2023年3月期結果発表
第25回募集、期待賞1作品・奨励賞2作品選出!
今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…?(3月25日締切分)
賞金5万円
受賞作掲載
『御前試合』
曄子
STORY
弓の名人・シルバは大切な人を賭けて、王都で行われる御前試合に参加させられることになり――。
選評
世界設定の作り込みがハイレベルで、期待賞を受賞することになった本作。ただしストーリーはまだまだ粗削りで、改善できる部分も多々あるように感じた。具体的には、王子と平民のライバル関係を描くのであれば、もっと二人を絡めた上で御前試合を描くとよりカタルシスが得られたはずだ。また、物語自体もややぶつ切りのように終わっているのも残念。絵は鳥獣はとても上手く描けているが、王子二人の顔の描き分けを意識したり、背景の白が目立っている箇所をトーンやベタ・陰影で上手く表現できるようになるとさらに良くなったように思う。次回作に期待。
賞金3万円
『泡にならない言葉』
小野ふみか
STORY
島一番の漁師ミロとその恋人チャコの前に突如、喋る人魚が現れる。人魚は人を食べるという噂がありミロは討伐隊のリーダーに抜擢されるのだが…。
選評
56ページという大ボリュームにも関わらず全ページ丁寧に画面を作り上げていたのは好印象。また、物語の中心である人魚の恐ろしい面、可愛らしい面など様々な側面を魅力的に描いており力作であると感じた。しかし、あらすじに対しページ数が冗長に感じたのは否めない。ラストシーンまでのエピソードを削るか、圧縮するなどの工夫が必要である。また、人魚がミロを最後まで襲わなかった理由が分からなかったのでその点の補足が欲しかった。前作よりも成長しているので満足せず邁進していってほしい。
『彼という画家』
村田 新作
STORY
雑誌記者の丸山は人気の画家・金森学の取材で彼のもとを訪れる。金にがめつい金森に内心辟易する丸山だったが、そんな金森が売らずに置いてある絵があることを知り――。
選評
作画、特に人物の造形や表情が素晴らしい。ストーリーもキャラクターを描こうという意識を強く感じた。一方で作画面で素材を用いるのは良いが、自身で作画した箇所との差を感じる部分が散見されるため、実物でも写真でも良いので想像で描かずにモノを見て描いてほしい。ドラマに関しては、キャラクターの謎めいた部分を軸にそれを解き明かす筋道は王道の良さがあるが盛り上がりに欠けているので、見せ場の意識とともにどのように読者を楽しませるかという観点をもってほしい。
最終選考作品
完成原稿部門
- 『すきないちゃんとおとせないくん。』さとう甘々
- 『魚へんに思う』akuR