月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2022年6月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2022年6月期結果発表

第16回募集、佳作1作品・奨励賞3作品・努力賞2作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(6月25日締切分)

完成原稿部門:佳作 賞金10万円 受賞作掲載

『諸国漫遊絵巻~付きモノ破りの三人衆~』

『諸国漫遊絵巻~付きモノ破りの三人衆~』

友山アキ

STORY

旅芸人である、ヤマブキ・スオウ・アサギの3人組は、街で話題になったことで、領主の屋敷へ招かれた。だが、街では屋敷へ行った旅人の消息が途絶えるという悪い噂が。果たして3人の運命は――!?

選評

読みやすいネームと高い画力に評価が集まった。メインの3人をバランスよく扱い、各個性を活かした見せ場も良くできている。反面、ネタの根幹である付喪神の面白さが後半まで明かされず、序盤が冗長になっていた。読者を後半まで飽きさせないよう、序盤からキャラの特性や特徴を活かしたエピソードやシーンを考えてみて欲しい。また、地力の感じる筆致は好印象だが、白っぽさが目立つ。トーンやかけ網など、仕上げをもう一段階ブラッシュアップを。

受賞作品を読む

月刊コミックガーデン2022年9月号に掲載!

完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

『おばあちゃんは魔女』

『おばあちゃんは魔女』

小野ふみか

STORY

自分自身に呪いをかけた魔女がいた。その魔女は主人公の祖母であり昔、運命の人が現れるまで歳をとらないという呪いを自身にかけたのであったーー…。

選評

12ページと短編ながら抑揚があり、見せ場も印象に残った。作画もトーンや陰の線などしっかりと描き込まれ画面が仕上がっており好印象。特に、女性の描写は達者であった。一方で、キャラ紹介が冗長に感じた。本編を進行しながらキャラの魅力を読者に伝えるスキルを磨いて欲しい。また、肝心の運命の人である男性キャラの描写が女性キャラに比べ見劣りしており勿体ない印象を受ける。画面も綺麗に仕上がっているが立体感が弱いので今後の課題としてほしい。より研鑽を積んだ次作に期待する。

『あんたっちゃぶるGirl』

『あんたっちゃぶるGirl』

夏輝一生

STORY

好きな相手と両想いになりたい高校生・天野清貴は、 願いを叶えてくれる精霊に想いを告白し――!?

選評

とても高い画力で女の子たちを魅力的に描けているが、物語としてはやや間延びしており、途中でヒロインが交代したかのような印象を受けてしまった。思春期のもどかしい恋心の表現や、扇情的な描写はとても上手く、ヒロインのキャラクターや、その可愛らしさも充分に描けていると思うので、後は情報や演出面での取捨選択、物語として一本筋を通ったようなオチを用意できると更に完成度が高くなるように思う。

『旦那様の拾いモノ』

『旦那様の拾いモノ』

ミケヤナギ

STORY

いつも捨て猫を拾ってきてしまう旦那様に、もう飼えないと叱るメイド。しかし、捨て猫を見捨てられないという旦那様のセリフを聞き、メイドはいつかの記憶が蘇り…。

選評

猫を見捨てられない旦那様とそんな旦那様に振り回されるメイドの掛け合いが描かれた本作。短いページ数でしっかり話が完結しており、かつ線画や仕上げのクオリティが高く、細部までしっかりと描かれていた点が高評価に繋がった。反面、背景や人物の見せ方のバリエーションが少ないため、引き出しを増やせると尚良いだろう。また選者の中には、ページ数が少ないゆえにキャラクターが見えづらいという声もあった。次はキャラクターの魅力を最大限に活かした長編作品に期待したい。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『人間発達』

『人間発達』

巻ノ目ポンタ

STORY

母の無理心中に巻き込まれるも母を殺し生き延びた陽介。養父に引き取られた彼は、1冊の小説と出会い自分の中の罪悪感と向き合う事になる…。

選評

重量のある題材を扱いながらも、しっかりとお話を纏め上げる事が出来ていた本作。引用を差し込むタイミングや見せ方も丁寧で、作者の設定したテーマを描き切ろうとする強い意志を感じられた。ただ、ドラマに関してはクライマックスまで主人公が自分自身と淡々と向き合う展開が続き、いまひとつ盛り上がりに欠ける印象がある。テーマを描き切る事は大切だが、作品を読んでもらえなければ宝の持ち腐れになってしまうので、次作ではより読者を退屈させない工夫やドラマ作りを期待したい。

『Energy drink』

『Energy drink』

ミケヤナギ

STORY

小説を書き上げるため、無理をする旦那様を心配するメイド。あれこれと世話を焼かれる中で、旦那様は何かを気づかされ…。

選評

丁寧な仕上げと高い画力から高評価を得た作品。背景・キャラクターともに細分まで書き込まれており画面つくりに関しては非常に高水準であった。しかしストーリー面に関しては、ドラマ性が薄くボリュームも少なかったため物足りない印象を受けた。メイドが旦那様に仕えるまでの経緯など、キャラクターの関係性がわかる話をより見てみたかった。登場キャラクターそれぞれをより立たせて、ストーリーの中で動かしていこうと工夫できると自然とボリュームも増やしていくことができるだろう。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『信号木』むこうびあおい

7月25日〆切の発表は
2022年9月5日!