【教えて先生!!プレイバック】第47回・穂高歩先生

「マッグガーデン連載作家さんの作品作りで大切にしていることが知りたい！」

そんな声にお応えして本連載では、過去コミックガーデンに掲載されたインタビュー「教えて先生!!」を紹介いたします。

第47回の先生は穂高歩先生です！
（月刊コミックガーデン2023年9月号掲載）

作家紹介

穂高歩先生

代表作は『迷宮帝国の作り方～錬成術士はまず理想の村を開拓します～』。
コミックス全3巻、絶賛発売中です！
MAGCOMIにて【今日の10ページ】『婚活しましょう、魔王様！』を公開中。

それでは一問一答での“執筆の秘訣”、スタート!!

Q.コミカライズにあたって意識している点はありますか？
「作品世界の住人達をより漫画で魅力的に見せられるにはどうすればいいか」を考える事です。小説のコミカライズでは、私達漫画家が絵やネームと言う、小説とは別の媒体に落とし込んで、キャラクター達を読者にお届けする必要があります。なので、原作者様の作品世界を大切にしつつ、「更に漫画でよく見えるには」という部分が非常に大切になってきます。そのため、その部分で絵やネームを作る際に原作と漫画のバランスをとりつつ、人物が漫画内でより生き生きと見えるにはどうすればいいのかを常に意識して描いております。

Q. ネームの際に心掛けていることはありますか？
「その回で一番伝えたい事が一番伝わるようにネーム運びが出来ているかどうか」です。ネームの時点で一番伝えたい演出、絵作り、物語の流れ等がかなり高解像度で決まっており、かつ誰に説明しても納得して貰えるものになっていないと、絶対に面白い物にはならず、絵を入れる時も要点が分からず何となくふわふわとしたものを描く事になってしまいます。なので気を引き締めて行きたい部分です。

Q.作画の時に大事にしていることはありますか？
「そのシーンで伝えたいもの以外を極力入れないようにする事」です。自分は作画をしていると、ネームの時ではなかったシーンの要素をどんどん足したくなってきてしまう悪い癖があります。なので、本当に必要なシーンの要素のみに集中し、それ以外は出来るだけしっかりと省くように意識しています。

Q. ずばり、作品作りで一番大切にしているのは何ですか？
「読者に楽しんで頂ける作品をいかに作り続けられるか」です。当然と言えばそこまでですが、これが作家にとって最も大切で最も難しい事だと思っているので、絵でもネームでも常に頭を悩ませつつ、この作品のこういう所を楽しんで欲しい！という気持ちを一番大切に考えて制作しております。また、作品を作り続けるという点においては、自分自身も世の中の「楽しい」を沢山知っておきたいと思っているので、自分がまだ知らないエンターテインメントを出来るだけ多く摂取して行こうと心がけております。

Q.独自の練習方法、役に立った練習方法があれば教えてください。
映画や漫画やアニメ等、自分の好きな作品をそれぞれ上から順番に50番目くらいまで順位付けし、何故その順番になったのか更に要素ごとにも順位付けをし、好きなものの要素をより分析しました。キャラクターや世界観等、自分の好きなものの方向性が明確化するのでお勧めです。

Q. 漫画に限らず、志望者の方に是非見てほしい作品はありますか？
『最高の人生の見つけ方』という映画です。メイン人物の対比や企画のキャッチーさ、心情の変化、衝突、徐々に深まるお互いへの理解度、そして最後に見つける互いが本当に欲しかった物とは何か、等々…物語に大切なものが全部詰まってます。お勧めの一本です。

Q. 最後に、志望者の方々へ向けて一言アドバイスをお願いします。
作品作りはまず発表する事が一番だと思います。投稿持ち込み、SNS等…今の時代は非常に多くの発表の場があり、沢山の意見を貰い易くなっていると思います。なのでそこから自分の作品が読者から見てどう見えているのかを客観的に分析し、強みは大切に生かし、弱みは克服出来るように練習あるのみ。そうすれば次に発表する時にまた違った反応が来た時に、成長出来たと実感出来ると思います! なのでとにかく発表第一かなと思っております。

ご回答、ありがとうございました！