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『超世界転生エグゾドライブ -激闘!異世界全日本大会編-』第1巻発売記念特集!!

『超世界転生エグゾドライブ -激闘!異世界全日本大会編-』コミックス第1巻発売を記念して、原作者である珪素先生に特別インタビューを敢行しました!!
エグゾドライブがどのようにして生まれたのか、お気に入りのキャラクター、コミックス第1巻の見どころに加えて、原作ファン必見の情報も…!?
ここでしか読めないスペシャルロングインタビューを是非お楽しみください!!

INTERVIEW
エグゾドライブはこうして生まれた!原作者・珪素が語る誕生秘話!

―まず、本作はどのような発想から生まれたのか、うかがってもよろしいでしょうか?

珪素今、異世界モノが沢山あると思うんですけど、それはもう既に全部異世界モノで括れるものではなくなってると思います。異世界モノのブームが始まった頃には大体テンプレとなっているお話はあったと思うんですけど、今はそれに何かキャッチーなものを足してやっていくというのが主流になっているはずです。で、自分がそういうのを書こうと考えたときに思い付いたのが、「ホビーバトル」だったんですね。ホビーバトルなら大体、皆子供の頃に一度くらいは触れたことがあるでしょうし、面白いかなと思いまして。まぁ、悪ふざけ的な発想ではあるんですけど。それで題材を「異世界転生」「ホビーバトル」にして、どんな話になるかを突き詰めた結果、エグゾドライブが生まれました。

―ホビーバトルといえば『遊☆戯☆王』が有名ですね。

珪素そうですね。『遊☆戯☆王』(集英社刊の少年漫画。高橋和希著)自体については、私はそこまで触れているわけではないのですが、本作のドライブリンカーも腕に装着できるアイテムという点で『遊☆戯☆王』のデュエルディスクをイメージした部分はあります。とはいえ、エグゾドライブは、どちらかといえば『ワールドトリガー』(集英社刊の少年漫画。葦原大介著)に近いかもしれません。共通の規格のスロットがあって、それで戦術を立てるみたいな。

―なるほど。エグゾドライブは第1話でシトがタツヤのチートメモリを読み当てたように、単純なバトルというわけではなく、戦いに至るまでの準備までがバトルに組み込まれていますよね。

珪素なんというか、頭を使って戦うのに憧れがあるんですよ。

担当編集まぁ、珪素先生自体が策略家ですもんね。主人公のシトくんみたいな。

珪素自分ではあまりそうは思いませんけど…(笑)

―シトは相手のチートメモリを予測して事前に揺さぶりをかけたり、とにかく用意周到なタイプですよね。

珪素そうですね。まぁ、言ってしまえばエグゾドライブは勝負の結果から逆算して「どこらへんまで読めているのか」を決めているんですけどね。それがご都合主義に見えないようにできていればいいな、とは思います。

担当編集ちなみに、エグゾドライブはどれくらいの期間をかけて構想されたんですか?

珪素エグゾドライブはだいぶ、見切り発車です。構想してから書いたというよりは、書いていくうちに閃いたという感じですね。第1話を書いたときはぜんぜんオチとか決めていませんでしたし。

―えー!そうなんですか!?

珪素そうなんです。例えば、黒木田レイなんかも最初は大葉ルドウと一緒に「こういうヤツいるだろう」って考えて出していただけなんです。でも、書きながら考えていくうちに「このキャラをヒロインにしたら面白そうだな」と思ってヒロインに据えました。エグゾドライブは週刊連載みたいな発想でできています(笑)

担当編集全部キャラとか決めて、逆算して組み立てたのかと思ったんですけど…そうじゃなかったんですね。

珪素ええ。これは私も実際にカクヨムに投稿し始めてからわかったんですけど、勢いで書いていくと当然ツッコミどころが積み重なっていくんですよ。で、そういう自分が書いてきたツッコミどころに対して「自分ならどういう説明をつけるか」みたいなことをやっていくと――これはまさしく後付設定サプライズなんですけども、それを覆すことができるということに気付いたんです。たぶん、スピード更新している人たちはけっこうやっているんじゃないですかね?

 後付設定サプライズ 
自分自身の設定を変更し、スキルランクをそのままに任意の類似スキルを再習得するチートスキル。一度の転生ドライブで一度しか起動できない単発発動型。詳しくはコミックス第1巻を読んでね!

担当編集その過程で整合性が取れなくなったりはしないんですか?

珪素なので、最初の何話かを書いたところで方向性を定めていきました。例えば、全日本大会の予選が終わって、ニャルゾウィグジイィと戦うあたりで大体の話の落としどころが決まった感じですね。逆にそこまでは、もう勢いで書いていって、ツッコミどころがあっても後で回収しようって感じで書いていましたね。

担当編集あ、ニャルゾウィグジイィというのは、今後シトくんが戦う予定のキャラですね(読者への補足)

―バトルの勝敗とかもその場で決めていたんですか?

珪素「このメモリとこのメモリを組み合わせて――どこの局面で、このメモリで逆転して…」みたいなゲームの勝敗については、大体頭の中で作って、その流れに沿って書いていったような形ですね。

担当編集なるほど…はじめて知りました(笑)

珪素私も普段別にそんなこと言ったりはしないので(笑)書き始めのところがライブ感で、その後が決め打ちって感じですね。その二つをうまく使い分けていってできたのがエグゾドライブです。

主人公・純岡シトの父親は今どこに…!

―そういえば先ほど、ニャルゾウィグジイィのところで話の落としどころが固まったとお話されていましたけど、最初にシトがタツヤと戦う時点で、シトの父親が「世界解放オーバードライブ」のチートメモリだけを残して失踪した――とシトが言っていましたよね。あの段階では、その設定については考えていなかったんですか?

珪素そうなんですよ。

―へー!

珪素ホビーアニメで「父が何かの理由で失踪している」っていう設定がいかにもありそうだったので、それを主人公の設定につけただけです(笑)
世界解放オーバードライブ」のチートメモリについては、終盤に「あ、そういえばこんなのあったな」と思い出して……。

―(爆笑)

珪素いや、あの本当に…「世界解放オーバードライブ」は途中まで存在を忘れていたので(笑)それで、何とか終盤で回収したという……。

担当編集すごい回収力ですね。……え、でも結局、異世界全日本大会編ではシトくんのお父さんは出てきませんよね?

珪素はい。

担当編集いつかお父さんも出てくるんですか?

珪素うーん、どうでしょう。父親が異世界に転生して帰ってこないっていうのがホビー漫画っぽくもあり、絶妙に情けない感じが出ているというか…(笑)

担当編集なるほど、そこも真面目っぽいけどギャグなんですね(笑)

珪素ただ、やっぱり何年も帰ってこないというのは異常な事態ではあります。

担当編集え、それはもう異世界で死んじゃってるということですか?

珪素いや、異世界で死んだとしても現実世界に帰還するだけなので、死んではいないですね。ただ、転生しているとしたら長すぎるというだけで。どちらにしても異常な事態がシトのお父さんには起こっているということになります。

担当編集それは「観測」すらもできなくなったということですか?

珪素そうですね。シトのお父さんは人知れず転生してしまったんです。観測はエグゾドライブの筐体の方に付いている機能なんですけど、公式大会のディスプレイ付きのもので転生するなど以外のシチュエーションで転生してしまうと、観測ができないんですよ。だから、もしかしたら相手がいるかもしれないですけど…。シトのお父さんはソロプレイというか、草野球と言うか…草異世界転生みたいな感じでやっている、みたいな。

担当編集お父さん…今何をしているんだろう…。っていうか、草異世界転生ってヤバいですね(笑)

お気に入りのキャラクターは●●だ!

―ちなみに、珪素先生のお気に入りのキャラクターは誰でしょうか?

珪素あ~~~……やっぱり…大葉ルドウですかね。ルドウはけっこう肩入れしているので、読者からも「やっぱりな」と思われるかもしれません。

担当編集あ~!なんかわかります。読者からも人気ですもんね?ルドウ。

珪素こういう、なんかいかにも負けそうなキャラを負けっぱなしにしたくないというか。そういうところのクセがエグゾドライブにも出てますね。

―俗に言う「噛ませ犬」ってやつですよね。

珪素はい。噛ませ犬っぽいんですけど、実はあの造形で頭が良かったり、すごい切り札になったりとかもします。あと、公式戦じゃないですけど、ルドウはシトに勝った数少ないキャラでもありますね。

担当編集ルドウはシトに対抗できる数少ないインテリヤンキーですもんね。

珪素そうですね(笑)

―ちなみに各キャラクターにモデルはいるんですか?

珪素いや…うぅ~~~~~~ん、いない…んじゃないでしょうか。無意識にモデルにしているとかはあるかもしれませんが。タツヤはホビーアニメにいかにもいそうな主人公、対称的にシトはホビーアニメにいかにもいそうなライバルですが、そういうのは流用させてもらっているかもしれませんね。

―普通のホビーアニメの観点から見ると、シトよりタツヤの方が明らかに主人公っぽいですよね。

珪素剣タツヤを主人公にすると、ホビーアニメ要素がパロディに寄り過ぎるんじゃないかという懸念があったんです。単にホビーアニメの主人公っぽいやつがホビーアニメやってるだけ的な。だから、シトを主人公にした方が、自分のモチベーションが続くはずだと思ったんですよね。

担当編集未だにタツヤくんが主人公だと思っている読者の方もいますよね(笑)

珪素そうですね(笑)けっこう、しつこくシトを我らが主人公って言ってるんですけど…。

担当編集そう!漫画でも割と押し出しているつもりではあるんですけど…(笑)まぁ、タツヤくんが主人公だと思われててもいいんですけどね。主人公の器ですし。タツヤのスピンオフも読んでみたいですね。

―ちなみに、先ほどルドウがお好きとお話されていましたが、漫画版のデザインを見て好きになったキャラはいますか?

珪素ん~~エル会長かな。

担当編集あ~~~エルか。まだ読者は見てないというか、どこにも出してないキャラですね(笑)

珪素あと、ドクター日下部も好きですね。

担当編集あ~~~ドクター日下部も漫画では未登場のキャラですね(笑)チョイスが新規読者に優しくない!

―それはイメージ通りだった、ということでしょうか?

珪素そうですね。エル会長はイメージに近かったかもしれませんが、ドクター日下部は思った以上にいいデザインが上がってきたので、そういう意味で好きになりましたね。まぁ、だいぶ先の話になるので、詳しくはネタバレになっちゃうんですけど(笑)

―それではネタバレを避けるという意味でも、読者には今後この2人が登場するのを楽しみにしてもらいましょう(笑)

担当編集そうですね。そしてなるべくあの…1巻の内容に触れたお話をしましょう。新規読者の方を置いて行ってるので!(笑)えーと、じゃあ1巻に出てくるキャラの中で珪素先生が一番好きなキャラは誰ですか?

珪素えー…ジャイボルですね。

担当編集1巻にはルドウも出てきていますが、ルドウを押さえてのジャイボルなんですね。まぁ、私も塵殺じんさつのジャイボルは好きです(笑)

珪素ジャイボルとムンデルクはやっぱり、貴重な名前付きのモヒカンなので…(笑)ムンデルクの傍に控えているやつもいいですよね。筋肉ムキムキのやつと、嫌みそうなやつと。

担当編集はいはいはい、金剛力士像みたいなやつがいましたね。

珪素あれ、いいですよね(笑)双子の金剛力士像みたいな二人組が両脇にいるの。やっぱりあれもzunta先生センスいいなと思ったり…(笑)

担当編集エグゾドライブは気合の入ったモブが魅力ですからね。

―モブもそうですし…出てくるクリーチャーとかもすごいですよね。あのタツヤが討伐したドラゴンとかも。

珪素そうなんですよ。本当にもう…すごいなーと思って。もう、こういう作品なので仕方ないのですが…暗黒死滅大陸に出てくるどんどん死んでいく奴、ああいう、とても名状し難いようなやつを次々イラスト化してもらって、ありがたいです。あれもたぶん大変ご負担をかけたというか…。

担当編集あの大陸のキャラって、概念系のキャラが多いですよね。

珪素そうですね。なんかやっぱりすごい強いキャラにしていくと、どんどん概念系になっていくんですよね。だから、もうそういうギャグなんです、エグゾドライブは。そんなやつもぶん殴れるんだぜ、みたいな(笑)

コミックス第1巻の見どころはここだ!

―それでは、コミックス第1巻の見どころを語っていただいてもよろしいでしょうか?

珪素えっと、そうだな…1話2話が想像以上に要素が多いんですよね、エグゾドライブって。あれだけ纏まった1話2話にするというのは、私がこれまで読んできた漫画の中でも中々なかったんじゃないかなと思いますし、zunta先生本当に凄いなと思いました。1話2話の何が好きかって、チンピラがどんどん出てきて、いきいきした表情を見せてくれているところですね。チンピラの表情がイキイキしている姿は小説では出せないところなので、そういうところは小説に絵がついた魅力を感じてほしいなと思っています。

担当編集さっきも言いましたけど、エグゾドライブはやたらモブキャラが多いですよね。

珪素そうなんですよ!異世界ごとに使い捨てのキャラデザも出てきますし、デザイン的には負担かもしれないんですけど…そこらへんを見ていただければなと。

担当編集一瞬で退場するキャラがふんだんに登場します(笑)

―ちなみに、2話で登場した奴隷が回している謎の棒は漫画のオリジナルなんですよね?

珪素あぁ、それはですね…実はノベル版の方にも逆輸入しています(笑)アナメイアの過去編を書いた方がいいかな?と思っていたら、結果的に書くことになりましたね。

担当編集あぁ、そうでしたね。漫画では、ヒロイン格のアナメイアちゃんについて、もう少し掘り下げた方がいいという話をしたような気がします。

珪素原作のアナメイアは、いきなり現在の時間軸で「なんか過去に助けられたらしい」くらいの感じでしたからね。でも、具体的に助けるシーンを描いた方がいいというので、漫画版のあの謎の棒を回すシーンが生まれました。

担当編集プロットを読んだときも笑いましたが、zunta先生のネームで棒を回している絵が出てきたとき、めっちゃ笑いましたよね(笑)

珪素そうですね(笑)

担当編集Twitterでも「原作にない棒が生えた!」って言われてましたね。そういえば、アナメイアちゃんは、なんで奴隷になっちゃったんですか?

珪素わからないですけど……なんか油断して捕まっちゃったんでしょうね(笑)一応、彼女が元々いたのは滅んだ王国なので、王国が滅んだ後に野盗に捕まって、あの拷問をされてたんでしょうね。

担当編集アナメイアちゃんは、あの棒をどれくらいの間、回していたんですか?

珪素あんまり長く回すのも可哀想なので、1年くらいじゃないでしょうか(笑)いや、1年でも辛いですね(笑)

担当編集ムキムキになりそうですね…(笑)そういえば、ノベル版にもオリジナルのシーンを入れてたりするんですか?

※カクヨムに掲載している本作に加筆修正をした上で、2020年9月17日に「電撃の新文芸」(KADOKAWA)レーベルより発売される予定の小説。

珪素ノベル版ではおまけページに、ルドウ戦が終わったあたりで皆が買い物に行くみたいな掌編を入れていますね。あの世界におけるエグゾドライブがどういう位置づけなのかとか、どこでどういう風にチートメモリを買うのかとか、この時代に何が流行っているのかとか…そういうのが出てくる予定です。

担当編集そういえば、チートメモリってどこで売ってるのかというのを訊ねたことがある気がします。その辺がエピソードになっているということですね?

珪素そうですね。それをエピソード形式で説明するという話ですね。

担当編集あ、すみません、ノベル版に脱線しちゃって(ノベル版の見どころもちゃんと紹介しておきましたよ、電撃さん!)。

―ちなみにチートメモリっていくらくらいで買えるものなんでしょうか?

珪素300円くらいですね。子供のおもちゃなので、子供のお小遣いで買えるくらいの値段です。

―へぇー!

担当編集意外に安いんですよ。バグってますよね、あの世界。

ここからは『超世界転生エグゾドライブ -激闘!異世界全日本大会編-』の結末や、マニアック過ぎることに触れていますので、原作を未読の方はご注意ください!

珪素VS純岡シト!もしシトと戦うなら?

―もし珪素先生がシトと戦うとしたら、どのようなオープンスロットとシークレットスロットでデッキを構成しますか?

珪素んー、シトと戦う、か……。シトは無敵ですからね。無敵というのはなぜかというと、いつも相手がどういう戦略をするのかを私が決めてから、シトがそれを破る方法を決めるからです(笑)

―なるほど。メタ的な理由ですね(笑)

珪素極論を言えば、何を使ってもメタ的に勝てるとは思えないんですけど、やっぱり自分自身では戦いたくないので、「英雄育成トップブリーダー」を使うかもしれないですね。あと、なんだろうな?

 英雄育成トップブリーダー 
対象となる人物を教育・育成し、その人物が持つスキルをハイパー系に等しい効率で成長させるチートスキル。対象範囲が狭く、育成の手間はかかるものの、現地の異世界人すら転生者を凌駕するレベルにまで強化することも可能である。

担当編集運命拒絶セーブ&リセット」とか「後付設定サプライズ」が鉄板なのかな、と思いました。

珪素それらはけっこう使いにくい部類のメモリなんですよ。「後付設定サプライズ」もスロットを一つ消費するので、実はリスキーなんですよね。私はプレイング次第でアドバンテージを失いかねないやつより、常に発動していて必ずリターンがある方が好きです。なので、「英雄育成トップブリーダー」と「超絶知識ハイパーナレッジ」と「政治革命ポリティカルR」かな? あと、もう一つ、シークレットに何を入れるか…ですね。

 運命拒絶セーブ&リセット 
発動することで、セーブを行った任意の時点にまで世界全体の時間を遡行させる。転生者(ドライバー)の記憶はリセットされず、発動のたびに遡行時間の長さに比例した大量のIPを消費する。

 超絶知識ハイパーナレッジ 
主に知的能力に関するスキルの成長倍率を大幅に上昇し、知的能力に関するスキルの成長上限がなくなる。単純かつ強力なチートメモリ。

 政治革命ポリティカルR 
世界全体の社会構造に働きかけ、望む形の政治形態を実現する。革命の過程を補助するのではなく、あくまで革命で到達する完成形を保障するチートメモリ。

―レギュレーションによってもまた変わってきそうですね。

珪素そうだと思います。

担当編集もう、なんかチートメモリの選び方が珪素先生っぽいなと思いました。自分で戦うんじゃなくて、こう…裏で操って戦う系のやつばかりで…(笑)

(一同爆笑)

珪素そうですね。あ、今決めたんですけど、シークレットは「正体秘匿アンノウン」にします。本人はどこにいるかわからないんですけど、強いヤツを育てて戦わせる、的な…(笑)

 正体秘匿アンノウン 】自身の正体を完全に隠蔽し、対戦相手からも看破不能の架空の身分を纏う。スキル表示も偽装可能だが実際に使えるようになるわけではなく、既に存在する者を装うこともできない。

―あ~…いいですね。黒幕ムーブですね?(笑)

珪素絶対、ストーリーでは負けるようなタイプですね(笑)

現実世界で一つだけチートメモリを使えるなら何を使う?

―逆に、現実世界で一つだけチートメモリを使用できるなら何を選びますか?

珪素えー! 大体のモノは現実世界が滅茶苦茶になっちゃうので、あんまり使いたくはないんですけど…。それなら普通に「不朽不滅エバーグリーンですね。不老不死になるやつです。単純に不老不死はいいものだなと思っているので。

 不朽不滅 エバーグリーン
あらゆるご都合主義によって、死亡や退場、致命的な負傷を回避する、不老不死に近い存在になるチートメモリ。対戦相手の直接攻撃ダイレクトアタック術をこれだけで完封可能だが、それ以外の戦術に対してはほぼ無意味。

担当編集たしかに、自分が不老不死になるだけなら、現実世界に与える影響は少ないですもんね。

―でも…不老不死って、最初はいいけど後悔する、みたいな話がよくありますよね。

珪素そういう話もよく聞きますけど、不老不死になってからなら、そういう問題に対してもいくらでも考える時間があるんじゃないかなと思って(笑)

担当編集なるほど。

―ちなみに作中で珪素先生が一番お好きなチートメモリはありますか?

珪素あー、なんでしょうね…?……「絶対探知フラグサーチ」か「針小棒大バタフライ」のどちらかですね。「絶対探知フラグサーチ」は基本的なチートメモリで、みんな使ってるんですよ。「本当に強いからこそ、みんなに使われてる」っていうのが好きですね。だからこれは、作中でも意図的に「チート」メモリとして描写してます。

 絶対探知 フラグサーチ
限定的な未来予知によって、世界各地のイベント発生条件を察知する。ただし、イベントの結末までを察知することはできない。多くの戦略に噛み合い、目立った弱点も少ない優秀なチートメモリ。

 針小棒大 バタフライ
自分より格上の者が功績を成し遂げた時、それが自分の功績であると周囲に思い込ませ、その者が得られるはずだったIPを全て強奪するチートメモリ。

担当編集非公式公認解説コラムでも指摘されていましたけど、異世界モノによくある「都合の良いイベントを引き当てる」という現象自体が既にチートですもんね。現実世界では運命破壊フラグクラッシャーな私も、このチートメモリは好きです。

あまりにもマニアックすぎるエグゾドライブあれこれ

―じゃあ、ちょっとここからはマニアックというか、少し専門的な質問をさせていただければと思うんですが……

担当編集え、今までも大体マニアックでしたよ!?

―まぁ確かに(笑)えーと、私がふと気になったのは、最初に轢殺トラックに轢殺されるシーンなんですが、あれは痛覚とかは全部遮断されているんですか?

珪素そうですね。轢くたびに痛いと、誰も遊ばないので(笑)

担当編集というか、あれは衝撃のときの運動エネルギーをそのまま転生のエネルギーに変えているんですよね。

珪素そうですそうです。肉体が潰れたりすらしていないんですね。だから、転生者をトラックで轢くと、転生者は消滅するのにトラックはちょっと減速するんですよ。運動エネルギーが吸収されているからです。そういう設定はありますね。

担当編集いや、初手からマニアックすぎる回答…(ドン引き)

―ちなみに、サキの父親がタツヤを轢殺していましたけど、ドライバーはプレイヤーが指名できるんでしょうか?

珪素できますね。だから、「どのトラックで轢かれたいか」ということは決めることができます(笑)

担当編集どのトラックで轢かれたいか…(ドン引き)

―パワーワードですね(笑)

珪素ちなみにシトたち中学生が大会で轢かれているトラックは2tトラックなんですよね。しかし、シトの父親は5tトラックに轢かれます……シニアのレギュレーションはトラックがデカくなるんですよ(笑)

担当編集へぇ~…それは何か意味があるんですか?

珪素いや、意味はないです。

―(爆笑)

珪素そういうのを小ネタで入れてると面白いかな、と思って…(笑)

―たしかに、小ネタはエグゾドライブのところどころにありますね。例えば、エルのスキルで「料理D」になっていたと思うんですけど…これはメシマズということでしょうか?

珪素いや、ご飯がまずいということはスキルは「0」なので、Dでもそこそこ美味いんですよ。「ちょっと美味しいかな」くらいの料理ができます。だから…たぶん、私とエルの料理レベルは同じくらいかと(笑)

―えっ…珪素先生Dですか!?(笑)

珪素いや、もうわかんないですけど(笑)でも、あの世界では上は際限なくSSSとかになるので、私の料理スキルがDでもいいのかなと。

担当編集え、料理スキルSSSとかになるとどうなるんですか?

珪素ミスター味っ子みたいになります。
言語を絶する味なので、食べさせただけで全てを支配できてしまいます。

―ジャンプ漫画で例に挙げるなら、『トリコ』の「GOD」みたいな…。

【トリコ】
週刊少年ジャンプで連載されていたグルメバトル漫画。島袋光年著。

【GOD】
漫画「トリコ」に登場する、この世の食材の全ての頂点と言われている幻の食材。

珪素そうですそうです!すごいスピリチュアルな世界で全てを悟っていくというか、なんかもう、料理を食べるだけで戦争は止まり、病気は治るみたいな。

担当編集なるほど。じゃあ、そういう感じで、珪素先生の料理スキルはDなんですね?

珪素そう、だから「料理はけっこう普通なんだ」みたいな感じです。

担当編集それはもう「普通」じゃ!(千鳥ノブ)

物語の核心に迫る!? エグゾドライブ裏話!

―余談なんですけど、異世界で結婚して子供を作ったりすることもありうるんですか?

珪素ああ~!ありえ…る…かもしれません…ね。いや、ないというほうが原理的にいいかもしれません。決めてはないんですけども。あまりそういうところは…あの、倫理的にヤバイというか…(笑)だから、子供はできないと言うことにしておきましょうか。

担当編集異世界で子供を作っちゃったら、お別れが辛いですもんね。

珪素そういうのもありますね。だから基本的に、どんな家系に生まれても転生者はそれで最後の代になっちゃいますよね。それも可哀想ですけど…。

担当編集最終的に転生完了ドライブオーバーになって、異世界から現実世界に帰ってくるじゃないですか。その後も異世界の住人たちは転生者やその功績については覚えているんですよね?

珪素覚えてますね。終盤になってくると、その辺りのアフターフォローとかもIPに加算されていくので、自分が消えた後のことを考えている方が勝ちやすいです。

担当編集細かいなぁ(笑)

―ちなみにIPの獲得量が一番多いのは、レギュレーション「単純暴力」でいえば、ラスボスを倒したときなんですか?

珪素そうです。だから例えば、対戦相手が脱落していて、自分が今IPで負けている、けれどもラスボスを倒せば逆転できるかもしれない、でもやっぱり逆転できなくて負ける、みたいな…そういう展開もありうるんです。ラスボスの討伐がIP獲得の最後の機会でもあります。

―だとすると、普通のゲームでよくある、ラスボスの手前でレベル上げしまくったり、道草を食って万全を期して倒したりというのは、エグゾドライブでもあるということですね。

珪素そうですね。慎重なプレイヤーはそうすると思います。ただ、相手が生存していて、自分がラスボスを倒す前に相手が倒してしまうかもしれない。けれども、自分もラスボスを倒して逆転できるとは限らないみたいなギリギリな状況は結構あると思います。そういうところも見せ場の一つになるかもしれないですね。

―ちなみにエグゾドライブは、1対1が基本で、3対3とか、バトルロイヤル的なレギュレーションも…?

珪素ありますあります。実際、小説とか漫画で描写されている範囲では1対1なだけで、この世界ではいろんな大会が行われている、という設定です。

山田ニャルゾウィグジイィ

―ちなみに、やっぱりニャルゾウィグジイィとかあの二人は名前からして異質ですけど…やっぱりクトゥルフとかをモデルにされたんでしょうか?

珪素ええ、名前を略したときにクトゥルフっぽい、絶対この世界にはいない名前のキャラにしているという感じです。エルも略してるだけで、実はすごい変な名前なんじゃないかと。

―なるほど。

珪素基本的に、異世界に行ってもその世界の名前のまんまなんですよね。まぁ、お話的なわかりやすさを優先した結果でもあるんですけど、シトもシトだし、タツヤもタツヤのまんまです。だから、異世界の奴は異世界の名前のまんまでこっちにくるわけですよね。だから、ニャルゾウィグジイィも親がニャルゾウィグジイィって付けてるんですよ。

担当編集ヤバいですね。親のセンスを疑う…(笑)

珪素すごいですよね。市役所にもあの名前を書いて提出したという…(笑)

―(一同爆笑)

珪素それがエグゾドライブなので。恐ろしい…(笑)

―そうか、でも、異世界転生をするという設定上、名前は一緒でも苗字は変わるんですよね?

珪素苗字は変わります。だからニャルゾウィグジイィも苗字があるんですよ。たぶん、「山田やまだニャルゾウィグジイィ」みたいな…(笑)

―山田!?

担当編集今決まった(笑)読者の皆さん、ニャルゾウィグジイィの苗字は山田ですよ。覚えて帰ってくださいね!そもそも、まだ本編に出てきてないけど!本当に新規読者に優しくない話だ!

―ニャルゾウィグジイィが山田か…(笑)

読者へのメッセージ

―語り始めると話は尽きないのですが…そろそろお時間もなくなってきましたので、最後に読者の方へのメッセージをいただいてもよろしいでしょうか?

珪素読者さんならエグゾドライブを読んでくれているということなので、その時点でありがとうございます、というのはいつも伝えたいと思っております。こういう、アホに見えて実は展開の意外性みたいなのを考えている作品なので、徐々にでも楽しんでいただければなと思います。もちろん、一発ギャグとして楽しんでもらっても全然結構なんですけどね。どういう入り口でも読んでいただいているだけでありがたいです…と読者さんには感謝を添えたいですね。

担当編集どんな切り口であっても、読んで楽しんでいただけたら嬉しいですね。じゃあ、私からはコミックスの告知を。コミックス第1巻は9月14日(月)に発売です。zunta先生の描いたシトくんがかっこいい表紙なので、布教用…いや洗脳用に1人10冊くらい買ってみんなに配って自慢してくださいね!

―それでは、本日は長時間お疲れ様でした。珪素先生、ありがとうございました!

珪素ありがとうございました!

さらに!『最果てのソルテ』『戦国妖狐』の著者、水上悟志先生より応援メッセージを頂きました!!

 「カクヨム」で原作を読ませていただきました。アイデアも面白いが、それ以上にアイデアをキチンとSF的設定に落とし込んだ上、衝撃の展開に丁寧に組み込んでいるのがすごい!最初から最後までテンションがすさまじく高い!もう、全ての試合が先が読めず手に汗握るベストバウト!徹底的に論理的なのに、演出の方の熱さで納得が驚きを後押しして二倍、いや三倍燃える!一体どういう脳みそしてればこんなすごいものが描けるんだ?うらやま妬ましい!

 あの凄い展開の数々がzunta先生の良い絵でどんな風にコミカライズされていくのか、毎月楽しみにさせてもらってます!

 珪素先生は脳の血管に負荷がかかりそうな作風なので、無理しすぎないようにほどほどにがんばってださい!

『超世界転生エグゾドライブ -激闘!異世界全日本大会編-』第1話にエントリィィィ――ッ!!!

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単行本第1巻発売を記念して……
『超世界転生エグゾドライブ -激闘!異世界全日本大会編-』の
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1名様に珪素先生&zunta先生直筆サイン入りコミックス第1巻をプレゼント!!

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応募要項

応募期間

2020年8月30日(日)12:00 ~ 2020年9月22日(火)23:59

当選発表

  • TwitterのDMにて当選者に直接ご連絡いたします。(2020年10月上旬頃を予定)
  • 発送は2020年11月上旬以降を予定しておりますが、都合により前後する可能性がございます。
  • 当選のご連絡から1週間以内にご返信頂けない場合は、当選が無効となります。
  • 当選者の個人情報につきましては賞品発送に使用し、発送後は発送履歴情報として一定期間保管し、保管期間経過後に破棄いたします。

注意事項

  • プライバシーポリシーをご確認頂き、同意の上でご応募ください。
  • ご応募は日本国内にお住まいの方で、賞品のお届け先が日本国内の方に限らせて頂きます。
  • プログラムによる自動投稿や、同じ内容での繰り返しの応募などは、対象外とさせて頂きます。
  • 本企画のお問い合わせはsupport@mag-garden.co.jpまでお願いいたします。お問い合わせに対する回答には時間がかかる場合がございます。また、ご質問内容によってはお答え出来ない場合がございます。予めご了承ください。

9/14発売

超世界転生エグゾドライブ
-激闘!異世界全日本大会編- 1

原作:珪素/漫画:zunta

610円+税 B6判
ISBN : 9784800010148

カクヨム発の超人気WEB小説がコミカライズ!4つのC(チート)スキルを駆使して異世界を救う、超新感覚バトルゲーム!!!!第1巻特集 一問一答はこちら

9/17発売

超世界転生エグゾドライブ01
-激闘! 異世界全日本大会編-〈上〉

珪素/イラスト:輝竜 司/
キャラクターデザイン:zunta

1,300円+税 B6並製
ISBN : 9784049132069

ノベル版書籍は電撃の新文芸(KADOKAWA)より発売です!全編ブラッシュアップを経て、更なる盛り上がりをみせる彼らの異世界転生に要注目。また、シト達の日常を描いた異世界転生への理解が深まる書き下ろし掌編もついています!