お知らせ

月例マッグガーデンマンガ大賞・結果発表 2024年7月期

月例マッグガーデンマンガ大賞

2024年7月期結果発表

第41回募集、佳作1作品・奨励賞6作品・努力賞2作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(7月25日締切分)

完成原稿部門:佳作 賞金10万円 受賞作掲載

『酒カス先輩の恋猫』

『酒カス先輩の恋猫』

七𣷓ちる

STORY

少年と猫を交通事故から庇ったことで死んでしまった青年、真幸。だが、死んだはずなのに気がつくと体が猫になってしまっていた上、片思いだった未緒先輩と暮らすことになり──!?

選評

ヒロインが可愛いという作画のアドバンテージを最大に生かした本作。少年~青年向けの先輩のセクシーなお色気描写でしっかりと冒頭から心を掴んでからの、しっとりとした両片思いの関係を後半で描き読み応えもある点は見事。若干後半駆け足になってしまった点がもったいなく、また、綺麗な作画の分、小さいコマでも崩れてしまうと悪目立ちしてしまう点があるため、細部の仕上げが課題になっていくだろう。

受賞作品を読む

月刊コミックガーデン2024年10月号に掲載!

完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

『バリスタ 初夏の切り抜き』

+編集部特別賞1万円

『バリスタ 初夏の切り抜き』

浅間シキ

STORY

カフェで働くリッキーは、通行人の男から事実無根な言いがかりをつけられてしまい…?

選評

読み手を引き込む雰囲気のある作画が評価を集めた本作。特に冒頭の仕事風景は説得力が高い描写で自分がその場にいるかのような没入感があり、期待を膨らませた。画面構成については終始称賛された一方で、お話づくりの面では改善点が多い。今作では人以外のキャラクターも多様に登場するが、物語の進行の中で理由や必然性は語られず残念だった。また本作は物語の主軸や目標を読み手へ提示しないまま話が進むため、ラストへ向けた期待の着地点が見えない部分は改善が必要。次作では話のハイライトを明確に定めて、絵作り以外の見どころでも魅了してほしい。

『水虬』

+編集部特別賞1万円

『水虬』

シキセヒロ

STORY

水竜・ミツチは村を守るために存在する。そんな義務感に駆られる彼に手を差し伸べるのは、ミツチを唯一「友」と呼ぶ村人・シュウで――…。

選評

背景や竜の鱗など、細かい部分まで丁寧に描き込まれていたのが好印象。画力が高く、キャラクターの些細な感情変化も表情でしっかりと表現できていた。一方でストーリー面では、キャラクターの内面を深掘る描写が全体的に足りておらず、主要人物たちの友情に気持ちが乗り切らなかった点が惜しかった。結果的に感動的な部分があっさりとしてしまった印象。表現したいドラマ部分をより盛り上げるために、どのようなシーンの積み立てが必要なのかを意識してみよう。よりステップアップした次作を期待する。

『サメと英雄』

『サメと英雄』

たつび

STORY

鮫を狩った者が英雄になる部族の英雄にして、数多くの鮫を狩ってきた英雄・アマニはある日、意思疎通ができる鮫と出会い…!?

選評

細かな装飾や人物・鮫ともに作画面はとても上手に描けている一方、構成面やキャラはやや弱く、展開のさせ方や最後のオチ自体も予想できる範疇に収まったまま終わってしまったという印象を受けた。異なる2種の生物間の交流、和解を描くにはドラマの部分がやや物足りなく感じてしまったので、そこを補強し、上手く読者に感情移入させられるような作りにできると更なる高みを目指せるはず。次回作に期待。

『えんま庁自殺防止センター』

『えんま庁自殺防止センター』

コイノボリ

STORY

家族を亡くし、生きる希望を失った少年・知鶴の前に、どデカい金棒を持った自称メイドの女が現れて――!?

選評

メイドさんのキャラデザの魅力と、それを場面のなかで印象的に魅せ続ける演出力の高さに評価が集まった本作。主人公を甲斐甲斐しくお世話する姿と、金棒を手にした際の頼もしさのギャップも素晴らしかった。一方で、物語面では呪いの設定が後半で唐突に現れたように見えたり、主人公の悩みの解決の道筋に駆け足感があったりと、改善すべき点も多かった。前半で呪いの設定のフリをしっかりと入れておけば、後半の展開への納得感に繋がるだろう。物語面のブラッシュアップを心がけた次作に期待している。

『贖罪』

『贖罪』

沖本マカ

STORY

漫画家を夢見る女子高生・ゆみと。親友であり創作仲間である美彩の漫画が好きな彼女だが、共に過ごす楽しさは徐々に親友への嫉妬や承認欲求へと変わっていき…。

選評

親友に対する同じ創作者としての嫉妬心や承認欲求などの感情が生々しく描写されていた点は高評価。しかし、親友の創作物以外に抱く主人公の感情が薄い為、なぜ親友への承認欲求が、それ以上の感情へと結びついたのか共感させづらかった点がもったいない。恋愛感情へ転じるなら、親友の何に執着していたのかを補う感情軸の描写がほしい。読者視点からの、主人公の感情変化への共感にも繋がるだろう。次作では、キャラクター同士の関わり合いを示す描写を積み上げて、読者が共感しやすい関係性のドラマを描いてみてほしい。

『推しの背後霊になりたい』

『推しの背後霊になりたい』

はぢや

STORY

武道館ライブを夢見るアイドルの美耶。ある日、収録から帰ってくると自分のファンを名乗る霊がいて…。

選評

丁寧な仕上げと、高い作画力から描かれる可愛い女の子が高評価を集めた本作。スッキリと読めて良い話だったが、展開に山場がなく淡々と物語が進んでしまった印象を受けた。それにより、主人公の夢に対する感情が弱く感じられたので、登場人物が乗り越えるべき障害や、作品内での成長を描くことで感情に説得力を持たせてみてほしい。また、日常がそのまま描かれていて、人間と霊という設定を活かしきれていないように感じた。物語の視点を霊側にしてみるなど、その作品ならではの要素が伝わりやすくなる工夫を意識してみよう。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

『面影』

『面影』

岡田シン

STORY

紫苑は毎夏、いないはずの妹が出てくる夢を見る。ある日、夢の中の妹を名乗る少女が現実にも現れるが、どうやら彼女を知らないのは自分だけのようで…?

選評

物語終盤に向けて伏線回収までの道筋がしっかり組み立てられており、最後までストレスなく読むことができた。オチに至るまでの話の起承転結がしっかり組み立てられていた一方、キャラクター同士の関係性の変化といった心情面での積み重ねが不足していた点は惜しい。今作は紫苑の視点で妹との日常生活がベースで話が進んでいく為、一緒に過ごすうちに妹に対する印象が移り変わる過程をより詳しく描けるとよかった。次は、キャラクターの行動原理や心情面の掘り下げも意識してみてほしい。

『毒林檎とアップルパイ』

『毒林檎とアップルパイ』

西野海空

STORY

白雪姫を暗殺する為毒林檎を持ってくるよう命令された騎士・ハンバートは、毒林檎を作っている魔女・アンネに一目惚れしてしまい…

選評

魔女の細かい表情や仕草を可愛く描けていた点が評価された本作。一方で、バストアップの絵が多かったり、背景に白い箇所が目立ったりと表現の幅はまだあまり広くない様に感じる。また、ストーリー面では主人公の掘り下げが不足しており感情移入が難しくなっていたりと、作画、ストーリー共に読者目線がまだ足りていない印象があった。今以上に読み手の目線に立って、どうしたら喜んでもらえるのかを突き詰めて作品作りに挑んでいって欲しい。今後に期待。

最終選考作品

完成原稿部門

  • 『マリーとリカ』内垣 コウ
  • 『歌う宝石』夢灯影
  • 『投資妖精ファンド』スーパーたろう
  • 『寿司とアイドル』スーパーたろう
  • 『トイ・セレクト』スーパーたろう
  • 『回復ディスカッション』スーパーたろう

8月25日〆切の発表は
2024年10月5日!