2025年8月期結果発表
第54回募集、奨励賞2作品・努力賞1作品選出!
今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(8月25日締切分)
賞金3万円
+編集部特別賞2万円
『サウンドバイト』
和田 友人
STORY
通行人の話し声や街行く人の足音に不安を覚える「生活音恐怖症」の高校生・難波成吉。“音”を怖がる彼の前に、ある日突然意思を持ち言葉を話すギターケースが現れて…!?
選評
独創性あふれるアイディア、そしてその魅力を読者に十二分に届けようとする意欲高い演出が高い評価を得た。 その表れとして吸血鬼や能力を活かしたバトルなど様々な要素が登場していたが、話の軸となる設定が乱雑になっていた。そのため内容を理解しづらくなり、読者が話の方向性を見失ってしまう。 作画に関しても目を引くコマはあるが所々線が不安定になっている部分があるため、画力・構成力ともにさらなるスキルアップを期待する。
『ひとりのせかい』
畑中じゃが
STORY
幼い頃誘拐され監禁された少女は、外の世界への憧れから脱出を試みようとする。地下室に閉じ込められた少女の行く末とは――。
選評
読者の興味を引く企画性に加え、先の展開が気になるような高い構成力が光った作品。 序盤から中盤のお話運びは目を見張るものがあった一方、結末が唐突に見える。終盤までの前振りを丁寧に積み上げていただけに、読み手に疑問を残す結末に消化不良を感じてしまう。 そのためラストで物語に入り込めず没入感が薄れていた点は惜しい。次は作品全体の流れを踏まえた上で、読者が期待する結末はなにかということも意識してみてほしい。より洗練された次回作に期待する。
賞金1万円
『夜明けの月』
はるお
STORY
目の不自由さゆえに孤独な男子生徒のソラは、不思議な女子生徒ルナとの交流で、前向きな気持ちを取り戻していく。しかし学校には「ルナ」という在校生はいないと知り……。
選評
キャラクターの心情を写しとった柔和な演出が光る一作。視覚障害という周りと違う環境におかれたソラの不安や、前向きになっていく心情の変化を爽快な演出で描きだした点は評価が高い。 一方で、今回のようなテーマを扱う際に重要視されるリアリティが不足していると感じた。リアリティはキャラクターの立ち居振る舞いに直結する為、特に現代劇の場合には作品自体の魅力や説得力に大きく影響する。 作品に向き合う為、必要な下調べをしっかりする事を心がけよう。
最終選考作品
完成原稿部門
- 『強さを願った少年の物語』霜山 凍理
- 『霊想』白亜 トオル
- 『×クローバー』沖本マカ
- 『魔法運輸』柿田一目
連載ネーム部門
- 『旅へと道連れ』滝源サク