月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2022年4月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2022年4月期結果発表

第14回募集、入選1作品・佳作1作品・期待賞2作品・奨励賞2作品・努力賞2作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(4月25日締切分)

完成原稿部門:入選 賞金30万円 受賞作掲載 + 読切1作分掲載権獲得

『大見解』

『大見解』

行山 晶

STORY

冥界に空前の死人ブームが到来。死人を裁く閻魔長の一人・青葉丸が「革命児」と呼ばれる所以とは一体?

選評

「地獄行きを決める審判」という重みのある題材を、バラエティ番組の要素を取り入れるなどして、しっかりとエンタメに落とし込み完成度の高い作品作りができていた本作。演出面、デザイン面で尖ったオリジナリティを発揮しながら、厚みのあるドラマを描けていた点にも高い評価が集まった。一方で、線の粗さや審判ルールの設定の曖昧さなど少し雑に感じられる部分も見られる。それは読者目線を意識しきれていない事が原因と考えられるだろう。粗を持ち味として見せるかは作家次第だが、より多くの読者に作品を届ける意識は持ち続けて欲しい。

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月刊コミックガーデン2022年7月号に掲載!

完成原稿部門:佳作 賞金10万円 受賞作掲載

『MYSTY DAWN』

『MYSTY DAWN』

雪永カズマ

STORY

負の感情から生まれるエンドミストは、怪物を生み出し人々を苦しめた。それを浄化する、少女・シロネは戦いのさなか痛手を被り気絶してしまい、何者かに助けられるが――。

選評

丁寧な仕上げと高い画力が評価を得た。特に登場人物のデザインや、目力には目を見張るものがあり、読み応えのある画面作りができていた。さらに背景や細かい装飾も最後まで手を抜かず緻密に描ききった部分も評価を得た要因といえる。ただ肝となる作品特有の世界観や設定の説明、演出が効果的に働いておらず「どういった世界なのか」を読み手に深く理解させるには今一歩情報が足りなかった。次回は肝となる要素や人物の掘り下げを行い、シンプルなお話作りに挑戦してほしい。

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完成原稿部門:期待賞 賞金5万円 受賞作掲載

『校庭的コンクェスト』

『校庭的コンクェスト』

秋月俊基

STORY

UFO、UMA、ゴーストetc.な超常現象が多発する、有名なオカルト高校“私立超常高校”!そこに転校してきた少女、明暗胡桃には悩みがあって…。爽快迫力超常バトル――!!

選評

思い切りのよい迫力ある画面作りが良かった。コマ割りに勢いがあり爽快感があるが、まだまだ読みにくい。物語の勢いだけでなく、読みやすさにも配慮できるとさらに好評を得るだろう。また本作は面白みのある題材だが、読み切りとして扱うにはスケールが大きい印象。情報過多が原因で読み手は情報・設定を読み取ることに終始してしまい、物語の本軸を楽しむにはハードルが高い。次回は読み切りに適した題材と、中心となるテーマをより明確に掘り下げた作品に期待。

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『コトリ』

『コトリ』

はぢや

STORY

新人賞の受賞を目指す小説家志望の文治郎。そんな彼の前に、言葉を食べる妖精「コトリ」のすずが表れて…?

選評

安定した画力による丁寧な画面作りと、「コトリ」という存在の発想力が評価された本作。読みやすい内容ではあったが、本題以外のシーンが多く全体的に冗長となっていた。コンパクトにまとめることで、見せたい部分をより目立たせてみてほしい。また、ヒロイン側の物語が薄く物足りないように感じた。なにかしらの成長やテーマの解決を与えることで、よりカタルシスが得られる展開にしていけるだろう。作画の丁寧さを活かしつつ、よりコンパクトに盛り上がりが演出された次回作を期待。

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完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

『生徒会長は、たぶん猫』

『生徒会長は、たぶん猫』

色鳥こぼし

STORY

私の通う学園には、人間に扮した(?)猫の生徒会長がいる――。 春うらら、ポピーの花が咲き乱れる季節に送るハートフルコメディ!

選評

「猫が人間に擬態している」という題材をあるあるネタも交えて描いた本作。 テンポよくすらすらと読める構成は素晴らしく、可愛らしい絵柄も相まって とても完成度の高いハートフルな出来になっている。 ただし、主人公以外に生徒会長が猫と疑われていないなど、舞台設定は少しご都合主義の感は否めないので 今までの良さを残しつつ、ストーリーの細部まで磨き上げた作品を創り上げてみてほしい。 次回作に期待。

『御付きさま』

『御付きさま』

風々

STORY

中国を旅した画商のテオは、『秋山図』という奇妙な絵画に出会った。その美しさから人々を魅了した謎多き『秋山図』の真相とは――。

選評

まだ粗削りではあるが、個性がひかる作画や雰囲気など、オリジナリティあふれる画面作りに評価が集まった本作。特に独特な絵柄や緻密な背景が好印象であった。しかし作画面においては画面の見づらさを感じたため、丁寧で読みやすい画面作りを意識して欲しい。また前作に比べてエンタメとしてのストーリー性が向上している一方で、物語の本筋のわかりづらさを感じた。視点キャラを定めることで物語の進行が明瞭になるため、読者を意識した構成を目指して欲しい。読者によりそった個性あふれる次作に期待したい。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『パーマネント・ビューティフル』

『パーマネント・ビューティフル』

藤乃

STORY

人魚のミアはその美貌ゆえに多くの人間から愛されてきた。しかし同時に、人魚であるため人間と一緒になることも無かった。そんなある日、ミアは人間のイーサンからプロポーズをされる。驚きつつも嬉しくなったミアはイーサンと結婚するために魔女から「人間になれる薬」をもらうが……。

選評

人魚と人間の間で揺れる心を丁寧に物語としてまとめている点が評価に繋がった。一方で世界観説明や人魚の本来の生き方といった価値観に関わるものなど、全体的にバックグラウンドの描写が弱く説得力が足りない部分もある。絵に関しても、立体感が伝わりづらいので構図からよく考えてほしいのと、画面の密度も物足りなく感じるので更に研鑽を積んでもらいたい。

『おにたいじ?』

『おにたいじ?』

蓮美かい

STORY

他の人には見えない、謎の黒い物体を集めていた百目鬼百合は、ある日危ないところを養護教諭・ニノマエに助けてもらう。どうやら彼はその物体について何か知っているようで…?

選評

テンポの良さや魅力的なキャラクターに評価が集まった本作。絵柄も可愛く、キャラ同士の掛け合いやコメディのノリが好感。作中でよりキャラクターの深掘りができていたらなお良かった。その反面、必要な情報が足りておらず設定や状況が理解しにくい場面が散見された。寄りのコマが多く、読みづらくなってしまっていたのも難点。メリハリをつけ、状況把握のしやすい画面作りを心掛けてほしい。長所は引き続き伸ばしつつ、次作はより没入感のある作品を期待している。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『順光と逆光』阪口寛治
  • 『屋上の幽霊』未莱
  • 『名もなき魔女よ…』パンダネコ

連載ネーム部門

  • 『転生した三毛猫は王子と玉座の夢を見る』まぁな

5月25日〆切の発表は
2022年7月5日!