月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2023年10月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2023年10月期結果発表

第32回募集、佳作2作品・奨励賞1作品・努力賞1作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(10月25日締切分)

完成原稿部門:佳作 賞金10万円 受賞作掲載

『妖縁成-大狗-』

『妖縁成-大狗-』

櫻葉 峯

STORY

村人を喰い殺していると噂の妖に、村一番の美女を要求され、差し出された楓子。しかしその妖が要求したかったのは、楓子ではないらしく…。

選評

気高く美しい主人公や妖同士のバトル描写が、美麗な作画によって描かれていた本作。登場人物のキャラクター性や必要な情報を上手く会話で補完しつつ、中だるみさせることなく、テンポよい物語構成になっており好印象。一方、主要キャラクターが強者として描かれていたため、主人公達が苦戦を強いられることなく、終始敵を圧倒してしまっていた。結果、今回の話の目標である「悪しき妖の討伐」が淡々と描かれているように見えてしまったのが難点。物語のテンポを保ちつつ、より起伏のある展開を期待する。

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月刊コミックガーデン2024年1月号に掲載!

『憂き世のものたち』

『憂き世のものたち』

園見 喝

STORY

「憂き世」と呼ばれる、様々な種族が生きる異界で 生活するキリエは、猫カフェの店員として働いている。 ある日、窓の外にコワモテの人を見かけて…?

選評

高い画力で、独自の世界観をしっかりと表現していた点に評価が集まった。特に登場人物…ケモノたちの作画には強い愛を感じ、作品の雰囲気を見事に作り上げている。背景や小物も緻密に描かれていて、画面全体に見応えがあり素晴らしかった。一方で物語の面では、興味深い要素は散見されるものの、続き前提の作りなのか特にそれを活かした描写や展開がないので、応募作品単体としては読後に疑問が残ってしまった点が惜しい。しっかりと読み手を意識して、必要な要素を取捨選択しながら物語を練り上げていけると良いだろう。

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完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

『Emily's Clothes for Tomorrow』

『Emily's Clothes for Tomorrow』

ミケヤナギ

STORY

お嬢様の服選びを手伝わされる家庭教師。いつも同じ服でお洒落が分からない彼女だったが、帽子のデザインが気になるお嬢様のために何かしてあげられないかと思い…。

選評

丁寧な作画で女の子を可愛く描けており素晴らしい。また、服のデザインも華やかで細部まで綺麗に書き込まれている点から作者の服飾へのこだわりが感じられた。しかしストーリー面に関しては、キャラクターの関係性の良さが伝わる前に物語が終わっていたので物足りない印象を受けた。人物の行動や感情に説得力を持たせられるように、必要な描写を肉付けしていけると読者が満足感を得られる作品に出来るだろう。次は読者が期待する展開を魅せられているかを意識してみてほしい。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『Maids and sugar flowers』

『Maids and sugar flowers』

ミケヤナギ

STORY

仕事が忙しく、自分の誕生日を忘れている旦那様。彼からの頼みでフェアリーケーキを作ることになったメイドは、誕生日を祝うためシュガークラフトに挑戦するが…。

選評

仕上げや作画のクオリティの高さから高評価を集めた本作。一方で内容面においては、成長のきっかけとなるトラウマを自力で乗り越えてしまっているので、主人公が頑張ったということ以上の感動が得づらくなってしまっていた。登場人物の関係性を読者に分かりやすく明示したうえで、その関係性を作品の中で発展させていけると、厚みのある展開を描いていくことが出来るだろう。自信の強みである作画を活かして、より感動できる読み応えのある作品に期待したい。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『反転生』眞田
  • 『足元のぬくもり』内垣コウ
  • 『Secrets of the maids』ミケヤナギ
  • 『森守の少女と不死身の青年』

11月25日〆切の発表は
2024年1月5日!