月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2021年11月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2021年11月期結果発表

第9回募集、入選1作品・努力賞2作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(11月25日締切分)

完成原稿部門:入選 賞金30万円 受賞作掲載 + 読切1作分掲載権獲得

『ラピスラズリのまなざし』

『ラピスラズリのまなざし』

蘭丸

STORY

冴えない画家の青年に舞い込んだ肖像画の依頼。不思議な令嬢が明かすのは、視線に照らされて始まった物語――。

選評

人物の出会いは印象的に描かれていたが、その続きが語られておらず消化不良ではある。ただ、それを補って余りある作画、演出、構成の巧みさに心を掴まれた。なにより作品を通じて、作家が持つ「可能性」を強く感じさせたことで入選受賞と相成った。ぜひ今後は、創作上のキャラクターが紡ぎ出す実在感あるドラマや濃密な感情で、より多くの読者を魅了してほしい。作画についても良い画面を作れているが、タッチは活かしつつ描線を柔らかくしたり、背景を演出に取り込んだり、戦略的に見せ場を挟んでいく選択肢も増やしてみては。

受賞作品を読む

月刊コミックガーデン2022年2月号に掲載!

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『気まぐれスナイパー』

『気まぐれスナイパー』

紗々倉十二

STORY

気まぐれなスナイパーの放った一発の弾丸が、青年バンドマンのギターに風穴を開けた。壊れたギターを前に音楽を辞めたいと願った自分に気が付いた青年は、穴を通して理解したくないしがらみと向き合っていく――。

選評

主人公の抱えた暗い情念や、彼をそうさせる周囲の環境・交友関係の陰鬱さのリアルな質感が評価された。一方でその感情の深さが主人公の中だけで完結してしまっていたのは残念。痛々しい、と思わせるだけでなく、読者さえも痛みを感じる程に表現できればより記憶に残る作品となるだろう。更に画力を向上させて、描かれた強い感情に見合う画面を見せて欲しい。まだまだ伸びしろはあるので、自分の強みを見失わず努力を重ねよう。

『魔法とシナリオ』

『魔法とシナリオ』

紗々倉十二

STORY

魔法学校に通う少女アニスとディラは、文化祭で催される舞台発表への参加を計画する。何気ない会話にヒントを見つけて二人が選んだのは魔法演出を活かした朗読劇。特技も性格も正反対な二人が描く煌めきの時間が今、始まる。

選評

明るく楽しい世界観に生きるキャラクターが活き活きと描かれており、主役二人の掛け合いや情景から感じ取れる青春の匂いが評価された。しかし、「朗読劇をする」という目標に向かって物語を一直線に進め過ぎた結果、主役二人を掘り下げたドラマ自体は薄味になってしまったように感じられる。セリフが多すぎて目が滑る箇所など、情報の取捨選択をして読者を世界の一員に引き込めるようなドラマを作ってほしい。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『破壊神と始める世界の創造譚』兎杜 ちあ
  • 『アギオスの花』丸電ヱリ

12月25日〆切の発表は
2022年2月5日!