お久しぶりです!編集Nです。今回の研究に取り上げるのは……この作品!!
MAGCOMI読者には釈迦に説法かもしれませんが……「この作品を読んだことない」というような方もいらっしゃるかもしれないので、まずはNの独断と偏見による簡単なあらすじを説明します。
※一部作品のネタバレを含んでいますので、ご注意ください。
『妹は猫』とは!?
ねこ可愛がりたい妹、登場! とある事情で猫人一家に引き取られた、人間の猫太くん。そこには、とっても可愛い「ネコ」な女の子がおりまして…。お兄ちゃん大好きな義理の妹・ねねこちゃんとの、ラブリーキュートでアットホームなキャットフル・ライフ♪
あなたは、妹と聞くと何を連想されるでしょうか。
ある方は天真爛漫で可愛らしい児童を、
ある方はギャルのような女子高生を、
またある方はリアルな自分の妹のことを連想したりするでしょう。
そんな妹についてですが、
現代では「妹萌え」という言葉まで生まれ、ギャルゲーやライトノベルなどに頻出するまでに市民権を得たジャンルとなっています。
本作『妹は猫』も、可愛らしい妹を愛でるという意味では「妹萌え」というジャンルにも該当する作品です。
母親に先立たれ、天涯孤独の身になった主人公・猫太くんは、とある家庭に養子に迎えられます。
その家庭には年下の女の子がいた為、猫太くんにとっては義理の妹ができるのですが――
その妹は猫の姿をしていました( ;゚Д゚)
なんと、この世界は「猫人」と呼ばれる猫が存在し、人間と共存(?)していたのです!
猫人も普通の人間のように会社に勤めて働き、家庭を持って社会生活を営んでいる。
そんな猫好きにはたまらない世界において、猫太くんは義理の妹であるねねこちゃんにとても懐かれることになります。
例えば、お兄ちゃんに抱きしめられると思わずゴロゴロと喉を鳴らすほど喜んだり――
大好きなお兄ちゃんのために絵を描いてあげたり――
ホラー映画を観たら、恐怖でお兄ちゃんと離れられなくなるくらいには懐かれています('ω')
こうして、猫太くんが大好きな義理の妹・ねねこちゃんとの心温まるキャットフル・ライフが始まる――という物語なのですが。
ここで、私の「気になったことは徹底的に調べないと気が済まない」という性分が鎌首をもたげました。
それは――
ズバリ! 作中に登場する『猫人』についてです。
猫と人間が合わさったようなスタイルの猫人。
人語を解し、二足歩行で歩け、人間と同じような
喜怒哀楽の感情を発露することは作中の描写からわかるのですが――
具体的に、それ以外にはどのような特徴があるのか?
と考えたとき、私の頭には次から次へと疑問が湧き出てきました。
すなわち、
彼らは猫の特徴をどれくらい持っているのだろうか?
人の特徴と競合する箇所はどちらが優先されているのか?
寿命は猫のものなのか、人のものなのか?
そもそも彼らは猫が人化した生物なのか? 人が猫化した生物なのだろうか?
etc.……
一度そう思ってしまえば、最早それは呪縛のように私の心を蝕んでいく。(妄想)
ということで、前置きが長くなりましたが―――
第23回マグコミ漫画研究部!~MAGCOMI作品のどうでもいいことを真面目に考察してみた~の議題は、こちらになります!!
『妹は猫』に登場する種族である猫人について研究してみた
まずは、彼らが猫と人、どちらの特徴を持っているのかについて調べてみました。
猫と人を比較すると違うポイントはいくつかありますが、代表的なものといえば舌や味覚の違いではないでしょうか。
まず、猫は「猫舌」という言葉もある通り、熱いものが非常に苦手といわれています。
ですが、人間は熱いモノに対してそこそこ耐性があり、ラーメンや鍋料理などが好きな人も多いです。
そこで、作中の「猫人」はどうなっているのか調べてみたところ…
1巻にこのような描写がありました。
ホットミルクを飲もうとするねねこちゃんが、その熱さに思わず舌を出す場面です。
これを額面通り受け取るなら、猫特有の「猫舌」がそのまま猫人にもあると言えなくもないのですが……
幼いこともあり、単にねねこちゃん個人がミルクを熱く感じただけという可能性もあります\(^o^)/
それを証明するかの如く、7話でねねこちゃんのパパは
ラテアートが施されたカフェオレ(?)を注文しており――
おまけ漫画でねねこちゃんのママも、温かそうなコーヒーとともにドーナツを食べていることから、
直接的な描写はないにせよ、現時点で猫人は猫舌であると断じることはできません。
とすると、その他の猫の特徴からも比較・検討していくべきでしょう。
例えば、猫は「舌に多数の鉤状突起があってザラザラしている」という特徴もあります。
これは正式名称を糸状乳頭といい、糸状に尖った突起がゆるくカーブをして舌に備わっている為、ザラザラした触感に感じるようです。
舌への突起は人間にもありますが、人間のものは丸いつぶつぶのような形をしている為、猫のようにザラザラした触感にはならないのだとか。
では、なぜ猫の舌の突起は尖っているのかというと、2つの理由があるそうです。
1つ目は、猫は顎の力が他の動物に比べて強くない為、肉や骨を噛み砕く・食いちぎるということが不得手だと言われています。故に、このザラザラの舌を使って骨に付いた肉をこそげ取るような活用をするのです!
そして2つ目は、舌で毛づくろい(グルーミング)をする際、尖っていた方が毛の汚れやにおいを舐め落とすブラシとしての活用ができるから……ということのようです。
つまりこの舌のザラザラは、猫の生態にも関わってくるわかりやすい特徴といえるでしょう。
果たして、この特徴が猫人に反映されているのかどうか――?
そんな思いから作中を調べてみると、こんな描写がありました。
猫太くんを起こすため、牙を見せ「噛みつくぞ」アピールをするねねこちゃん。
大口を開けている為、わかりやすく舌も見えますが、そこには鉤状の突起は見えません。
最初はこれも幼い猫だからか? とも思いましたが、時折挿入される猫人の舌を見ても突起がないので、これは猫人全体の特徴なのかも。
つまり、猫人は猫の舌については特徴を反映していない(人間の舌と同じ)と言っても良さそうです。
ただ、単にアングル的に見えてないだけという可能性もあるので、この論を補足する描写も見つけてきました。
猫の味覚の特徴の一つに、「甘いものを認識できない」というものがあります。
猫は、遺伝子的に甘味を感知する舌の受容体が機能していないと言われている為、甘いモノを食べても「甘い」と感じることができないのです。
甘党にとっては拷問ともいうべき特徴ですが――
下記のような作中の描写を見ると、ねねこちゃんたちは充分「甘いモノ」を美味しいと感じているように思えます。
これらもやはり、「猫人=人間の特徴を持つ」説の補強になりそうです。
ということで、改めてそう結論付けようとしていたところ――
この説を覆すような特徴を見つけてしまいました\(^o^)/
それは、猫の跳躍(ジャンプ)力についてです。
猫と人間を比較したとき、明らかに猫の方が上回っているといえるのが瞬発力や跳躍力です。
猫は、一瞬でおよそ体高の5倍程度(約1.5m程度)のところまでジャンプすることができると言われています。
猫を飼っている方は、飼い猫がぴょんっと高いところに飛びあがる場面などを見たこともあるのではないでしょうか。
これは人間に換算するなら、170cmの成人男性なら850cm(約8.5m)まで飛び上がれることになります。
まさかそんな…と考えていたところ、それを示すかのような描写を見つけてしまいました。
ある日、寒い冬に外から帰ると、冷たい水で手を洗った猫太くん。
そのまま、じゃれてくるねねこちゃんに触ろうとしたところ――
その突然の冷たさに、反射的に体長の数倍以上の跳躍を見せたねねこちゃん。
これは人間には真似できない、まぎれもない猫の特徴といっていいでしょう!
そう考えると、猫人は一概に人間の特徴だけを持っているとは言い難くもなります。
猫ならではの特徴もきちんと受け継ぎ、人間の特徴も上手く取り入れている……。
いわば、猫人は猫と人のいいとこどり、ハイブリッドともいうべき存在なのかもしれません。
そこで、更に違ったアプローチから考えてみることにしました。
それは、猫と人間の寿命の差についてです。
一般的に、猫の平均寿命はおよそ12~18年ほど、人の平均寿命は70~80歳ほどと言われています。
年数にするならおよそ4倍ほどの開きが生まれていますが、これは猫と人との体感時間や成長速度に差があるということを表しています。
具体的には、これくらい差があると言われているのだとか。
※換算年齢はあくまでも目安であり、種類や飼育状況・生活環境や個体などによって違いがあります。
生後1ヵ月で既に人間の1年に値するほどの速度で成長していき、半年後には10年近くもの差が生まれる。
ちなみに、ギネスブックによると猫の最長寿記録は38歳(年)と言われています。アメリカのテキサス州で暮らした「クリームパフ」という名の猫で、人間に換算するとなんと約170歳にも匹敵するそうです!
これだけ寿命や体感速度に差があるのであれば、「猫人」がどちらに分類されるかでその特徴もハッキリわかるはず。
そう思い、何か寿命がわかるようなものはないかと調べてみたところ…
18話にて、とても興味深い描写がありました。
それは、ズバリねねこちゃんの祖父母登場回です!
18話で、ねねこちゃんの母方の祖父母の家に帰省(?)するというエピソードが挿入されるのですが――
祖父母がいるということは、当然、年相応の歳月が経っているということでもあります。
後は、この歳月が猫年齢換算なのか、人間年齢換算なのかさえわかればハッキリするはず――!!
そう思い、この話を隅々まで読み込んでみたところ――
祖父であるコタロウさんが、自らの過去に思いを馳せるシーンを見つけました。
じいじの幼少期は、「猫人」ではなく四足歩行の猫の姿をしている……だと……!?( ゚д゚)
この描写から推測できることといえば、ただ一つ。
結論。
『妹は猫』に登場する猫人は、最初から猫人なのではなく幼少期は四足歩行の猫の姿であり、そこから徐々に人間の特徴をも身に着けて二足歩行になっているのではないだろうか。
この研究結果を是非お尋ねしてみたいと考えたNは、担当編集者であるJさんに聞いてみることにしました。
かくかくしかじかとそういう訳で、上記結論をマグコミ研究部公式見解として出しました!いかがでしょうか!
なるほど。でも、この結論は一概にそうとは言えないんじゃない?
というと?
だって、猫だけじゃなく人間も赤ちゃんの頃は四足歩行だし…。
!!…た、たしかに…!!( ゜Д゜)
……………………………………………………。
……………………………。
…………。
と、いうことで最後に目から鱗…いえ、目から猫毛が落ちるかのようなコメントを
頂きましたが――…
はたしてこの研究結果が合っているのか…!?
もしかすると今後、本編で明かされるかもしれませんのでご期待ください!
そして、もしまだ『妹は猫』を読んだことのない方!!
これを機に、読んでみてはいかがでしょうか。
下記にて第1話が無料で読めますので、少しでも興味を抱かれましたら是非お読みください!
以後もこのような形で、私Nが独断と偏見で選んだMAGCOMI連載作品の気になった点を考察・研究していこうと思います! 次回もお楽しみに!
©senco 2022/MAG Garden
※本ブログへ記載した画像は、『妹は猫』1~2巻,21話~29話より抜粋し、引用させて頂きました。