月例マグコミマンガ大賞・結果発表 2016年8月期

2016年8月期

月例マグコミマンガ大賞 結果発表!!

新マンガ賞第8回募集、期待賞1作品公開選出!

リニューアル開催8回目となりました「月例マグコミマンガ大賞」。多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(8月31日締切分)

完成原稿部門:期待賞賞金5万円
受賞作掲載

『私があなたを好きなこと、きっとあなたは少しも知らない』

『私があなたを好きなこと、きっとあなたは少しも知らない』

久川はる(22)

あらすじ

イケメン男子に告白しようとしたなぎさが目撃したものとは…!?

作品講評

読者も最後まで知ることができない登場人物の秘密を軸に、興味をひくストーリーの構成力ができていた。全体的な作画のバランスも整っており、今回の応募作の中でも際立つものがあった。
一方で、トーンに頼りすぎた画面作りに、少し勿体無さを感じた。今後は、背景とトーンのバランスや画面での伝え方をより研究し、そのうえでキャラクターの存在感を示す作品作りを行ってほしい。
さらに壁を越えて、羽ばたいた次回作を期待したい。

受賞作品を読む

完成原稿部門:努力賞賞金1万円

『アンパサンド』

+ネーム賞1万円

『アンパサンド』

芦谷クニイチ(22)

あらすじ

物から記憶を辿る能力を持った刑事・入屋は、先輩刑事・衛馬とともに、事件現場に向かうが…。

作品講評

淡々としたコマ運びや、推理物という題材に挑戦し、しっかりとまとまりのあるストーリーを展開させたことが、今回の受賞に繋がった。
今後はドラマを生むキャラクター作りを意識し、作画レベルをさらに向上させ、作品として印象付ける強みを磨いていってほしい。

『天使な人』

『天使な人』

坂本成(19)

あらすじ

他者を思いやり、よく涙を流す男子高校生・天野。喧嘩っ早い同級生・神田は、そんな天野に苛立ちを覚えるが、一方の天野は…。

作品講評

さまざまな感情を表情豊かに、魅力的に描けていることが素晴らしかった。しかし、仕上げが疎かになっているため、ページ全体の画面クオリティが下がってしまっていたことが勿体無い。今後は、安定して丁寧な作画を持続させ、物語を描き切ることに期待したい。

『さよならの夜明け』

『さよならの夜明け』

正田しろくま(28)

あらすじ

美しい蛾を追って不思議な世界へ迷い込んだ少年。そこで出会ったのは…。

作品講評

ストーリーの構成はしっかり組まれていると感じたが、キャラクターの掘り下げは今一歩だったため、オチでの主人公の変化に釈然としないものが残った。今後は、女の子の可愛さをもっと意識し、作画を研鑽してさらに華のある魅力を描き出して欲しい。

『ツィーツァ・エレム -約束の子-』

『ツィーツァ・エレム -約束の子-』

迅深イヅル(22)

あらすじ

豊穣の儀式にその生贄に捧げられたハル。ハルは神であるトアに連れ去られ…。

作品講評

粗削りながらも、神話のような世界観とそれに没入できるストーリーがしっかりと描かれていた作品であった。今後は、持っている世界観を読者により伝えられるよう、画力やネーム構成のさらなるレベルアップを目指してほしい。

最終選考作品

『夢買いと少女』(完成原稿部門)

神月ちえ(26)

『Blood of Depth』(完成原稿部門)

両備伊織(22)

『逃走少女』(完成原稿部門)

シライレナ(21)

『二人三脚』(完成原稿部門)

ショーヘー(17)

『愛の呪い』(完成原稿部門)

丙エイジ(22)

『HARVEST!』(完成原稿部門)

吉岡ちひろ(24)

『ココロノヲト』(完成原稿部門)

道草なずな

総評

今回は「チャレンジ部門」入賞該当作品なし。

引き続き応募数が多く、期待賞1作、努力賞4作が選出される、有意義な漫画賞となった。
期待賞『私があなたを好きなこと、きっとあなたは少しも知らない』は、構成力・演出力が光る魅力的な作品であり、最後まで飽きさせずに読ませる力があった。

今回の応募作は特に、冒頭で面白さを感じさせる作品がたくさんあった。
しかし、その勢いのまま最後まで描き切れている作品は、ごくわずかであった。
慣れない間は少しずつで良いので、自分に都合の良い物語の構成ではなく「キャラクターが物語内で生きる」作品作りを目指してほしい。
今後も、幅広いオールジャンルの作品の投稿を、引き続き楽しみにしている。

9月末〆切の発表は
10月30日!