担当編集に訊く、コミックガーデン作品のウラガワ!MAGCOMI出張編 第2回

 

 

2023年1月号の月刊コミックガーデンで特集した「担当編集に訊く、月刊コミックガーデン作品のウラガワ!」好評につきボリュームアップして、マグコミに出張掲載!
計6回にわたってお届けします!マグコミ連載作品のウラガワ、ぜひご堪能下さい!
第1回の記事はコチラ

第2回目のインタビュー作品は

『異種族巨少女セクステット!』(著:あまがえる)
『河畔の街のセリーヌ』(著:日之下あかめ)
『侯爵嫡男好色物語 ~異世界ハーレム英雄戦記~』(原作:AL/漫画:GEN)
『ソフィアの円環』(著:山田怜)
『凸凹のワルツ』(著:森野きこり)
『まもって守護月天! 解封の章』(著:桜野みねね)
です!

 

『異種族巨少女セクステット!』

Q1.おすすめのコミックスのイラストは何巻ですか?

担当:各巻いずれも作品のコンセプトである「主人公とヒロインのサイズ差ラブコメ」をうまく演出いただいており、思い出深いです。その中でも特に、といえば第4巻でしょうか。
もともとコミックス制作作業にあたり、ラフ状態のイラストも見ている立場ですが、完成データを拝見した瞬間「うおっ……うっま……」と声が漏れました。抜群の仕上がりはもとより、普段Ver.のソメイユと真の姿Ver.のソメイユによるサンドイッチ構図の贅沢さが効いていますね。うらやましい男ですよトールくんは。

 

Q2.印象に残っているキャッチやセリフ、作品の裏話を教えてください。

担当:キャッチとしてはコミックス第2巻の帯です。マッグガーデン史上、帯にこれほどでかでかと「ビキニアーマー」なんて文字列が踊ったことはなかったと思うので。
作品の裏話としては、作中に登場する一部キャラクターや地名などの固有名詞に、名作STGゲームへのリスペクトが込められているそうです。連載時に気付いていた読者の方もいらっしゃいましたね。

 

『河畔の街のセリーヌ』

Q1.おすすめのコミックスのイラストは何巻ですか?

担当:まだ1巻しか出ていないので第1巻ですね(笑)。日之下さんの方に幾つか構想があったのでラフを拝見させて頂いて。作品の内容を伝えるには、どれが一番良いのか、より書店で際立つのはどういうものか、というところで議論をさせて頂き、古書的な手触りをもった想定とジャポニズムが流行ったパリの時代感を現したイラストとなりました。野心的なパッケージにはなりましたが、イラストとも相まって非常に上品な出来になり、とても良い作品になったなと考えています。(記事初出2022年12月※現在は2巻まで刊行)

 

Q2.印象に残っているキャッチやセリフ、作品の裏話を教えてください。

担当:作品の世界観や時代感をしっかりキャッチアップする為に作画の部分でも、どういう作画にすればより詳細に雰囲気が伝わるのかを何度もトライして貰いました。
作画の方向性を定める為に確定したネームの一部を幾つかのパターンで実際に執筆して、僕の方で感じた印象を戻して調整をしていくというとても大変な作業をこなして頂きました。結果として、1話から作画はしっかりと印象を立てられていたなと感じています。

 

『侯爵嫡男好色物語 ~異世界ハーレム英雄戦記~』

Q1.おすすめのコミックスのイラストは何巻ですか?

担当:3巻です。わるっそうな顔をしたウィルクが魔王のように君臨しており、それに立ち向かうルペッタ…というどっちが主人公だかわからない構図が気に入ってます(笑)。
本来なら3巻は紫色にしようかという話をしていたのですが、ルペッタの髪色や服装の色と重複しているので、緑に変更をしたという理由があったりします。
ウィルクの手に魔力を貯めているかのようなポーズもカッコよくて好きですし、カバー下表紙のウィルクの祖母・カシアの凛々しい姿もとても気に入ってます!

 

Q2.印象に残っているキャッチやセリフ、作品の裏話を教えてください。

担当:1巻のADや帯に使ったキャッチ、「英雄、色を好む。」は既存の言葉とタイトルにかけつつ、端的に本作の魅力を表現できたのではないかと考えており、印象に残ってます!
裏話としては、実は当初の予定では1巻はナンボナン陥落まで、2巻にミニットとの邂逅を描こうと考えていたのですが、描き下ろしなどを含めると想像以上のボリュームになってしまい、ナンボナン陥落が2巻にズレ込んでしまいました。
その名残もあり、なぜか2巻にはほとんど登場しないのにも関わらず、カバーはミニットがメインで描かれています(笑)。

 

『ソフィアの円環』

Q1.おすすめのコミックスのイラストは何巻ですか?

担当:第2巻です。大切な人の死を糧に生きるアルス、そしてその後ろには王の弔いに訪れた群衆と、弔いの舞を踊るソフィア。作中でも、大切な人の死を思うアルスにソフィアは寄り添うかのような素振りを見せています。物言わぬ人形であるものの、ソフィアの意思が確かに感じられるような場面でとても好きなシーンです。第②巻のカバーイラストはそのシーンと呼応しているようで美しいイラストだと思っています。

 

Q2.印象に残っているキャッチやセリフ、作品の裏話を教えてください。

担当:第1巻の「自分以外になれなくても今はソフィアがいる!」というセリフが好きです。第1巻の帯もこのセリフを元に考えました。人との繋がりを持つことで、どうしようもなく呪われている“自分の運命”をも変えられる力を持つような、本作を象徴するようなセリフだと思っています。
余談ですが、人との繋がりとは不思議なもので、著者の山田怜さんとは妙な縁があります。その経緯をなぜか担当編集の私が漫画として描きました(もちろん本編には載っていませんよ)。詳しくは山田怜さんのツイッターをご覧ください。

 

『凸凹のワルツ』

Q1.おすすめのコミックスのイラストは何巻ですか?

担当:第1巻です。作品の方向性を伝える為の情報が上手くまとまっていて魅力を伝える絵になっているなと感じます。また、これ以前の連載とはまた違う塗り方や絵に挑戦をしているところもあった為、印象深いです。

 

Q2.印象に残っているキャッチやセリフ、作品の裏話を教えてください。

担当:個別のエピソードではないのですが、森野さんは新人賞から10年以上担当しています。その10年の中で、毎回どの物語も、エピソードも、粘り強く良いものにする為に向き合っている事は感銘を受けます。
作品を良くしようとする姿勢があり、素晴らしいなと感じます。自分に何が描けるのか、何を描くべきなのかをいつも向き合って頑張って頂いているので、より商業的な成功に向けて今後も力になれればと思っています。  

 

『まもって守護月天! 解封の章』

Q1.おすすめのコミックスのイラストは何巻ですか?

担当:おすすめ…というわけではないのですが、第2巻のイラストはシャオがいつもはあまり見せない表情をしていて、とても貴重だ…と思います。
シャオと翔子さんの二人が描かれているのですが、作中でも翔子さんにしか見せないシャオ、というのがあると思っていまして、このイラストのシャオがまさにそうなのではないか…と。二人が手を繋いでいる仲睦まじさに加えて、シャオが翔子さんに大きな信頼を寄せている感じも出ている1枚だと思います。

 

Q2.印象に残っているキャッチやセリフ、作品の裏話を教えてください。

担当:ご存知の通り本作は『まもって守護月天!』の続編です。その第1話、ヒロインが発する最初の一言。「太助様」「今日は水煮牛肉(シェィヅィニューロー)です♪」は、ああ…シャオが帰ってきたんだ…と感慨深いものがありました。
「水煮牛肉」を寡聞にして知らなかったのですが、写真を見てみたら…赤っ! 名前から角煮の牛バージョンみたいなものを想像していたのですが、激辛四川料理なんですね。漫画にはもちろん色がついていませんが、描かれているあの料理…実は真っ赤で見るからに辛そうなのです!

 

作品作りのウラガワで活躍する編集者のウラ話はいかがでしたか?

次回は3月5日更新、お楽しみに!


【下記タイトルから 第1話が読めます!】
『異種族巨少女セクステット!』
『河畔の街のセリーヌ』
『侯爵嫡男好色物語 ~異世界ハーレム英雄戦記~』
『ソフィアの円環』
『凸凹のワルツ』
『まもって守護月天! 解封の章』