漫画家を目指している皆様、連載経験のある作家さんが作品作りで大切にしていること知りたくないですか?
そんな声にお応えして本連載では、過去コミックガーデンに掲載されたインタビュー「教えて先生!!」を紹介いたします。
第2回の先生は松本規之先生です!
(月刊コミックガーデン2019年1月号掲載)
作家紹介
松本規之先生
代表作『南鎌倉高校女子自転車部』!
コミックス全11巻は絶賛発売中です!
それでは一問一答での“執筆の秘訣”、スタート!!
Q.ペン入れの時に大事にしていることはありますか?
下描きをクリンナップしてただ上からなぞるのでなく、絵を一から完成させる、描くと思って丁寧に、手癖でなく一筆ごとに意味を持って描くことですね。特にペン入れの時に気をつけるのはキャラクターの表情です。そこだけいつも最後までいじるので、レイヤーは分けておいて何回か描き直したりします。
Q.キャラクター作りで意識している点はありますか?
造形で言えばシルエットだけで判るように、そしてココさえ押さえておけばそのキャラクターに見えるという特徴づけでしょうか。『南鎌倉高校女子自転車部』でいえば、ひろみはリボン、巴はメガネとロングの髪、冬音はツインテール、夏海はショートカットと日に焼けた肌、サンディは金髪グラマラスという感じに。中身はこういう性格のキャラ達なら話が勝手に転がり始めるだろうという期待をして設定します。
Q.ストーリー作りで重要視している部分はありますか?
基本は取材ですね。現地に行って、走って、その時のキャラクター達はどう思うのか、こうするだろうかとイメージしてそれを実際のストーリーに活かすようにしてます。また漫画は嘘=フィクションではありますが、その漫画を描く時に「ついていい嘘」の幅を決めないとSF?魔法?自転車じゃなくても成立するよね?となってしまうため気をつけています。
Q.ネームの際に心掛けていることはありますか?
オーソドックスに、今どこに居るのか、何をしているのか、この先どうなっていくのか?ということを見やすく分かりやすくするというところを心掛けています。作品全体としては、音楽でいうと歌。イントロがよく、リズムよくサビもよく、終わりに余韻があるように。
Q.ずばり、作品作りで一番大切にしているのは何ですか?
人が潜在的に見たいと思っているものを見つけて、ストーリーとして見せてあげることです。そしてその世界に入って一緒に楽しんでもらい、読み終わった時に気持ちがちょっとでも豊かになってもらえれば幸いですね。
Q.独自の練習方法、役に立った練習方法があれば教えてください。
本番=練習みたいなものだと思っていて、その数だけ上達すると思っています。また、知らないものは思い浮かばないし描けないので、座っていてもドンドン知識が入ってくるようにラジオやYouTubeを流したりてして、色々な情報を得られるようにしていたりします。SNSで色々な人と繋がることで、常にアンテナやセンスも更新するよう意識しています。
Q.漫画に限らず、志望者の方に是非見てほしい作品はありますか?
70年代辺りの作品には名作が数多くあり、王道な展開やアイデアの宝庫で、現代にも受け継がれている基本形が詰まっているので読んでおくといいでしょう。今はkindleなどで過去の名作を手軽に読めたりするので便利ですね。個人的に池野恋先生の『ときめきトゥナイト』や(有名ですが)手塚治虫先生の『ブラック・ジャック』は好きでおすすめです。あと自分という物語を楽しくしましょう。それが、まず見るべき、作り上げるべき作品です。
Q.最後に、志望者の方々へ向けて一言アドバイスをお願いします。
今はアジアの他国など国外にも漫画の市場があり、SNSなどネットで発表して多くの人に見てもらうなど選択肢が多々ある時代です。作品をドンドン出して反応を受けるなどして、色々な人と繋がりましょう。漫画はコミュニケーションツールなのです。
ご回答、ありがとうございました!
作品紹介
『南鎌倉高校女子自転車部』はMAGCOMIにて第1話常時無料公開中!
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月例マッグガーデンマンガ大賞
1ページマンガ賞 箱庭
次回(6月20日更新)は唐々煙先生です!お楽しみに!