月例マグコミマンガ大賞・結果発表 2016年9月期

2016年9月期

月例マグコミマンガ大賞 結果発表!!

新マンガ賞第9回募集、奨励賞1作品公開選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。
その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(9月30日締切分)

完成原稿部門:奨励賞賞金3万円

『ポンコツ・レディオヘッド』

+受賞作特別掲載

『ポンコツ・レディオヘッド』

丹後群青

あらすじ

ジャンク屋の青年がゴミ山で拾ったラジオ少女。通信機能が一向に改善しない彼女だったが……?

作品講評

高いレベルで発揮された作画力、キャラクターの豊かな表情や振る舞い、不要なゴミの降り注ぐ最下層の世界観など、キャッチーな見どころが多く魅力的だった。惜しむらくは、その魅力的な世界観やキャラクターの関係性が狭くまとまってしまった点。特に見せ場となるシーンほど、カタルシスに繋がる組み立ての弱さが露呈してしまった印象だった。高い実力を持ちつつ、さらに伸び代が期待できるので、今回の受賞を踏み台にして強みを磨いてほしい。

受賞作品を読む

完成原稿部門:努力賞賞金1万円

『類は桃をよぶ!』

『類は桃をよぶ!』

青出海(24)

あらすじ

正体を隠して現代にやってきた桃太郎の兆太。だが天然で強引な少女・小桃につきまとわれ…。

作品講評

ポジティブに動き回るヒロイン像に親しみが持て、可愛らしい絵柄ともマッチしていた。ただお話に細かな起伏が詰め込まれ過ぎ、ストーリー全体としてはやや間延びしている点と、アクションやコマ背景は苦手としているように感じられたので、見せ場をきちんと盛り上げる意識を持ってさらなる成長を。

『お使いダンジョン』

『お使いダンジョン』

瀬戸やよい(29)

あらすじ

人類未踏の危険な遺跡を、自分の庭であるかのように気軽に歩く少女リンド。遺跡の謎に迫る研究者たちはリンドを観察するが…。

作品講評

遺跡の幻想的な光景、そして謎の少女リンドの天真爛漫な可愛さは評価に結び付いていた。一方で、トーン処理に頼り過ぎてキャラクターが背景に沈んでしまった点や、コマ割り・カメラアングルが単調になりがちな点で、メリハリが弱い印象もあった。アイディアやキャラクター造形を軸にしつつ、作画・構成面での伸びを期待したい。

チャレンジ部門:努力賞賞金1万円

『狐と牡丹、妖人の薬売り』

『狐と牡丹、妖人の薬売り』

雑食よる

あらすじ

焼き討ちにあった、兄のコガネと妹のぼたん。さまよい、空腹で弱っているところに、ナナミという宮司が助けてくれたのだが――。

作品講評

96ページのネームを最後まで描き切ったことは素晴らしい、仕上げられていたページは確かな画力もあった。だが物語が冗長であり、少ないページ数で十分収められる内容である。今後は、読者に読ませたい部分を厳選した上で描いてきて欲しい。

最終選考作品

『コメディアンズトリップ』(完成原稿部門)

中嶌ジョミ(29)

『隣はねこのささきさん』(完成原稿部門)

道草なずな

『Trick or…』(完成原稿部門)

五十嵐透(26)

『温度差カップル』(完成原稿部門)

中川司(29)

『Blood stain』(完成原稿部門)

秋月俊貴(14)

『潔癖の春』(完成原稿部門)

ゆのはらゆの

『cullet』(完成原稿部門)

早原縹(20)

総評

引き続き応募数が多く、奨励賞1作・努力賞3作、さらにチャレンジ部門で初の受賞者が選出される、有意義な漫画賞となった。

奨励賞・特別掲載『ポンコツ・レディオヘッド』は、キャラクターを描く力が非常に長けていた作品であった。今後は、世界観を構築するためにさらに画面全体のクオリティをあげることにも注力し、さらなる飛躍に期待したい。

次回以降も、幅広いオールジャンルの作品の投稿を、引き続き楽しみにしている。

10月末〆切の発表は
11月30日!