月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2022年7月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2022年7月期結果発表

第17回募集、佳作1作品・奨励賞2作品・努力賞2作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(7月25日締切分)

完成原稿部門:佳作 賞金10万円 受賞作掲載

『手紡ぐ果(てつむぐ はて)』

『手紡ぐ果(てつむぐ はて)

勇魚聡

STORY

安政7年・江戸。物語が好きな少女・千代は、ある日お寺で不思議な幽霊の「姫」に出会う…。

選評

作画やストーリーが丁寧にまとまっており、すっきりとした読後感が得られた点に評価が集まった本作。登場キャラクターそれぞれの表情も上手く描き分けられており、物語に華を添えていた。しかし、良くも悪くも最後まで流れるように読めてしまい、作品の中での山場や読者の感情に訴えかけてくるシーンが少なかった。より個性的な発想による展開ができるようになると、クライマックスに向けてより感動を演出できるようになるだろう。作中に出てくる要素をより活かして、持ち味である作品の丁寧さにアクセントを加えていってもらいたい。

受賞作品を読む

月刊コミックガーデン2022年10月号に掲載!

完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

『妖縁成 雪姫(ようえんなる ゆきひめ)』

『妖縁成 雪姫(ようえんなる ゆきひめ)

櫻葉 峯

STORY

祠に願い事をしていた刻次の目の前に、突如現れた艶やかな妖・煙。彼女の操る術はあらゆるものを魅了するが、どうやら刻次にだけは効かないようで――?

選評

独特な雰囲気のある絵柄で、世界観や女性の妖艶さを魅力的に表現していた本作。人物の表情や背景など、全体的に画面が丁寧に仕上げられており、好印象だった。一方で、色気のある描写や戦闘シーンには物足りなさを感じる。また、物語の肝となる情報の開示が遅く、後半にいくにつれ話のまとまりがなくなっていくのが気になった。作品をつくる際、話の設計図となるプロットを今一度しっかり意識して見直してみてほしい。次作は、より完成度の高い作品を期待している。

『霾(つちふる)』

『霾(つちふる)

夢之 なか

STORY

「貴方が真に望むものをご用意します」。縁覚と猫の紅が営むのは、雑貨から妖異の品までなんでも揃っている万屋。さて、本日のお客様は――…。

選評

人間の業の深さを、独自の絵のタッチと世界観で上手く表現できていた本作。背景や小物がしっかり描き込まれているため、物語の世界観に没入することができた。演出が上手く、表情からキャラクターの感情が伝わってくる点も好印象。一方で、設定や世界観の説明がされず、読み手に対し少々不親切な印象も受けた。また、主人公の存在意義が弱く、今作で彼の見せ場であったバトルシーンの必要性には疑問が残る。取り扱うテーマに必要な要素の取捨選択を行い、より読者に寄り添った次回作を期待する。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『その音が重なる時』

『その音が重なる時』

星奈みる

STORY

「音色」という音の力を使う「奏」として代々魔獣と戦ってきた水瀬家。その現当主の麗歌とその妹・希望はある日、とてつもない強さの上位魔獣と遭遇し…。

選評

魅せコマでのキャラクターの顔の作画が非常によく描けていた点が高評価を得た本作。しかしキャラクターの全身やモンスター・背景の作画はまだまだ粗削りな印象。特にアクションシーンにおいての迫力が足りていないため、類似作品から構図や背景の使い方などを研究してみてほしい。また、設定をいまいち活かしきれていないように感じたため、情報開示のタイミングや作品内の要素の量などを工夫して、よりコンパクトに見せられるように意識してもらいたい。

『夢オチなんて最低!』

『夢オチなんて最低!』

紗倉 めぐり

STORY

「あと少しで世界は滅亡する」。そんな日にまでバイトに来てしまう主人公。彼女が思い出していたのは、嫌いなところだらけだった高校生時代に出会った、同級生のしのはらさんのことだった。

選評

挑戦的なタイトルではあったが、内容の構成が非常によくできており、タイトルが否定される二段構えのオチまでの流れも印象的だった。しかし選者の中には、二人の関係性を活かしたエピソードがもう少し欲しかったという意見も見受けられた。また全体的な画面構成の作り方など未熟な点もまだ多い。所々良い表情は描けているので、今後は背景描写も含めて画力をつけるべく頑張ってほしい。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『わたしレシピ』白秋
  • 『Ethica』茶道屋 余恵
  • 『森のクマ吉』鷲尾 夕季乃

8月25日〆切の発表は
2022年10月5日!