お久しぶりです!編集Nです。今回の研究に取り上げるのは……この作品!!
MAGCOMI読者には釈迦に説法かもしれませんが……「この作品を読んだことない」というような方もいらっしゃるかもしれないので、まずはNの独断と偏見による簡単なあらすじを説明します。
※一部作品のネタバレを含んでいますので、ご注意ください。
『きつねとたぬきといいなずけ』とは!?
独り暮らしの青年のもとに、高尾山から中央線の乗って突然やってきた言葉を喋るきつねとたぬき。二匹は青年を自分たちの“いいなずけ”だと言い…。瞬く夜に始まるユーモア・ラブ(?)コメディ!
平日、出勤前の朝時間。
これほど人によって使い方に差が出る時間もないでしょう。
ある人は出勤ギリギリまで寝ておきたいと言い、
ある人は早めに起きてコンディションを整え、
またある人はさながら戦場のように大急ぎで家事をこなす。
そんな様々な生活スタイルがある中、本作の主人公・田中は比較的のどかなひとときを過ごします。
朝食に目玉焼きトーストを食べ、小鳥のさえずりに耳を澄ませながらゆったり出勤しようとする……
中々優雅な朝時間であり、本人も言う通り、こういう日はえてしていい一日になりそうなものだと思ったりするものです。
そうして出勤しようとドアを開けると――
そこには、ドアに隠れるようにしてこちらを見つめるきつねとたぬきがいました。
中々にシュールな光景ですが――更に畳みかけるようにして衝撃的なことが起こります。
なんと、このきつねは日本語を喋れたのです( ゚д゚)
そのまま、田中があっけにとられていると――
彼(?)らは、いきなり寝落ちします( ゚Д゚)
シュール過ぎるだろww
そんな中、放っておく訳にもいかないと考えた田中は、とりあえず2匹を家の中に上げることに。
そのまま、寝言のような要求を受けながら段ボールとタオルでベッドを作ってあげます。
いい人過ぎる…(´;ω;`)ブワッ
こうして、急場をしのいだ田中は急いで出勤することになるのですが。
帰宅してもまだいる2匹を持て余し、とりあえずご飯を作ってあげることにします。
そうして野菜炒めを作ってあげ、二人をお腹いっぱいにすると……⁉
ぽっこりお腹を膨らませた二匹は、そのまま高尾山に帰ると告げます。
そこで、ここぞとばかりに疑問をぶつける主人公。
ですが、結局何もわからないままファーストコンタクトは終わりを迎えます。
やがて、過去に高尾山中にて彼らの両親から「われらの子をめとらせる」と約束され、その約束を果たしに二匹は山から下りてきた――ということが判明して、タイトル通りきつねとたぬきといいなずけの物語が始まるのですが。
そんな中、本編とは関係のないところで私の「気になったことは徹底的に調べないと気が済まない」という性分が鎌首をもたげました。
それは―――
ズバリ!主人公・田中の職業についてです。
田中は風呂トイレ別のそれなりに広いワンルーム(おそらく15畳はあると思われる)に住んでます。
高尾山の近くにある京王高尾線沿線だとしても、おそらく優に5万~7万くらいは家賃がかかりそうな物件です。
この事実を知った途端、私の脳裏に数多の疑問が浮かんできました。
即ち、
そんなところに住んでいる田中とはどれくらいの収入なのか?
また、どんな職業に就いているのか?
休みはどれくらいあるのか?
etc.……
一度気になってしまえば、最早それは呪縛のように私の心を蝕んでいく。(妄想)
ということで、前置きが長くなりましたが―――
第11回マグコミ漫画研究部!~MAGCOMI作品のどうでもいいことを真面目に考察してみた~の議題は、こちらになります!!
『きつねとたぬきといいなずけ』の主人公の職業について研究してみた
まずは、そもそも田中がどんな仕事をしているのかについて調べてみました。
職種やそのポジションによって、ある程度収入にアタリをつけることができると考えたためです。
とはいえ、明確に本編で描写されている訳ではないので、断片的な情報を集めて考察していくことにしました。
まず、
上記作中のコマを見ると、下記4つの情報がわかります。
①私服出勤ができる職業であるということ
②遅刻という概念があることから、フレックスタイム制の勤務形態ではないこと
③会社はそれなりに大きいビルの一室であること
④おそらく中小企業であり、社員数は5人程度であること
これだけでも、だいぶ職業が絞り込めてきました。
少なくても、スーツ出勤が確約される営業職や、公務員などのお固い職種ではないはず。
その後、更に調べていくと、こんな描写が。
上記のコマから、更に下記情報がわかります。
⑤工具一式を取り扱う仕事である(※単なる趣味の可能性も有)
⑥取材をする仕事である
⑦企画を練る仕事である
⑧土日休みの仕事である
……かなり絞り込めてきたような気がします。
特に取材先の描写はかなり参考になり、クライアント(?)と思しき人が「いいっスね~」と言っていることから、何らかの成果物を見せる仕事と推測できます。
そして、企画立案をし、工具を取り扱うかもしれない土日祝日休みの仕事――。
……閃いた。
ズバリ!田中の職業はインテリアデザイナーではないでしょうか!!
インテリアデザイナーとは、インテリアと呼ばれる建物の装飾や空間構成、家具や照明器具など住空間の一部ないし全体の室内演出・デザインや建物全体の構成などを総合的にプロデュースする職業のことです。
別名インテリアコーディネーターとも言われ、細分化するとデザインを行う人がインテリアデザイナー、企画を練る人はインテリアプランナー、コンサルティングをする人をインテリアコーディネーターということもあるようですが、田中は企画も練っているようなので、おそらくプランナー寄りだと推測しています。
この手の職業はフリーランスで事務所を設けて活動する人も多く、5人くらいの小さな企業でも充分回ることが多く、作中の描写にも見事に合致します。
そして、気になるのはその収入について。
調べてみたところ、ざっくりですがインテリアデザイナーの平均年収は約400万円ほどと言われています。
日本人全体の平均年収と比較するとやや低めの数値のようですね。
とはいえ、実力主義の職種であるためか腕によって違いが出やすいらしく、依頼が途切れないほどの売れっ子になれば月収100万を超えることも珍しくないようで、独立して自分の事務所を持てば更に収入は跳ね上がるのだとか。
ということで……結論。
主人公・田中の職業はインテリアデザイナーであり年収400万程度の暮らしをしている!!
この研究結果を確かめたいと考えたNは、著者であるトキワセイイチ先生に、担当編集者であるきくちさんからインタビューを試みてもらうことにしました。
かくかくしかじかとそういう訳で、Nは田中の職業をインテリアデザイナーだと推測したとのことですが……実際、どうなんでしょうか?
まずは、すごく色々考察してくださってありがとうございます! とても嬉しいです。そのぶん心苦しくはあるのですが……田中の職業はインテリアデザイナーではありません(笑)。田中は、カルチャーニュースサイトのライターをしています。
そうだったんですね! Nの考察、⑦の企画を練る仕事以外ほぼ合ってない...!(笑)。ちなみに、同人誌版ではもっと先の方にになると、田中の会社の社長とかも出てきますよね。そういえば、田中はライターになろうと思ったきっかけとかあるんでしょうか?
きっかけかはわかりませんが、田中は「自分とはまったく関係ない世界で仕事をしたくてライターになった」という設定があります。理由に関しては、今後田中が学生時代にやっていた陸上の話と絡めて書きたいと思ってるんですが……そこまで語るとなると……
ネタバレになってしまいますね(´・ω・`)...でも…どうしても知りたいので、担当特権であとでこっそり教えてください(笑)。
わかりました(笑)
そういえば、田中が勤める会社はどれくらいの規模なんでしょうか?
カルチャーサイトのライターなので、少人数の会社です。土日は基本休みで、なんとなくフレックスだけど、コアタイムもあるから遅刻っぽい概念もある感じです。
ふむふむ…ちなみに、お給料は? Nは年収400万くらいと予想されていましたが…(笑)
田中の給料は...考えたことなかったですがそんな高くもなく低くもなく...といったイメージですね。ちなみにNさんが気づいてくださった一本松が田中に貸した工具は、一本松の私物で自転車の工具です。第5話で田中たちが自転車で多摩湖に行っている(※下記参照)んですが、田中に趣味で自転車を勧めたのが一本松という裏設定があります。
あの工具私も気になっていたんです。自転車の工具だったんですね。ちなみに、第5話のスタッフドバゲット読者さんから美味しそうってコメントがありましたよ!
スタッフドバゲット美味しそうですよね! 実はオレ食べたことないんですけど(笑)
あんなに美味しそうに描かれてたのに食べたことなかったんですか(笑)。あ、そういえば編集部では一本松先輩が人気なんですよ。「300万事件で凹む田中を背負ったり面倒見の良いイイ人!」って。
そうなんですね、嬉しいです。一本松は田中より2、3年会社の先輩で後輩だからっていうのもあるんですが、誰にでもあそこまで面倒を見るというわけではなく、田中だから放っておけなくてあそこまで気にかけてるんです。
そうなんですね!え、じゃあ先ほどの田中の過去とかと関係もあったりするんですか!? …って、またしてもネタバレになってしまいますねこれ(;^ω^)後でこっそり教えてください(笑)
わかりました(笑)
お次は、田中の部屋について聞いてもよいでしょうか? Nも言っていましたが、めちゃくちゃワンルーム感のあるだいぶシンプルな部屋ですよね。
実は、これは以前自分が住んでいた部屋の間取りなんです。宅配便がきたら生活感が見える部屋でした。
自分の部屋の間取りが作品資料になるの、作家さんあるあるですね(笑)。ちなみにNから田中の家の最寄り駅の質問が来てますが、想定はありますか? 京王線沿線なんでしょうか?
具体的な駅はあるんですが、まんま自分の住んでるところをモデルにしちゃったので...(笑)
あはは! それは言えませんね(笑)。家の近くがモデル...ということは、トキワさんも多摩湖に行かれたりするんですか?
はい。運動を兼ねて、自転車で多摩湖自転車道を通っていくことがあります。
すごく健康的で素敵です! お話は変わりますが、Nから高尾山にある天狗の看板(※下記参照。本当に高尾山にこの看板があります)はてんぐじいが建てたものなのでしょうか? との質問が来てますが、実際のところどうなんでしょう?
(撮影:N)
え!? こんな看板ほんとにあるんですか!? すごい…(笑)実際は高尾山を管理されている人が建てたんでしょうけど...それだと物語はつまらないから...えーと、そうですね..。不思議な存在であるてんぐを人間に知らせて驚かせたいと思ったカラテン先生(※下記参照)が指示して建てさせた...のかもしれません(笑)
じゃあ、そうしましょう! これが公式設定になりましたね(笑)。
…………。
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と、いうことで……
本作の主人公・田中の職業はカルチャーニュースサイトのライターで、天狗注意の看板はカラテン先生が建てたということが公式設定になりました!
是非それを踏まえた上で、改めて本作を楽しんで頂けますと幸いです!
そして、もしまだ『きつねとたぬきといいなずけ』を読んだことのないそこのアナタ!!
これを機に是非読んでみてはいかがでしょうか。2月10日に第①巻が発売され、徐々に広がっていく『きつねとたぬきといいなずけ』ワールドを是非ご堪能ください!
また、『きつねとたぬきといいなずけ』1巻発売を記念し、特集ページにて同人版『きつねとたぬきといいなずけ』や、その他Twitterで話題となった作品の出張掲載を行ったり、ここでしか手に入らない限定プレゼントキャンペーンも開催しております!
気になった方は、下記より是非アクセスしてみてください!
以後もこのような形で、私Nが独断と偏見で選んだMAGCOMI連載作品の気になった点を考察しては、作者や担当編集者に突撃インタビューをしていこうと思います! 次回もお楽しみに!
©トキワセイイチ/マッグガーデン ©Seiichi Tokiwa/MAG Garden
※本ブログへ記載した画像は、株式会社マッグガーデンが刊行した『きつねとたぬきといいなずけ』第①巻、月刊コミックガーデン2021年2月号~3月号掲載の『きつねとたぬきといいなずけ』8話・9話より抜粋し、引用させて頂きました。