月例マグコミマンガ大賞・結果発表 2017年2月期

2017年2月期

月例マグコミマンガ大賞 結果発表!!

第14回募集、奨励賞+特別掲載2作品、努力賞3作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(2月28日締切分)

完成原稿部門:奨励賞賞金3万円

『指先ワンダーランド』

+受賞作特別掲載

『指先ワンダーランド』

ミライレナ(21)

あらすじ

女子高生の愛川みきは、コンビニのお弁当を食べようと割り箸を割る度に少しずつ世界が変わっていくことに気づく…。

作品講評

ストーリーの奇抜な発想、またそれを形にする上で面白い画面を作ろうとする気概や演出・表現意識の高さに好感が持てる。ただ、現状はまだ演出に力を入れすぎているためか、ストーリーの整理が出来てない印象。描きたいところとそうでないところがわかりやすく、ムラっ気が目立つ。線や仕上げなどもまだ荒削りなので、今後は「丁寧に描く」ということを念頭に取り組んでほしい。

受賞作品を読む

『龍と呼ばれた少年』

+受賞作特別掲載

『龍と呼ばれた少年』

めぐりん(24)

あらすじ

東南アジア某諸国にドラゴンを探しに来たソフィア。そこで出会ったのは自身の事をドラゴンだと言う少年で――。

作品講評

背景や小物などが丁寧に描写されている点やコマの割り方、迫力のある演出を高い画力で描き切っていたのが好印象。この作品は読者の目を喜ばせる工夫が細部まで施されていた。一方でページ数に対して、物語に物足りなさを感じる。もっとキャラ同士の駆け引きをしっかりと描いて欲しい。これからの活躍に期待している。

受賞作品を読む

完成原稿部門:努力賞賞金1万円

『妖怪の運び屋』

『妖怪の運び屋』

あだちシズホ(28)

あらすじ

さえない男・久野豊は自分に自信がもてるようになるため、配達屋でアルバイトを始める。が、そこで運ぶものは何やら普通ではない様子で…。

作品講評

線や仕上げなどの表現が非常に丁寧で、ストーリーの構成がしっかりしている点も好印象。題材もシンプルながらキャッチーで、とても素直な作品。しかし、全体的に絵は固く、緩急の付け方などにもぎこちなさを感じる。既存の作品群の影響も色濃く感じるので、これまで積み上げてきたものを一度全て壊し、読者の想像の上をいく発想を描く努力を。

『光芒ノ警吏』

『光芒ノ警吏』

雑食よる

あらすじ

怪奇現象を専門に取り扱う王国警吏アレンは、周りのものを不自然に壊してしまう「呪われた子」レヴィの元を訪れるのだが…。

作品講評

作品の全体の雰囲気を丁寧な線画や演出で描かれているのが良い。主人公のキャラクター性も魅力的で、物語に引き込む力がある作品であった。しかし、説明的なストーリーが惜しい。もっとキャラを活かした、読者の心に響く濃厚なドラマ作品を作っていって欲しい。

『Raphael』

『Raphael』

なくもがな(23)

あらすじ

魔法を使い高額な治療料を請求する医者・カラスに弟子として拾われた少年・アザレアの手には、医者と同じく異端の刻印があって…?

作品講評

キャラや話は悪くないものの、絵や演出で伝えていく力がまだまだ弱い。たとえば、出だしでのツカミで受け手が違う読み方をしてしまうところや、見せ場での演出不足など、内容がよかっただけに残念。描画面では背景力の叩き上げ、演出面ではカメラワークや構図など課題は多いが、反面光るものがあると感じられた。

最終選考作品

『ヤト』(完成原稿部門)

ミカンの皮(26)

『魔法使いのくに』(完成原稿部門)

三崎 咲(22)

総評

奨励賞+特別掲載2作、努力賞3作が選出された今回の漫画賞。結果以上に期待値の高い作品が揃ったよう感じる、良い回となった。

奨励賞+特別掲載の2作品。『指先ワンダーランド』は画面の賑やかさが楽しく、華があった。『龍と呼ばれた少年』は描き込みの緻密さが臨場感を引き立てていた。

ただ、これは努力賞の3作品にも言えることだが、良い部分と同じくらい荒削りな部分も分かりやすかった。認められた魅力を大切にしつつも更なる地力の向上を目指して、担当編集者と共に引き続き作品作りに取り組んでほしい。

今後も可能性に溢れた、幅広いジャンルの作品の投稿を楽しみにしている。

3月末〆切の発表は
2017年4月30日!