月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2024年1月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2024年1月期結果発表

第35回募集、奨励賞2作品・努力賞3作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(1月25日締切分)

完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

『W.V.D.V ヴォルフガング・ヴァン・デ・ヴェルデ』

『W.V.D.V ヴォルフガング・ヴァン・デ・ヴェルデ』

島秋喇嘛

STORY

大人気漫画家が変死体で発見された――。捜査に乗り出したのは新米警官の佐利伴。容疑者は2名、そして現場に乱入した謎のギャング・ヴォルフガングのみ。果たしてその真相とは――?

選評

読者をワクワクさせる雰囲気の上手さと、主人公・ヴォルフガングの強烈なキャラクター性が審査員に刺さり受賞へとつながった本作。一方、ミステリー作品のジャンルではあるものの、ストーリー展開と連載前提の話のためか畳み方にやや強引なところがあったため、そこがネックとなった審査員が多かった。また、キャラクターや作画についても粗削りになってしまっているのも勿体ない。ポテンシャルは非常に感じるため、改善点を直せれば大きく成長できるだろう。

『生贄の惑星漂流記』

『生贄の惑星漂流記』

武藤シンカ

STORY

核戦争によって環境が破壊された近未来。人口抑制の間引き手段「生贄制度」に選出され、広大な宇宙を一人彷徨っていた有働ヒラタは、地球にそっくりな惑星に不時着し…⁉

選評

表情が素晴らしく、キャラクターに応じて喜怒哀楽の感情がイキイキと描けている。また、ドラマもきちんと作れており、見せ場シーンの演出や最後の爽快感のあるラストはお見事だが、舞台設定や世界観の作り込みが甘く、読者が物語に没入する足枷になっているようにも見受けられた。熱のある描写力は素晴らしいので、そのあたりの作り込みをしっかりすると更に成長できるはず。次回作に期待。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『フタサケ村のヤギ郵便』

『フタサケ村のヤギ郵便』

碧韋 世界

STORY

崖の上下に分かれた村同士の物流をつなぐヤギ郵便。配達にはじめて出ることになったヤギのアクは高いところが苦手だが、無事に荷物を届けられるのか――。

選評

崖の上下をつなぐヤギ郵便が存在する世界というアイデアが独創的だった本作。ヤギのアクが主人のために健気に頑張り、苦手を克服する姿にも好感が持てた。一方で、独創的なアイデアを読者に受け入れてもらうための説得力が薄く見えたのはもったいなかった。郵便を人間や他の動物ではなく、ヤギが担当しなくてはならなかった事情が伝わると、読者が設定を受け入れやすくなり、物語への没入感が増すはず。設定の伝え方を意識した次作に期待する。

『幼なじみが金持ち過ぎる』

『幼なじみが金持ち過ぎる』

遊佐いつか

STORY

主人公・西園寺ゆうりは、幼馴染の藤原旭陽に告白したい。しかし、旭陽が大金持ちすぎるせいで、庶民的な恋愛ができなくて…?

選評

「幼馴染が大金持ちすぎて普通の恋愛ができない」というキャッチーな企画性と、作画に合った丁寧で可愛らしい絵柄が、審査員にも好印象だった。しかし、今作ではその企画性が活かし切れていなかった。大金持ちという設定を活かしたネタが、読者の想像範囲から超えられていなかったためインパクトが弱く、結果的にコメディとして笑いが小規模に収まってしまったのがネックとなった。次作では企画性に沿って、かつ振り切ったネタで勝負してほしい。

『バブミー!馬部見沢さん』

『バブミー!馬部見沢さん』

三波冬和

STORY

美人で人望が厚い風紀委員長・場部見沢さん。自他共に厳しい彼女を目の敵にしている問題児・突張は、場部見沢さんの「バブ化」を目撃してしまい――?

選評

ヒロインがバブ化するという突飛な設定を上手く生かし、キャラクターを魅力的に描いた点が好評を得た本作。二人の掛け合いも面白く、ラブコメとして楽しく読めた。ただ、作画の粗さが少々目立ってしまった印象。細部まで丁寧に描くことを心掛けてみよう。また、ストーリーを作り込もうとする姿勢は良いが、今回のようにキャラクター性が企画の強みになる場合では少々冗長に感じてしまう。どこが作品の一番の魅力かを見定め、そこが押し出されるように見せ方を工夫してみてほしい。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『リアライ』宗十郎
  • 『おおかみとひつじ』狗丸クロ

2月25日〆切の発表は
2024年4月5日!