようです。
この「だいたろうぼうし」という呼称が日本各地に伝わるにつれてナマっていき、
最終的にだいだらぼっちという呼び名になったのだとか。
「法師」という字は古くは僧侶を指す言葉でしたが、転じて人物全般の呼称として扱われるようになった為、
敬称的な意味で付け足されたのでしょう。
いわば、一寸法師や琵琶法師に近い形の名称かと思います。
そんなだいだらぼっちですが、調べていくとすさまじいエピソードがてんこもりでした。
まず、日本にある山々の数々はだいだらぼっちが作ったという伝説があり、中でも富士山を作るため、甲州の土を掘って土台を作ったという話があるそうです。
そのため甲州地は総じて盆地となってしまったそうでしたが、話はそれだけに留まりません。
なんと、甲州だけでは足りなかったので、遠く離れた近江の地の土まで掘って使い、その掘られた跡地に雨が降り注ぎ琵琶湖ができたのだとか( ゚д゚)
なんだかスケールが大きすぎて言葉が出ませんね……。
そして更に驚きだったのが、この伝説の縁(?)があって富士山がある静岡県富士宮市と、琵琶湖がある滋賀県近江八幡市が1968年に夫婦都市(※)となったというから驚きです。
※夫婦都市……文化交流や親善を目的として異なる地域が誼を結ぶことを姉妹都市・友好都市などと呼称するが、その上位互換ともいえる言葉。行政や文化・スポーツなど、様々な面で密接に連携し、交流していることが多い。
これだけ壮大かつ、日本の歴史に密接に関わっているエピソードがあるのなら、最強に近い実力を持っていることも納得です。
――しかし、世は広いもの。
もしかすると、まだ作中に登場していないだけで
だいだらぼっちにも比肩しうる巨人が存在するのではないか!?
そんなことを思い、数多の文献・資料を漁っていたところ……
1人、「最強」に相応しい巨人を見つけてしまいました。
その名も――
テューポーン
と呼ばれる巨人です。
この巨人はギリシャ神話に登場する神なのですが――
ギリシャ神話における最大最強の存在とも言われ、
神々の王にして全知全能の存在・ゼウスを唯一打ち破った者としても知られています。
その武勇伝の詳細を語っていけばキリがないのですが、何より凄いのはそのサイズです。
テューポーンの巨体は頭部が天に届くほどだったと言われ、両腕を伸ばせば世界を一周できると伝わっています。
単純計算で考えても、空まで届く身長ということは全長1万m~1万2,000m以上あったということになります。
そして、地球の円周は約4万kmと言われていますから、片腕の長さは最低でも2万m近くあり、身長の倍近い長さであるということでもあります。
なんだか途方もない数字過ぎて理解が及びませんが、
日本一高い建造物である東京スカイツリーが全長634m、世界一高い場所と言われるエベレスト山の山頂ですら、標高8,848mと言われています。
つまり、テューポーンはエベレスト山よりもはるかに大きいのです!
これだけでも、すさまじいデカさということがひしひしと伝わってくるかと思います。
当然身体能力も抜群で、底知れぬ怪力を持ち、腿から下は巨大な毒蛇がとぐろを巻いた形をしており一昼夜を走っても決して疲れず、肩からは百の蛇の頭が生え、火のように輝く目を持ち、声を発するたびに山々が鳴動したという異形の持ち主だったそうです。
更に、現代に伝わる数多の異形の怪物は全てテューポーンが生んだとされ、
少し名前を挙げるだけでもオルトロス、ケルベロス、ヒュドラー、キマイラ、スフィンクスといった錚々たる面々が並んでいます。
そういう意味では、数多の巨人や怪物の元凶・首魁たる存在といっても過言ではないかもしれません。
また、余談になりますが、英語で「台風」を意する "typhoon”と呼ばれる単語の語源は "Typhon"であり、このテューポーンという存在の暴虐さ・乱暴さを大嵐に例えて呼称するようになったという説があるそうです。
自然現象による天災に重ねられるほどの暴力を持ち、その巨躯はこの世に存在するどの巨人よりも大きい。
まさに、このテューポーンこそ最強の巨人という名に相応しい存在なのではないでしょうか。
と、いうことで結論。
『異種族巨少女セクステット!』に登場する巨少女で最強なのは、現時点ではだいだらぼっちの巨人である校長サヤ・マヤカ先生だが、今後テューポーンをモデルにした巨人が作中に登場すればそちらに成り代わる可能性がある!!
この研究結果を是非とも発表したいと考えたNは、著者であるあまがえる先生にインタビューを試みました!
……かくかくしかじかとそういうわけで、作中最強に相応しい巨人はテューポーンだと結論付けました! いかがでしょうか!
いろいろ調べて頂きありがとうございます! 面白い研究結果だと思います! 世界最強の巨人という響きはときめくものがありますね!
ですよね! 私も調べたとき、「この巨人、すごすぎる…」と一人嘆息してました(;^ω^)。ちなみに、今後、テューポーンを模した巨人は作中に登場することもあるのでしょうか?
この世界での巨人族は何代も世代を重ねて、人間のように群れたりするようになった関係で、巨人の特徴は保ちつつも、伝承と同等の力は持っていない設定になっています(サヤ・マヤカは古い巨人族なので強いです)。
もしテューポーンが登場するとしたら、伝承のような強さは無いでしょうが
味方なら頼もしく、敵であれば強大な存在になりそうですね。
おぉ…! ですよね!! その日が来るのを楽しみにしています! そういえば…作中の巨人を調べたところ、その多種多様さに驚いたのですが、やはりあまがえる先生は本作を描かれる過程で、巨人についても調べ尽くしていたりするのでしょうか?
登場する巨人の物語はできる限り調べていますが、非常にたくさんの物語があるのでまだ調べ足りないなぁと思っています。ちなみに、それぞれ特徴的な種族のヒロインを用意したので、幼馴染のニッカはその中で一番人間の姿に近い種族にしたいと思っていました。
なるほど…! たしかに、ニッカは遠距離から見ると、普通の女子高生にしかみえなかったりするときもあります! ちなみに、あまがる先生が一番好きな巨少女と、巨人はどちらになるのでしょうか?
ヒロインの中ではウーナ・チェロット。
ヒロイン以外だとエイテ・ヤシダです。
巨人の種類全体としては、漫画には登場していませんが霜の巨人が好きです。
エイテ・ヤシダは私も好きです! なんだか、肝っ玉母さん姉さんみたいなスタイルと、鍛冶師という職業がいかにも似合ってていいですよね…! 霜の巨人は北欧神話で有名ですよね! 私は、北欧神話だと炎の巨人・スルトも好きです! 霜の巨人と対になっている感じもして、なんだかいかにも「伝説の存在」って感じがひしひしとするので!
エイテ・ヤシダまで気に入って頂き、嬉しいです。また、改めて記事を作って頂きありがとうございました。こうしたインタビューも初めてだったので面白かったです。キャラクターを考えている当時はテューポーンの登場は思い至りませんでした。まだまだ様々な巨人族の物語があるので、今後もそうしたエッセンスを取り入れて世界観を広げていけたら楽しいですね。
こちらこそ、ありがとうございました! はい、また是非ともテューポーンやその他、新しい巨人が作中に登場した際は研究させて頂ければと思います!(`・ω・´)
と、いうことで……
あまがえる先生にインタビューをした結果、
もしかすると、今後私が最強と推すテューポーンや、その他様々な巨人たちが作中に登場するかもしれない(?)ということが明らかになりました!
もし登場した際は、是非皆様もその巨人たちの研究を推し進めてみてください!
そして、もしまだ『異種族巨少女セクステット!』を読んだことのないそこのアナタ!!
これを機に読んでみてはいかがでしょうか。
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とろりと柔らかく滑らかで極上な触り心地です。
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以後もこのような形で、私Nが独断と偏見で選んだMAGCOMI連載作品の気になった点を考察・研究していこうと思います! 次回もお楽しみに!
©あまがえる/マッグガーデン ©Amagaeru/MAG Garden
※本ブログへ記載した画像は、『異種族巨少女セクステット!』①~③巻より抜粋し、引用させて頂きました。